「アイマス」初のオーケストラコンサートで感じた“楽曲の魅力を再認識するステージ”

CNET Japan

 CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連も取材している佐藤が担当。今回は、11月12日と13日に千葉県の幕張イベントホールにて行われたイベント「THE IDOLM@STER ORCHESTRA CONCERT ~SYMPHONY OF FIVE STARS!!!!!~」の模様をお届けする。

「アイマス」初のオーケストラによるコンサートが開催。生フルオーケストラによる生演奏を楽しむだけではなく、アイドルやキャストなどによる歌唱ステージも行われた
「アイマス」初のオーケストラによるコンサートが開催。生フルオーケストラによる生演奏を楽しむだけではなく、アイドルやキャストなどによる歌唱ステージも行われた

 これはバンダイナムコエンターテインメントが展開している「アイドルマスター」(アイマス)シリーズをテーマにしたオーケストラコンサート。これまでもさまざまなイベントを行ってきたが、オーケストラコンサートは初めてとなる。指揮は和田一樹さん、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が務めた。

 会場には、多くの“プロデューサー”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)が来場。公演ではマスク着用のうえで声援は控える形となり、着席での鑑賞となった。なお一部を除いてコンサートライトでの応援は可能となっていたため、楽曲にあわせてさまざまな色が客席に広がる一幕も。またコンサートの模様を中継するオンライン配信も実施された。

ライブ会場さながらの、コンサートライトが一面に広がる光景も
ライブ会場さながらの、コンサートライトが一面に広がる光景もあった

 公演は第1幕「FIVE STARS!!!!! ~星の交響曲~」と、第2幕「Brillante Stage!!!!!」で構成。第1章は、シリーズ5ブランドからピックアップされた楽曲のオーケストラ演奏を楽しむというもの。ここではコンサートライトも控える形となっていた。第2幕ではエンタメ要素を取り入れた演出で、キャストやアイドルなどによる歌唱も行われた。

 DAY1では開演前に、後に歌唱を行う「アイドルマスター シャイニーカラーズ」の大崎甘奈(CV.黒木ほの香)と、「アイドルマスター シンデレラガールズ」の高垣楓(CV.早見沙織)による注意事項やメッセージなどのアナウンスを経て、コンサートがスタートした。

 第1幕では“星”をテーマにした楽曲たちが演奏されていった。まず第1楽章では「READY!!」(アイドルマスター 765プロオールスターズ)、「BEYOND THE STARLIGHT」(シンデレラガールズ)、「PRIDE STAR」(アイドルマスター SideM)と、オープニングを飾るにマッチした楽曲たちを、始まりのファンファーレのごとく、オーケストラによる演奏で壮大な雰囲気を感じさせるものに。

 第2楽章は「星屑のシンフォニア」(アイドルマスター ミリオンライブ!)、「流れ星キセキ」(シンデレラガールズ)、「Anniversary」(シャイニーカラーズ)。前2曲はアップテンポ寄りな楽曲を、どこか世界観が広がるような心地よさを感じ、バラード曲である「Anniversary」は、神聖なものとも思えるものに。

 第3楽章は「サンリズム・オーケストラ♪」(ミリオンライブ!)、「STARLIGHT CELEBRATE!」(SideM)、「NEO THEORY FANTASY」(シャイニーカラーズ)。前2曲は豪華で華やいだ雰囲気、「NEO THEORY FANTASY」は原曲の持つ力強さや疾走感を、より壮大でリッチにしたものと感じさせる演奏に。

 第4楽章は「Twinkle way」(シャイニーカラーズ)、「Glow Map」(ミリオンライブ!)、「Destiny」(765プロオールスターズ)。星がきらめく夜空がイメージできる楽曲、そして出会いの奇跡を描いた楽曲を、オーケストラの重厚な演奏を持って荘厳かつ幻想的と感じられるものとなっていた。

「THE IDOLM@STER ORCHESTRA CONCERT ~SYMPHONY OF FIVE STARS!!!!!~」
DAY1第1幕の様子

 休憩を挟んで第2幕がスタート。その1曲目は「Resonance+」(シャイニーカラーズ)に。ここからはライブさながらの照明演出をはじめ、ギターやドラムなどといったバンドサウンドのリズムセクションの参加、客席のコンサートライト使用も可能となって、場内は一層華やいだ雰囲気となった。

