今年こそ「マイナンバーカードで確定申告」、Windowsパソコンで「e-Tax」を実践してみよう 確定申告は「青色申告ソフト」が便利! 活用手順をイチから解説[後編]

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青色申告決算書の作成(基本情報・家事按分)【概要】

 Step 2は「青色申告決算書の作成」。作業としては、申告者の氏名・生年月日・住所などの基本情報と、配偶者、扶養家族などの情報を登録する。記帳済みの経費の中で、家事按分が必要なものは比率の登録などを行う。例えば電気代のうち、7割が事業使用で3割が個人使用であれば、電気代の3割分が経費から差し引かれる。これらの作業により、損益計算書、固定資産と減価償却、貸借対照表などの青色申告決算書一式を完成させることができる。

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青色申告決算書の作成(基本情報・家事按分)【実践】

 Step 2の[開始]をクリックすると基本情報の入力画面が開く。氏名や住所など基本情報を記入しよう。同時に配偶者、扶養親族、業種名、屋号なども記入する。その次は売上、仕入の確認。月ごとの売上、仕入が金額が表示されるので、間違いがないか確認しよう。

氏名や住所など基本情報を記入

配偶者、扶養家族なども記入

売上・仕入を確認しよう

 いよいよStep 2の最重要ポイント「家事按分」だ。初期設定で補助科目を設定した水道光熱費の右側に[補助科目ごとに事業割合を設定する]と表示されている。ここにチェックマークを付けると「科目の設定」で補助科目とした電気代、ガス代、上下水道代が表示される。

経費の「家事按分」。水道光熱費の補助科目を表示し、事業割合を記入する。ほかに按分する科目があるかよく確認しよう

 補助科目の設定をしていないと、全ての水道光熱費の合計しか表示されないが、初期設定をしておいたので、電気代、ガス代などが個別に1年分の合計額が集計されている。ここでは事業割合を電気代は70%、ガス代、上下水道代は10%とした。このように最初に補助科目を設定していないと、データを取り込むときに補助科目ごとに分けることもできないし、異なる事業割合で按分することができない。

 水道光熱費と通信費(通話代)以外に按分する経費がある人は[水道光熱費や通信費以外の科目についても家事按分をしますか?]を[はい]にすると、その下のほかの勘定科目が表示されるので、按分する必要がある科目を探して事業割合を記入しよう。ここでは車両費を70%とした。

 水道光熱費以外にもプライベート使用と事業使用が混ざる科目は、最初の科目設定で分けておくと最後の最後に幸せになれる。もしこの段階で按分する必要のある科目に気付いたときは、残念だが科目の設定に戻ろう。補助科目を作成して、手作業で「東京電力は電気代、東京ガスは……」と1つ1つの補助科目に分けてからここへ戻ろう。

 参考までに、プライベートでも買い物や旅行にも使用するクルマに関する経費は、車両費と旅費交通費に分けられる。仕事で支払った高速代、駐車料金は100%事業の経費なので「旅費交通費」で仕訳する。仕事の電車移動やホテル代も同じく旅費交通費だ。ガソリン代や月極駐車場、車検、車両購入費、保険、税金などは「車両費」に仕訳して按分しよう。車両費は基本の勘定科目ではなく、自分で勘定科目を設定する申告ソフトもあるが、「やよいの青色申告 オンライン」ではデフォルトで科目設定されているので、うまく使い分けて欲しい。

 余談だが、筆者自身の「やよいの青色申告」には、使用していない(16年前に設定した)科目がいくつもある。租税公課(自動車税)の補助科目に設定した車両費、損害保険料(自動車保険)の補助科目に設定した車両費は何年も使用していない。自動車税も自動車保険も車両費にまとめて仕訳すれば楽になることに気付いたのは起業から数年後だった。起業直後に判断するのは難しいが、よく検討していただきたい。

 次は「その他の経費」で、賃貸物件に住んでいる人は地代家賃の情報を記入する。個人事業主で専用オフィスを借りている人は按分の必要はないが、自宅で仕事をする人は家事按分とは別にここで按分しよう。

地代家賃の情報を記入しよう

 このあとは従業員や消費税の情報なので、従業員なし、免税事業者はスルーだ。最後に決算の内容を確認して完了となる。完了すると青色申告決算書のPDFがダウンロードできる。書面提出の人は印刷して郵送または税務署に持参しよう。

最終確認をしたら完了

完了後に青色申告決算書一式をダウンロードしよう

必要であれば青色申告決算書を印刷しよう

確定申告書の作成(源泉徴収・所得控除)【概要】

 Step 3は確定申告書の作成。Step 2の青色申告決算書は事業内容の申告、この確定申告書は個人の納税の申告となる。配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除など個人の部分を記入する。サラリーマン経験のある人は年末調整に近いイメージを持ってもらいたい。

Step 2までは完了のチェックマークが付く。次はStep 3の「確定申告書の作成」だ

 作業は大きく分けて2つ。1つは、出版社などの取引先から源泉徴収された報酬を受け取っている人はここで源泉徴収された金額を記入する。もう1つは、各種控除。扶養する家族がいる人は配偶者控除や扶養親族、国民年金、国民健康保険などの社会保険料控除、生命保険に加入している人は生命保険料控除、小規模企業共済、iDeCo(確定拠出年金)に加入している人は小規模企業共済等掛金控除も記入しよう。

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