豪ワークウェアの米国での ブランド構築 。「不可避」の不況に備える:スカンランセオドラのメリンダ・ロバートソン氏

DIGIDAY

メリンダ・ロバートソン氏がウォール街で働くために2012年に米国に移ったとき、自分のワードローブが高い評価を受けるとは思ってもみなかった。ロバートソン氏は女性用ワークウェア専門のオーストラリアのファッションブランド、スカンランセオドラの服を着用していた。

メリンダ・ロバートソン氏がウォール街で働くために2012年に米国に移ったとき、自分のワードローブが高い評価を受けるとは思ってもみなかった。アメリカ人の同僚とは異なり、ほとんどの場合、ロバートソン氏は女性用ワークウェア専門のオーストラリアのファッションブランド、スカンランセオドラ(Scanlan Theodore)の服を着用していた。同氏が驚いたことに、同ブランドのシックなスタイルは人気を博したため、ロバートソン氏はビジネスパートナーのサラ・ブランク氏と共にスカンランセオドラの創業者、ゲイリー・セオドア氏に米国での展開を売り込むことにした。

ロバートソン氏は、「(スカンランセオドラ・アメリカズは、私とサラの)個人的な必要性と(女性の銀行員からの)フィードバックから生まれた」とGlossyポッドキャストの最新エピソードで語っている。「(新しい国でローンチするときに)もっとも難しいことのひとつには、製品がその国で受け入れられるかどうかを判断することがある。まず、外国で受け入れられるかどうか。(ウォール街の)女性たちに大好評だったので、その点では自信があった。次に(米国での)問題は、ニューヨーク以外の州ではどのように受け入れられるだろうか。この面でも自信があったので、実行した」。

セオドア氏に米国進出を提案してから2年後、3人は2017年に米国事業のビジネスパートナーになった。現在、ロバートソン氏はスカンランセオドラ・アメリカズの共同CEOとして、米国市場でのブランドのプレゼンスを高める責任を負っている。現在、同社はニューヨーク市にブティック2店を構え、ニューヨーク州ロングアイランド、マイアミ、ダラスにも店舗がある。2023年6月にはワシントンD.C.に1店舗をオープンする予定だ。

「忍耐が必要だった」とロバートソン氏は述べている。「望んでいたロケーションが確保できたので、いまはブランドの構築にフォーカスしている」。

以下はポッドキャストからの追加のハイライトである。読みやすさのために若干編集されている。

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グローバル展開モデルの選択

「(創業者として)我々3人で米国事業のローンチをすることは理にかなっていた。我々はリスクを負って(米国小売市場に)全力投球する必要があった。国際的なブランドがフランチャイズモデルで参入したり、ブランドの所有者が(ひとつの国で)好き放題するのを目にしている。だが、そのようなことはさまざまな理由から(セオドアにとって、または)我々にとっては魅力的ではなかった。(セオドア氏は)この素晴らしいブランドを築き上げたわけで、彼が知り合ったばかりの人に米国市場での手綱を渡すということは解せなかった。(サラと私にとって)ゲイリー(・セオドア氏)こそがブランドの背後に存在する天才だから、彼の仕事を引き継ぐつもりはまったくなかった。我々には彼の導きとパートナーシップが必要だ。日々それに頼っている。彼がクリエイティブの天才なのだ。我々3人が団結して、モチベーションを維持して、同じ目的を目指して活動していく最善の方法は全員が投資することだと判断した。これが皆にとって納得ゆくモデルであったし、うまく機能している。私のアパートから米国でのオンライン販売を開始した。いまではブティック5店舗とのオンラインストアを持つまでに成長しており、来年には6番目の店舗をオープンする予定だ」。

ワークウェアの売上の浮き沈みをナビゲートする

「2020年には半年ほど売上がなかった。米国政府からはいろいろなビジネスへのサポートが提供されたし、家主にも助けられた。正直なところ、そのようなサポートのおかげで乗り切ることができた。(店舗を再開したとき)かなり長いあいだ、異なる方法でビジネスを運営することが必要だった。信じがたいほどの不安定性に対応しなければならなかった。非常に高い固定費がある場合にはこれはとても難しい。2020年は大きな挑戦の年だった。サラと私は現場で必死で対応した。2021年に状況は少しずつ回復してきた。(安心できるようになったのは)今年の3月以来だ。(ようやく)2019年の予測と2019年の実績を大幅に上回るまでになった。良い年になりそうだ」。

迫り来る不況を乗り切る

「不況と物事の減速を予想している。寄与しているすべての要因を考えると、これは避けられない。我々は常に在庫に細心の注意を払っている。予測を間違えて大量在庫を抱えてしまわないように慎重になる必要がある。給与コストに関しては少数のスタッフを維持している。過剰に人員を配置するとどの店員にも自分の売上を最大化する機会がなくなるので、ある意味ビジネスを店員から奪っていることになる。また、パンデミックの全体的な状況がひどかったため、過剰に人員配置をしないように常に留意している。自分が過剰に配置したせいで人員削減をしたくないからだ。不況は短くて厳しいと思う。短いというのが6~12カ月なのかどうかは不明だが、耐え忍んでできるだけ多くの外部販売イベントを行うことが必要だ。我々は資金調達活動を頻繁に行っている。店舗に入店するフットトラフィック以外からも売上を上げられるように尽力している。来店する客数が少ないなら、ギアを上げてこの取り組みを進めなければならないだろう。(当社のスタッフが)毎日使っている優れたCRMプログラムがある。スタッフはいつも店内にいてカリフォルニアなどの顧客とやりとりしている。これは継続しなければならないし、すべての尽力を加速して進める必要がある」。

[原文:Scanlan Theodore’s Melinda Robertson on preparing for an ‘inevitable’ recession

TATIANA PILE(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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