オープンプログラマティック CTV 広告費が初の減少。成長にブレーキをかけた要因は?

DIGIDAY

パンデミックの期間を通じて成長してきたCTV広告だが、その一部はここへ来て伸び悩んでいるようだ。ただし、エージェンシーは今年後半の回復を予想する。

分析プラットフォームのピクセレート(Pixalate)が6月12日に発表した、CTV広告に関する第1四半期報告によれば、オープンプログラマティックCTV広告費は前年比5%減となり、同社が調査を開始した2019年以来初めての減少を示した。

今年第1四半期の世界の総支出額は32億ドル(約4540億円)であり、2022年第1四半期の33億ドル(約4685億円)から減少し、2020年、2021年と続いてきた成長にブレーキがかかった格好だ。

広告主はPGおよびPMP取引を選択

エージェンシーはこの期間中、プログラマティックCTV予算の一部を調整し、前年並みまたは微減としたが、これは「何らかの大きな戦略的転換」というよりも、全体的な経済の不確実性に起因するものであると、ノーバス(Novus)でプレジデント兼最高マーケティング責任者を務めるロブ・デイビス氏は説明する。

「全般的には、我々は今もCTVに関して積極的であり、ほかの動画広告や従来型TV広告と比較しての予算配分は、このメディア全体に対するアプローチではなく、個々ブランドの目的に応じて決定される」。

また、オープンマーケットのプログラマティック広告費に関しては、広告主がオープンエクスチェンジ取引ではなく、プログラマティックギャランティード(PG)取引やPMP取引を選択したために減少した可能性もある。CMIメディアグループ(CMI Media Group)で動画投資担当バイスプレジデントを務めるトビー・カッチャー氏は、PG取引やPMP取引を選択することで、広告主はより広告インベントリをコントロールしやすくなり、ブランドセーフティや広告の品質も改善すると指摘する。

「広告主はPMPやPG取引を通じて、プレミアムで厳選された広告インベントリーにアクセスし、有利な条件で交渉を進め、統制された安全な環境に広告が提示されるという確証を得られる。これらはすべて、キャンペーンの効果を改善し、企業の評判を守ることにつながる」と、カッチャー氏は説明する。

独立系メディアエージェンシーのグッドアップル(Good Apple)でプログラマティック担当アソシエイトメディアディレクターを務めるケリー・マカルーン氏も、「PMPはオープンエクスチェンジの広告購入に比べて有利である」と述べ、成果報告がよりシンプルで、ブランドセーフティを確保できることを理由に挙げる。

「多くのCTVパブリッシャーはそもそも番組レベルのデータを提供できないが、一般にPMPでは広告主がカテゴリーやアプリの設定を選択するため、透明性と裁量性が高まり、結果的によりブランドセーフティを保証できる。このため、広告購入の優先的な選択肢がオープンエクスチェンジからPMPやPG取引に移りつつある」と、マカルーン氏は述べる。

成長分野であることは変わらない

今回の調査結果はCTVの現状を正確に反映したものとはいえず、経済全体の先行きの不透明さに加え、クライアントの要望がより具体化した結果にすぎないのだろうか。

スパークファウンドリー(Spark Foundry)とエクスベルスメディア(Exverus Media)、2社のメディアエージェンシーいずれも米DIGIDAYの取材に対し、自社の観測範囲でCTVへの投資は減速しておらず、今年後半には予算の増大が予想されると述べた。

スパークファウンドリーの最高投資責任者であるリサ・ジアコーサ氏は、「CTVの優先順位の低下や、成長の鈍化は見られない」と語り、「我々のクライアントの多くは依然として力を入れており、世界的にも成長はますます加速している」という。

また、「経済が軟調のため、全体として広告費の予測は下方修正されているが、CTV、とりわけプログラマティックCTVは2023年においても成長分野と位置づけられており、今年後半には伸びが期待される」と、エクスベルスメディアでマネージングディレクターを務めるタリア・アーノルド氏は話す。

CTVの利用は米国世帯の98%までに到達

今回のピクセレートの調査では、今年第1四半期においてオープンプログラマティックCTV広告を提示できる米国世帯が全体の98%に達したことも明らかになった。この数字は2022年第1四半期の92%からさらに増加したかたちだ。2020年第1四半期には、プログラマティックCTV広告を提示できる米国世帯は、全体のわずか59%でしかなかった。

なお、ピクセレートの今回の調査は、3億台以上のCTVデバイスを網羅するプログラマティック広告データの分析に基づいている。

[原文:Study finds open programmatic CTV ad spend slows for the first time in years

Antoinette Siu(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:島田涼平)

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