Web3 ブランドイベントの立ち上げ方、成功ポイントとは?:スタジアムグッズのイノベーション戦略ディレクターが語る

DIGIDAY

スニーカーのリセールマーケット、スタジアムグッズ(Stadium Goods)は、6月20日から23日にニューヨークで開催されたWeb3カンファレンス「NFT.NYC」に合わせて、同じくニューヨークでイベントを主催した。このイベントは完売となっている。

NFT.NYCは、RTFKT(アーティファクト)やグッチ(Gucci)などのブランドがそれぞれのNFTホルダーを展示スペースやユニークな体験で迎えるという、NFTに特化した今年最大のイベントだった。スタジアムグッズは、4日間にわたって開催された初のNFTイベント「.IRL」で、教育に関する講演を行った。また、ニューヨークのストリートウェアデザイナー、ジェフ・ステイプル氏によるリミテッドエディションのコラボレーションや、トークンゲーティングを活用してNFTホルダーに報酬を与える人気のNFTプロジェクト、ガッターキャットギャング(GutterCatGang)もフィーチャーしている。

スタジアムグッズのイノベーション戦略ディレクターであるネーハー・ダヤル氏が、今回のイベントで何がうまくいったのか、またどのような教訓を得たのかなど、他のブランドが検討すべき事柄についてGlossyに語った。

ーースタジアムグッズの消費者が、Web3イベントの理想的なターゲットとなっている理由は何か?

「私たちのオーディエンスは、多くの革新的なテクノロジーの最前線にいる人々だ。探索、テスト、学習、実験を最初に行う人々であり、それはスタジアムグッズが物事に対してアプローチする方法と非常によく似ている。特にPFPの最初のイテレーションが本当に軌道に乗ったことで、そのかなり特異で意図的なデザインワークが、私たちのコミュニティに認識されるようになった。アクセシビリティとコレクタビリティは、あらゆるカルチャーを大きく成長させる非常に巨大な要素だ。

スニーカーカルチャーには、次の3つの要素がある。つまり履くために買う、交換するために買う、そしてコレクションするために買う。このカルチャーと、Web3の多くの事柄は重なり合っており、そのなかでも特に大きな要素は、アフターマーケットがどのように機能するかという経済を理解することだった。委託の規模がかなり大きくなるにつれて、この点を消化するのは難しくなるかもしれない。リセール市場の力学について考えると、スニーカーとNFTの取引には同じような条件で比較できる相関関係がある」。

ーー単独のイベントではなく、NFT.NYCの期間中にイベントを開催したのはなぜか?

「エネルギーについては先行きが不透明だ。だが、私たちは自分たちが作ろうとしていた環境に対しては、ストリートウェア、スニーカー、Web3、そしてクリエイター自身が交差する場をもっと重視したいという強いこだわりがあった。それは、特にこのスニーカーとWeb3の交差する場で、自分たちのコミュニティと直接関わるためのひとつの方法だった。しかしそれと同時に、私たちにとって寛容な環境でこれらの技術で実験を始めることができる、すばらしい機会でもあった。私たちのオーディエンスは実験に見返りを与え、それを重視し、企業がそこから何を学ぶことができるかを見極めようとしている。

私たちは、この分野の人々と直接話をして、理解することができるようになりたいと考えた。記事を読むだけでなく、PFPやそのほかのすばらしいプロジェクトを実際に作成し、購入し、販売している人々から話を聞こうと考えたのだ。トークンゲーティングのような技術で遊ぶことができたし、同じ週には私たちのストアに暗号による支払いをローンチした。また、出席証明のプロトコルであるPOAP(Proof Of Attendance Protocol) の実験も行っている」。

ーー今回のイベントでの経験から、ブランドは何を学ぶことができるか?

「参加者との会話でまさに印象的だったのは、Web3を真に行う方法があるということだった。消費者側から見ると、アンブッシュ(Ambush)のバーバル氏やジェフ・ステイプル氏のようなクリエイターを投稿することは、スタジアムグッズにとって理にかなっている。彼らは本当にスニーカーが大好きで、この世界にとてもうまく転身している。暗号の世界で起きているあらゆることを考えると、エネルギーと次に来るものに対する楽観的な考え方が非常に明白だった。誰もが、次は何だろうと話していた。

もっともうまくいったのは、トークンゲーティングだ。このようなコミュニティの一員であることのより大きな報酬のひとつは、物事への排他的なアクセスだ。多くの消費者から本当に共感を得られた部分は、トークンゲートを実際に通過するためには、トークンプルーフ(Token Proof)のようなチェックポイントアプリを使っても、自分がどのコミュニティに所属しているのかを必ず明らかにしなければならないという点だ。それは、このオンラインの世界の物理的な拡張である。アメックスやブラックカードを取り出すような行為に近い。これが私のコミュニティだ、中に入れてくれ、というようなものだ」。

[原文:Stadium Goods on how to launch a web3 brand event]

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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