 そして楽曲のイントロとともに、ステージ後方の幕が上がるとスクリーンが現れ、そこには、純白のドレス風衣装にティアラを付けた甘奈の姿。ここで歌ったのは「Sweet Memories」。可愛らしい歌声とフルオーケストラの演奏が相まって、より楽曲をかみしめるようなステージに。歌い終わったあとは、甘奈が軽く手を振る姿も印象的なものとなっていた。

大崎甘奈
大崎甘奈

 続いて壮大なイントロとともに、同じく純白のドレス風衣装にティアラを付けた楓が登場し、歌ったのは「こいかぜ」。楓としての高い歌唱力と、壮大さを感じさせるバラード曲にフルオーケストラの生演奏ということも相まって、ただただ聴き入るというほど圧巻のステージとなった。

高垣楓
高垣楓

 ここで、シリーズでは主にシンデレラガールズへの楽曲提供を行っている、作曲家の滝澤俊輔さんが登壇。作曲した「メッセージ」と「Shine!!」(ともにシンデレラガールズ)をオーケストラ演奏とともに、自らピアノで演奏。音楽にのって、そして時折笑顔も見せるところもあるなど、楽しんでいることを伝わるような演奏を行っていた。

滝澤俊輔さん
滝澤俊輔さん

 ステージには、香里有佐さん(ミリオンライブ!/桜守歌織役)が登壇。ここで歌ったのは、歌織のソロ曲「ハミングバード」。これまでのライブでも伸びやかに響く歌声で魅了してきた香里さんが、オーケストラの演奏を受けてより一層輝きが増すような、気持ちが入っていることが伝わる歌声を場内に響かせていた。

香里有佐さん(桜守歌織役)
香里有佐さん(桜守歌織役)

 入れ替わりに登壇したのは、今井麻美さん(765プロオールスターズ/如月千早役)で、歌ったのは「蒼い鳥」。シリーズ初代作であるアーケード版「アイドルマスター」のときから存在する千早最初のソロ曲であり、長年にわたって幾多の場面で披露してきたバラード曲。歌う姿も歌声も貫禄がある、それをオーケストラ演奏がより引き立たせるといった、静かに息をのんで聴き入るというステージとなっていた。後のトークで今井さんは、この曲をオーケストラ演奏で歌う夢が叶ったと喜ぶ一幕も。

今井麻美さん(如月千早役)
今井麻美さん(如月千早役)

 さらに今井さんと香里さんの2人による「瞳の中のシリウス」(ミリオンライブ!)の披露も。落ち着いた雰囲気のなかで、星がきらめく夜空に流れ星を映し出すスクリーンにオーケストラの生演奏、歌に関して実力派と言える2人がハモりを交えながら響かせる歌声と、神秘的な雰囲気に包まれる極上の空間が生み出されていた。

「瞳の中のシリウス」
「瞳の中のシリウス」(DAY1)

 2人が降壇し、演奏されたのは「DRIVE A LIVE」(SideM)。オーケストラメンバーが冒頭、促すように手拍子をすると、場内のプロデューサも手拍子を行い、一体感を感じられるような空間となっていた。

「DRIVE A LIVE」
「DRIVE A LIVE」(DAY1)

 本編は終了となったが、鳴りやまない拍手に応えてアンコールが実施。その楽曲は「M@STERPIECE」(765プロオールスターズ)。劇場版「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」のテーマ曲で、プロデューサーにとっても思い入れのある楽曲とあってか、イントロが演奏されるとどよめきがおき、ライブでも聞かれるような手拍子も自然に行われた。そしてラストにふさわしいと感じさせる楽曲が、オーケストラ演奏でより心に残るものとなっていた。

 演奏が終わると出演者が登壇し、このステージに立てた喜びを語る。また、甘奈と楓もスクリーンに登場し、お礼の挨拶をしてDAY1を締めくくった。

THE IDOLM@STER ORCHESTRA CONCERT ~SYMPHONY OF FIVE STARS!!!!!~
カーテンコール(DAY1)

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