各ブランドは、ライブストリームコマース機能への投資をさらに増やしつつある。しかし、買い物顧客がこうした番組を求めているのかは不明瞭だ。米モダンリテールとアテストの調査によると、消費者の多くはこれらの番組を認識しているものの、 ライブコマース のこうしたテクノロジーを使用して購入することに熱心ではないと判明した。
こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール［日本版］」の記事です
※モダンリテール［日本版］は、DIGIDAY［日本版］内のバーティカルサイトとなります
各ブランドは、ライブストリームコマース機能への投資をますます増やしつつある。しかし、買い物顧客がこのような番組を求めているのかは、不明瞭な状況だ。
米モダンリテールと、消費者調査プラットフォームであるアテストによる新しい調査結果から、米国の買い物客がネットワーク（Ntwrk）、ワットノット（Whatnot）、インスタグラムライブなどのライブストリーム動画とソーシャルコマースプラットフォームについて、どのように考えているかをかいま見ることができる。北米におけるライブストリームコマースの採用は、アジアに比べれば依然として小規模なものだ。2021年のある推計では、米国の市場はその年に110億ドル（約1兆5000億円）に達すると予測した。これに対して、2020年の中国でのライブストリームショッピングは1710億ドル（約23兆3000億円）に達していた。
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現在、eコマースの普及が飽和しつつある状態で、このメディアが米国において実際に主流となるかどうかという疑問が残っている。買い物客がこれらのプラットフォームについてどのように考えているかということは、最近の調査により多少判明している。米モダンリテールとアテストは、米国の2000人の消費者に対し、買い物のパターン、およびライブストリームショッピングの使用に関する意見を求めた。その結果、消費者の多くはこれらの番組を認識してはいるものの、こうしたテクノロジーを使用して購入を行うことに熱心ではないと判明した。
たとえば、ライブストリームプラットフォームで購入を行ったことがあると述べたのは回答者の約半数にすぎなかった。
それでも、購入の決定にプラットフォームは影響を及ぼしているように見える。調査では、ライブストリーム動画やソーシャルショッピングプラットフォームの情報が、少なくとも時々決定に影響を与えると、回答者の43％が答えた。一方で38％は、これらのプラットフォームが購入に影響を与えないと答え、19％はそもそもこれらのプラットフォームがどのようなものか知らなかったと回答した。
これらのデータすべては、各ブランドがライブストリームショッピングプラットフォームに投資すべきかという判断に結びつく。一部のブランドは依然としてこれらを使用していないが、ほかのブランドは戦略を変更し、ショッピングパターンの進化に対応する方法を見つけ出そうとしている。たとえば、ランジェリーブランドのアドアミー（Adore Me）は数年にわたって、ライブストリームショッピングコンテンツをタイプ別に調整しており、ピーコック（Peacock）のようなストリーミングプラットフォーム上では、高度に制作された番組を、インスタグラムのようなアプリでは、より簡素化したコンセプトの番組を制作している。
「優れたメディアを制作することはそれ自体困難なため、メディアとコマースを組み合わせることはさらに難しい挑戦であるという認識を持って、ライブショッピングへの取り組みを開始した」と、アドアミーの戦略担当バイスプレジデントを務めるランジャン・ロイ氏は、以前米モダンリテールに語った。
実際に、米モダンリテールとアテストの調査は、成功のために不可欠なものとして、制作の質と番組の種類をあげている。たとえば、回答者の39％は商品を重視したライブストリーム動画やソーシャルショッピングコンテンツを望んでいると答えている。これに対し、37％は高品質の動画やビジュアルコンテンツを望んでいると回答した。
当然のことながら、アドアミーの例が示すように、これは微妙なバランスが要求される活動だ。オーディエンスは高品質の番組を希望すると述べているが、あまりに最先端のものであってはならない。「過剰にプロデュースされたショーは当社のオーディエンスに適しておらず、カジュアルな情景の方が当社の若いオーディエンスの共感を呼ぶと学んだ」とロイ氏は述べている。
Cale Guthrie Weissman（翻訳：ジェスコーポレーション、編集：戸田美子）
Illustration by Ivy Liu
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