「商品がよいだけでは、誰も買ってはくれない」:オリヴェラのS・ボイド氏

DIGIDAY

オリヴェラの設立に取り組んでいたとき、創設者兼CEOのステイシー・ボイド氏は社会奉仕のミッションをコアビジネスモデルに組み込んだラグジュアリーショッピングプラットフォームを確立しようと考えた。社歴5年になる同社は、購入ごとに純収入の20%を同社のパートナーリストから消費者が選択した慈善団体に寄付している。

オリヴェラ(Olivela)の設立に取り組んでいたとき、創設者兼CEOのステイシー・ボイド氏は社会奉仕のミッションをコアビジネスモデルに組み込んだラグジュアリーショッピングプラットフォームを確立しようと考えた。社歴5年になる同社は、消費者やブランドパートナーに経費を負担させることなく、購入ごとに純収入の20%を同社のパートナーリストから消費者が選択した慈善団体に寄付している。

「我が社の取り組みには3つの柱がある」とボイド氏はGlossyポッドキャストの最新エピソードで述べている。それらは、女性のエンパワーメント、気候変動対策、健康とウェルネスへの焦点である。「社名は成長と知恵のシンボルである樹木の『オリーブ』と、ラテン語で船の帆を意味する『ヴェラ』を組み合わせた。この名前には人々が最良の人生を送れるように手助けをするという思いが込められている」。

「目的は(我々の顧客にとって)重要だ」とボイド氏。「オリヴェラのウェブサイトの開発と制作を考えるとき、商品が良いという理由だけで購入する客はいない。バッグを買う顧客は、バッグが好きだから買うのだ。また、他社ではなくオリヴェラで購入してくれるのは、その購入には良い面があり、同時に(顧客には)消費者として選択肢があるからだ」。

以下に、読みやすさのために若干編集を加えて会話のハイライトを紹介する。

オリヴェラのキューレーションへのアプローチ

「(ほかのラグジュアリー小売プラットフォームと比べて)我が社には厳選されたセレクションがある。サイトのブランド数を厳選して洗練してきた。プレタポルテ、シューズ、ハンドバッグ、(ジュエリー、アクセサリー、ホーム)、ビューティを取り扱っている。ビューティは、特にこの数年間消費者から求められているものの大部分を占めていた。(ビューティバーティカルには)ドクター・バーバラ・シュトルム(Dr. Barbara Sturm)、ヴィントナーズ・ドーター(Vintner’s Daughter)、アウグスティヌス・ベイダー(Augustinus Bader)のような素晴らしいブランドがある。我々のフォーカスは、消費者から愛されることが確信できるブランドを見つけること。そのようなブランドに焦点を当てて、彼らのストーリーを語ることに注力している」。

ポップアップストアのパワー

「特に(マサチューセッツ州)ナンタケットのような場所では、ポップアップはVIPの顧客を獲得できるすばらしい方法だ。彼らは、ラグジュアリー分野で我々がパーソナルショッピングを担当しているような人たちだ。ポップアップは、我が社がどんなブランドで行っていることを知ってもらうための優れた手段。(ポップアップストアに)インスタグラム向けの壁を備えた。ポップアップ展開の初期にジェニファー・ローレンス氏が来店して、典型的なナンタケットバスケットを購入してくれた。壁に『ありがとう、ジェニファー。あなたの購入によってある女の子が22日間通学することができた』とメッセージを書いた。店舗で購入する人は誰でもこのインスタグラム向けの壁を利用できるので、これも新規顧客の獲得のための素晴らしい方法だと思う」。

ラグジュアリーの未来

「あるときLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の会長と話していて、現在の世界が1832年のパリと同じだという話題になった。当時はコレラが流行した。『持つ者たち』はみなパリを去ったが、『持たざる者たち』はパリに残った。これは何カ月どころか何年も続いた。会長は『持つ者』と『持たざる者』の融合がオリヴェラのビジネスモデルのユニークな点だと思っていた。二者が共存して支え合う方法を見つけることこそが、今後のラグジュアリーにとって非常に重要な部分なのだ。オリヴェラは時代の少し先を行っていたかもしれないが、ラグジュアリーブランドらが深く考えるようになり、それが人々の変化と移行を推進しつつあることが見えてきている。いまはとても困難な時期であり、世界の現状について会長が言っていたことは正しい。多くの面で恐ろしい状況にある。特にさまざまな不安の中心に存在している所得の不平等を考えると、ともに取り組んでいかなければならないし、実行する方法はいろいろあると思う。オリヴェラは、ビジネスがこの問題について考えるための方法のひとつを示すささやかな例だ」。

[原文:Olivela’s Stacey Boyd: ‘No one is going to buy something simply because it does good’

REBECCA RUSSO(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)


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