TikTok でのバイラルで、オーガニックな認知拡大を目指すD2Cブランド:「いずれインスタグラムを追い越すだろう」

DIGIDAY

D2Cジュエリーブランドであるクリアカットは、インフルエンサーを使ってよりオーガニックなTikTokコンテンツを作り、ブランドの認知度を高めるための動画などを配信して、Z世代の注目を集めている。「私たちはそこにもっと投資したいと思っている」とクリアカットの共同創業者兼COOのカイル・サイモン氏は言う。

D2Cジュエリーブランドであるクリアカット(Clear Cut)は、インフルエンサーを使ってよりオーガニックなTikTokコンテンツを作り、ブランドの認知度を高めるための動画などを配信して、Z世代の注目を集めている。

「私たちはそこにもっと投資したいと思っている。もちろん、元々私たちはこの領域にフォーカスし、驚異的な成功をオーガニックで収めてきた」とクリアカットの共同創業者兼COOのカイル・サイモン氏は言う。同氏はTikTokにおける成長が販売とブランド認知度の向上に貢献したと付け加えたが、具体的な数字は明かさなかった。

同氏によるとクリアカットは今年、収益の3%未満を有料メディアに費やしているという。ただし、これもTikTokを含むメディアミックスにチャンネルを追加するにつれて、わずかに増加しているという。同社のメディアミックスは、有料検索、Facebookとインスタグラム、そしてピンタレスト(Pinterest)で構成されている。サイモン氏は、ブランドのメディア支出に関する詳細を明らかにしなかった。

巨額の資金を持たないD2Cブランドの戦略に合致

パスマティックス(Pathmatics)によると、クリアカットは今年これまでにFacebookとインスタグラムに1万5300ドル(約220万円)を費やしているが、2021年の3万1000ドル(約450万円)から大きく減少した。

クリアカットは創業4年目のニューヨークを拠点とするスタートアップだ。同社は巨額の資金を投じずにブランドの認知度を高められるバイラルを狙ってTikTokに賭けているが、同じことを狙っている企業は他にも多く存在する。米 DIGIDAYの以前のレポートによると、広告価格の上昇、オーガニックなリーチの減少、フォーマットの変化が原因で、ブランドや広告主は広告予算の多様化を図っていると、業界の専門家が指摘している。同社のTikTokの戦略はこのトレンドの一環のように見える。

「多くのD2Cビジネスが苦戦しているのを見てきたので、私たちは支出に関して非常に厳しい規律を持っている。同時に、私たちがまだ多額の資本を調達していないという点もある」とサイモン氏は指摘する。「我々の成長はほとんど自己資金によるものだ」。

TikTokのコンテンツ制作は社内で行われていると、クリアカットの共同創設者で最高経営責任者を務めるオリビア・ランドー氏は述べている。

「TikTokは常にオーディエンスを巻き込む方法を発明している」

TikTokはこの2年間で、メディアミックスやマーケティング戦略においてますます重要なアイテムになってきている。クリエイターエコノミーが拡大するなか、TikTokはクリエイターツールを通じてクリエイターに一定のレベルのオーナーシップ(コンテンツを自分のものとしてコントロールし、そこから収益を得る能力)を提供しており、Facebookやインスタグラムもそれに追いつこうとしていると、D2Cコマースのエージェンシーであるアイコン・コマース(Icon Commerce)のEコマース戦略担当シニアディレクターのブランディ・アレクサンダー氏は述べた。アレクサンダー氏はEメールで、「TikTokは常にオーディエンスを巻き込むための新しい方法を発明しており、マーケティング担当者はその恩恵を受けている」と述べている。

同エージェンシーのTikTok戦略は、インフルエンサーの利用やコンテンツの転用、7万4000人のフォロワーに対する有意義な情報を提供する「教育的な」動画の配信といったものだ。これは、クリアカットが インスタグラムにおいて行ったことと似た戦略だ。同社は有料広告を使う前に、オーガニックなコンテンツとオーガニックな成長を優先していた。「それが、私たちがまだインスタグラムの有料広告に依存していない理由だ」とランドー氏は言った。

景気後退のうわさが迫りつつあるなか、クリアカットの予算は保守的なものだとサイモン氏は述べた。最終的にTikTokに費やされる金額が増える可能性があるとのことだが、具体的な数字は明らかにしなかった。

「今年はTikTokがピンタレストを急速に追い抜いた」とサイモン氏。「この傾向が続けば、私たちのインバウンドリードとコンバージョンに関して、TikTokはインスタグラムを追い越すだろうと予想している」。

[原文:Why a DTC jewelry company is placing its bets on organic growth via TikTok

Kimeko McCoy(翻訳:塚本 紺、編集:分島翔平)


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