Twitter で「メンズウェア・ガイ」ことデレク・ガイ氏が話題の人になったわけ

DIGIDAY

Twitterを定期的に利用していて、ファッションに少しでも興味があれば、@dieworkwear というハンドルネームでメンズウェアに関する人気スレッドを投稿し、頻繁に情報を発信しているユーザー、デレク・ガイ氏のことをご存知かもしれない。実際、ファッションにまったく興味がない人も、彼のツイートを見たことがあるのではないだろうか。

1月下旬、多くのTwitterユーザーが、ガイ氏のツイートが自分のホーム画面に絶え間なく表示されるのを目にしたと書いていた。そうした投稿では大抵、ガイ氏を「ザ・メンズウェア・ガイ」と表現し、ファストファッション、洋服の仕立て、メンズウェアのトレンドの歴史に関する彼のスレッドを引用している。

アルゴリズムによって偶然話題の人に

ワシントン・ポスト(The Washington Post)などのメディアでメンズウェアについて記事を書いているガイ氏は、「For You」ページに自分がしょっちゅう現れるのは、彼にとっても謎だと話す。

「1月半ばくらいから、自分のツイートに『服なんてどうでもいいのに、なんでこんなの見てるんだろう』というようなコメントがたくさんつくようになったのに気づいた」とガイ氏は言った。「この人たちは私をフォローしてないし、その人たちがフォローしている人がリツイートした私の発言に対して反応しているとか、そういうのでもない。それで『メンズウェア・ガイ』と誰かが使っていたのを見たので、その言葉を検索したところ、自分に関するツイートがずらずら出てきた」。

ガイ氏は、この経験で大いに困惑したという。最初は、何か間違ったことをしでかしたのではないか、自分のツイートがタイムラインに表示されて人々が自分に対して怒っているのではないか、と不安になった。彼は自分のツイートを宣伝するために金を払ってはいないし、2011年からやってきたように、さまざまなファッションの話題に関する投稿を続ける以外には何もしていない。なぜ自分のツイートが非常に多くのタイムラインに突然表示されるようになったのか、Twitterから彼には何の連絡もなかった。GlossyがTwitterに問い合わせたが、返答は得られなかった。イーロン・マスク氏の買収以降、Twitterはコミュニケーションスタッフのほとんどを失ったと報じられている。

ガイ氏の存在は、Twitterのアルゴリズムと新しく設置された「For You」ページとの組み合わせによる偶然の出来事にすぎないようだ。「For You」ページは1月10日にTwitterユーザーのデフォルトオプションに設定され、それが推奨タブであることにさえ気づいていない多くの人のフィードに、ガイ氏の投稿が表示されるようになった。

ファッションなら本来はインスタグラムのほうが向いている

Twitterは、ファッションコンテンツには決して最適なプラットフォームではない。インスタグラムの視覚的な性質のほうが、ファッションブランドやインフルエンサーにとってはるかに自然にマッチする。マスク氏による買収後の混乱で、バレンシアガ(Balenciaga)やジジ・ハディッド氏などの多くがアカウントを削除し、ブランドにとってTwitterはより有害になっただけである。それに、インスタグラムにいるような形でのファッションインフルエンサーはTwitterには存在しない。

「ファッション業界にいるのであれば、たとえ消費者だとしても、インスタグラムのほうが理にかなっていると思う」とガイ氏は言う。「自分はただTwitterが好きなだけ。ブログの記事よりも、ツイートのスレッドのほうがあまり悩まずに書くことができる。それにインスタグラムはつい最近始めたばかりだ」。

ガイ氏のコンテンツは主にTwitterとブログで、ブログにはベスナール(Besnard)やフランククレッグといったメンズウェアブランドの広告が掲載されている(ガイ氏は執筆が専業かどうかについては回答しなかった)。11月に5万人だったTwitterのフォロワーがいまでは10万人に増えたというガイ氏の新たな名声は、彼のブログにはまだ大きな影響を与えていないが、より幅広いファッション界が関心を寄せるようになった。ロロピアーナ(Loro Piana)のショーへの招待状など、ブランドからDMが届くようになったが、彼は参加しない予定だという。

「ファッションショーは実際あまり興味がない」と彼は述べた。

その代わり、フリーランスとして、また自身のブログである「Die, Workwear」での執筆に引き続き集中すると彼は話した。そしてもちろん、彼はTwitterへの投稿も続けるだろう。

[原文:Meet Derek Guy, Twitter’s viral ‘menswear guy’]

DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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