Roblox 、初のメタバースファッショントレンドレポートを発表:Z世代のトレンド嗜好は?

DIGIDAY

Robloxは2022年に10億点以上のデジタルファッションを販売、その軌道は減速する気配を見せない。実際、同社の主要なデモグラフィックであるZ世代では、アバターのドレスアップやカスタマイズに対する関心がかつてないほど高まっている。

9月、同社はパーソンズ・スクール・オブ・デザイン(Parsons School of Design)と共同で、Z世代を対象に1000人規模の調査を実施し、「メタバース・トレンド・レポート(Metaverse Trends Report)」を作成した。その目的は、米国内に住む14歳から24歳のデジタルファッションのトレンド嗜好を詳細に調べることだ。11月1日のレポートの発表と同時に、パーソンズは、Roblox上でデジタルファッション・デザインを教えるコースを開設、デジタルファッションへの高まる需要に応えている。初回のレポートでは、Z世代の70%が自分の服と同じように自分のアバターに服を着せており、アバターのスタイルが現実世界での自分のルックに影響を与えていることが示されている。

メタバースからのトレンドは現実世界に大きな影響を与える

Robloxのグローバルパートナーシップ・バイスプレジデントであるクリスティーナ・ウートン氏は、ゲーミングプラットフォームやより広いメタバースからのトレンドが、引き続き物理的な世界のトレンドに影響を与えるだろうと述べている。

「次世代のファッションデザイナーやブランドは、アバターに服を着せたり、コレクションの3Dデジタル版をデザインしたり、メタバース限定のアイテムを作ったりと、デジタルファッションに深くはまっていくだろう」と彼女は言う。「没入型空間でより多くの時間を過ごし、ファッションに対する経済力と影響力をますます高めているZ世代の消費者とともに、メタバースからのトレンドは物理的なファッションに大きな影響を与えると同時に、物理的世界からのトレンドもまたメタバースへと移行し続けることが予想される」。

この報告書では、Z世代が自分を表現する方法として、デジタルファッションの人気がさらに高まっていることが示された。調査回答者の半数は、少なくとも毎週自分のアバターの服を変えていると答え、回答者の40%は、デジタル世界での服やアクセサリーによる自己表現は、物理的な世界での自己表現よりもすでに重要になっていると答えている。

デジタルファッションにお金を使うZ世代

デジタルファッションマーケットプレイスのドレスX(DressX)は、Roblox上でふたつのデジタルファッションコレクションをローンチしており、そのプラットフォーム上で5万点のアイテムを販売した。さらに同社によれば、メタバースにおけるデジタルファッションの最大の供給元であるという。

ドレスXの共同創業者ダリア・シャポヴァロヴァ氏は、物理的な世界でのショッピングとメタバースでのショッピングは互いに排他的なものではないと述べている。

「私たちは、人々があまり買い物しないでほしいとは思っていない。むしろ消費パターンを維持、あるいは拡大し、新しいファッションを買い、好きなだけ着替えるというスリルを得ながら、デジタル空間では環境への影響を大幅に抑えたソリューションを提供している」と彼女は言う。ドレスXの計算によると、デジタル衣料の二酸化炭素排出量は、従来の製法のコットンTシャツのわずか3%だ。

調査回答者の4人に3人近くがデジタルファッションにお金を使うと答え、4人に1人以上がバーチャルアイテム1点に20ドル(約2900円)から100ドル(約1万4700円)を費やしている。53%が新しいアイテムを購入したときだけでなく、そのときの気分で服装を変えている。

ドレスXは独自のデザインを作成するだけでなく、今後数カ月の間にRobloxにおける従来のファッションブランドの存在感を高める予定だ。「ダンダス(Dundas)と提携し、モデルのエミリー・ラタコウスキー氏がかつてメットガラのレッドカーペットで着用したものを含む、同ブランドのオートクチュールアイテムをデジタル化したことで、従来のブランドをRobloxのエコシステムに導入することに大きな可能性を見出している」とドレスXの共同創業者ナタリア・モデノヴァ氏は語った。

戦略に不可欠なインクルーシビティ

ダンダスは、9月にRobloxで初めてデジタルファッションをリリースした。ダンダスの共同創業者エヴァンジェロ・ボウシス氏は「Robloxでのデジタルファッションの最初のドロップがかなりうまくいったことにとても驚いている」と話す。「我々のデジタルファッション戦略は、最初からインクルーシビティに基づいていた物理的なファッション戦略を反映している」。最初のコレクションがどの程度売れたかについては、ダンダスは回答を避けた。同ブランドは、米国サイズ0~16を揃え、ボディポジティブなデザインに重点を置く。

ダンダスは現在、Robloxのホリデーコレクションのドロップを開発中だ。また、3月のパリ・ファッションウィーク期間中には、ランウェイから直接取り入れたルックのデジタルファッション・コレクションをリリースする予定である。さらに、サイズ、髪型、肌の色など、インクルーシブなブランドアバターも制作している。

Robloxの報告書の回答者は、メタバースにおけインクルーシビティが重要だと回答している。70%はアバターがあらゆる肌の色を持つことが重要であると答え、64%はあらゆる体格が必須であるとし、70%はブランドがあらゆる髪色、テクスチャー、スタイルを提供すべきであると答えた。

トミーヒルフィガー(Tommy Hilfiger)の広報担当者は、「当社は、物理的な衣服とデジタルの衣服の最前線でインクルーシビティを維持することを常に目指している。Robloxでは、オンラインコミュニティを真に代表する多様なアバターのために製品を作りたい」と述べている。同ブランドは6月にRobloxで独自のメタバースワールドであるトミープレイ(Tommy Play)をローンチした。また、ニューヨーク・ファッションウィークで行われた2023年春の物理的なランウェイショーにもRobloxを組み込んでいる。「アイテムからアバターやペルソナへとぜひ発展させていきたい。コミュニティがどのように自分を表現しているかを見るのにすばらしい方法となるだろう」。

プーマ(Puma)のマーケティングマネージャーであるクリスティン・コーラー氏も、Robloxが現実世界とデジタルファッションに影響を与える大きな可能性を秘めている点に同意している。「顧客が私たちのブランドを形成していると信じている。だからこそ、今後の活動の方向性を形成していくためにも、Web3に積極的に参加している」。

[原文:Roblox launches first Metaverse Fashion Trend Report]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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