「化粧品業界の未来を推し進める。K18の独自性とは? 」:ヘアケアブランドK18共同創設者 スヴィーン・サヒブ氏

DIGIDAY

ヘアケアブランド、K18(ケイエイティーン)の共同創設者兼CEOで、科学や技術にルーツを持つスヴィーン・サヒブ氏は、髪の秘密を解き明かすことができた。ヘアケア産業には髪の生物学への理解が欠けていたというのが、同氏の考えだ。

「私は、髪の生物物理学や生物化学を深く理解しようと掘り下げたところ、繊維のように見える髪が実はもっとも精巧な生物学的複合材料であることが分かった。ヘアケアのソリューションは髪の外側でなく、内部にある」と同氏はGlossyビューティ・ポッドキャストの最新エピソードで語った。

パンデミックの最中である2020年12月に設立したK18は、たった1種類の消費者向け製品で、2021年に7500万ドル(約101億円)の売上を達成した。今年の売上は1億ドル(約135億円)に達する見込みだ。TikTokで展開するマーケティング戦略ではミケイラ・ノゲイラ氏やブラッド・モンド氏などトップ美容インフルエンサーとタッグを組み、華々しいデビューにも貢献した。だが、同ブランドを成功に導いた真の原動力は、バイオテクノロジーの試行錯誤を繰り返した成分だと、サヒブ氏は考えている。

「私たちはパンデミックの真っ最中にローンチし、50カ国以上で展開することを決定した。これは製品テストのもっとも荒々しい方法だ。あらゆる髪質、あらゆる世代、そしてあらゆるヘアケアサービスで本当に効果を発揮するのか確認したかった」と同氏。「これが、まさに評価されている。髪質に関係なくすべてのサービスで使うことができる点が、スタイリストたちにとても気に入られている。彼らの時間を節約できるのと、パンデミック後の世界で(顧客の)ルーティンをとてもシンプルにできるからだ」。

以下はポッドキャストで語られた内容を読みやすさのために要約し、編集を加えたものである。

サロンでヘアケアブランドを立ち上げる

「K18は、アクイス(Aquis)の一部としてローンチすることもできたが、重要なポイントが2つあった。まず製品のアーキテクチャが全く異なっていたこと、そして流通のフットプリントも異なっていたことだ。アクイスは小売製品だが、K18はサロンへのチャネルが必要だった。既に小売店で販売されているアクイスの製品を、そのままサロンに流通させることはできない。サロンコミュニティは製品の導入や育成に携わることが大好きで、スタイリストはK18の立ち上がりにおいてもっとも強い推進力になる。そのためK18をアクイスの延長としてではなく別のブランドとして立ち上げ、スタイリストの共感を呼ぶ響く独自のパーソナリティを構築する意思決定を行った」。

消費者とサロン、両方にとってのヒーロー製品

「K18はレチノールのように進歩的で経験豊富な製品である。。レチノールは一度使っただけでは効果が出ないが、一定期間使い続けることで肌のきめが改善されていく。これはK18も同様だ。私たちは2つの製品を開発しており、1つはサロン専用の製品で、ケミカル施術(パーマやカラーなど)の前に使用するK18ヘア・リペア・モレキュラー・ミスト(K18 Hair Repair Molecular Mist)。もう1つはケミカル施術後のケアとして使うK18のヘアマスクだ。このヘアマスクは進歩的な製品で、自宅でも体験できる仕組みにした」。

「両製品が相対しているとは考えておらず、一つの統合された世界だと私は見ている。スタイリストは顧客があらゆる情報を得られる場であり、顧客の髪のことを誰よりもよく理解している。過去にはケラスターゼ(Kérastase)、オラプレックス(Olaplex)、レッドケン(Redken)などがヘアサロンから生まれ、サロンでの体験を自宅でもできるよう製品を展開し、グローバル規模の巨大ブランドへと成長していった。K18もサロンで成長し、世界中のプロスタイリストから愛されるブランドでありたい。そしてスタイリストから愛されるだけでなく、彼らのサロンでの仕事をシンプルにしていきたいと考えていて、それができないならば価値がない。そしてスタイリスト達のこの製品への愛によって、彼らのコミュニティと共に私たちのフランチャイズを構築していきたい」。

K18の独自性

「K18というブランドは製薬業界と同様、新しい分子の試験に重きを置いている。また化粧品業界の未来を推し進める、よりサステナブルな方法を見出すことにも尽力している。基本的に、将来性のある美容とはバイオテクノロジー、生体適合性(生体に悪影響や強い刺激を与えないこと)、そしてサステナビリティだと私たちは考えている。

バイオテクノロジーが目指しているのは、世界でもっとも豊富に存在する微生物からタンパク質を大量生産すること、つまり、植物や動物を除外して考えようということだ。今後10年間でヘアケアに限らず美容全般において、あらゆる化学物質がバイオテクノロジーで置き換えられていくだろう。K18はその進化において、先駆的かつ主導的な役割を果たしている」。

[原文:K18 co-founder Suveen Sahib on ‘driving the future of the cosmetic industry’

TATIANA PILE(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)

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