米ロレアル 、新しいリサーチ&イノベーションセンターに約202億円を出資

DIGIDAY

ロレアルUSAは、新しいオフィスと研究所に1億4000万ドルを投じて、リサーチとイノベーションへの取り組みを強化する計画だ。9月27日の発表によれば、ロレアルは約25万平方フィートのリサーチ&イノベーションセンターを開設、高度な研究から評価、製品開発まで、北米部門の全領域におよぶ従業員550名を収容する。

ロレアルUSA(L’Oréal USA)は、新しいオフィスと研究所に1億4000万ドル(約201.7億円)を投じて、リサーチとイノベーションへの取り組みを強化する計画だ。

9月27日の発表によれば、ロレアルは約25万平方フィート(約2万3200平方メートル)のリサーチ&イノベーションセンターを開設、高度な研究から評価、製品開発まで、北米部門の全領域におよぶ従業員550名を収容する。建設は2段階にわかれており、第1段階ではニュージャージー州クラークにある既存の建物の大規模な増築を行う。これは2023年第2四半期に完成予定である。第2段階は既存建築の改修で、こちらは2024年半ばに終了する予定。現在はさまざまなグループや部門が入居する5つの建物からなるキャンパスが存在しているが、新しい建物の建設により、すべてがひとつ屋根の下に集約されることになる。

ロレアルUSAのプレジデント兼CEOデヴィッド・グリーンバーグ氏は声明の中で、「新たなリサーチ&イノベーションセンターへの今回の歴史的な投資は、ロレアルUSAにとって重要なマイルストーンであり、当社はより革新的で包括的かつサステナブルな美容製品を米国の消費者に届けるためにも、科学を中心に据えてすべての活動を継続していく」と述べている。

共同作業に最適な環境を提供、さらなる発展を目指す

今回の新社屋は、ロレアルの現在のオフィススペースに関する最新ニュースである。8月にもロレアルは、航空宇宙工場を改装した10万8000平方フィート(約1万平方メートル)の新しいビューティ拠点をロサンゼルスに開設している。

ロレアルのリサーチ&イノベーションの北米プレジデントであるサンフォード・ブラウン氏いわく、建設は2021年に始まっており、Covid-19が建物のインテリアデザインや建築工程に影響を与えることはなかった。だが、Covid-19はリモートワークに対する人々の認識を変え、多くの労働者がオフィスへの復帰の指示に抗議するようになった。ウォールストリートジャーナル(Wall Street Journal)とサーベイモンキー(Survey Monkey)が4944人の成人を対象に6月に行った世論調査によると、58%の労働者がオフィスに戻り、38%のオフィスワーカーはハイブリッドなスケジュールを希望し、11%が完全な在宅勤務を希望している。しかしリモートワーカーの71%は、オフィスがあれば、トレーニングやお祝い事、共同作業のために同僚と会うことが容易になると回答している。

「ラボの作業を行う場合は、(人と直接会って仕事をすることに)きわめて重要な面がある。しかしほかの要素は、デジタル環境では得られない人と人とのつながりだ。私たちはそこに時間を費やしている」。

ロレアルのラボでは、その目的達成に向けて、チームによる共同作業によりよい環境を提供すべく、大規模なフレックスまたはモジュラーコンセプトを新たに起用している。現在は異なるチームがそれぞれ専用のラボを持っていて、他部門と連携が取れない開発になってしまっている。また消費者テストを3カ所の異なる建物ではなく、ひとつの建物に集約する予定で、新しいリサーチ&イノベーションセンターは毎日最大300人を収容することが可能となる。これによって製品のイテレーションがより速くなるだろうとブラウン氏は述べた。カフェテリア、カフェ、タウンホールのスペース、バレーボールのコートなど、従来のオフィスの要素も今回の増築の一部になっている。

「これは、リサーチとイノベーションの重要性に対する当社のコミットメントを反映しており、我々はそれがロレアル製品の認識可能な品質の点に違いをもたらすことを知っている」と、ブラウン氏は述べた。「また、この多様で進化する市場から学び成長し続ける当社の能力と人材に、我々が自信を持っていることを示している」。

[原文:L’Oréal USA invests $140 million into new research & innovation center]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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