ファッションブランドも Twitter 離れが加速:収益の成長とブランド認知度を高めるために投資すべきは?

DIGIDAY

イーロン・マスク氏が避けようとしたものの、結局議論を巻き起こし長引いた買収プロセスを経て、Twitterはマスク氏に買収された。その後わずか数週間でTwitterは混乱に陥っている。横行するなりすまし、ブランドの安全性の問題、壊滅的で一貫性のない機能の展開、大量解雇、内部の反乱、収益の急落などによりTwitterは茶番劇になってしまった。

ファッションブランドやセレブのTwitter離れ

Twitterを使っている広告主はいま、Twitterから離れつつある。主要ファッションブランドの先陣を切ったのはバレンシアガ(Balenciaga)で、11月14日(月曜日)の朝にTwitterアカウントを削除した。また、ジジ・ハディッド氏のようなファッション界のセレブも同じ行動を起こしている。

混乱がなければ、Twitterは宣伝するのに魅力的な場所のように思えるかもしれない。約3億人のユーザーはインスタグラムの10億人に比べると見劣りするが、インフルエンサーの投稿の価格設定は有利だ。ビジネスインサイダー(Business Insider)のデータによると、Twitterで100万人のフォロワーを持つインフルエンサーの平均的な投稿に対してブランドにかかる費用は2000ドル(約28万円)だが、インスタグラムでは100万人のフォロワーを持つ同等のインフルエンサーによる投稿には平均で5000~1万ドル(約70万〜140万円)かかることが示されている。しかし、ソーシャルマーケティングの専門家はTwitterでのこうした投稿の影響は、特にファッションブランドにとっては価値がないと述べている。

Twitterは「高リスク」という専門家の意見も

グロースマーケティング会社、パワーデジタル(Power Digital)のグループディレクターであるサマンサ・シェイネス氏は次のように述べている。「Twitter は『コミュニティ』や、特定のファッションアカウントをフォローしているユーザーを狙う機能などの高度なターゲティングなど独自のツールを提供しているが、ファッションブランドはTikTokやメタ(Meta)のような視覚重視のチャネルで収益を増加させている。テキストがメインのTwitterはファッションのコンテンツを助長するものではない。なぜなら、購入客は視覚的なストーリーテリングや動画のストーリーテリングに魅了されてコンバージョンする傾向があるから」。

最大のメディアバイヤーのなかには協働するブランドにTwitterを避けるようにと助言する人たちもいる。たとえば、Glossyの姉妹サイトであるDigidayの11月14日(月曜日)の記事では、メディア購入代理店のグループM(GroupM)が全クライアントに対してTwitterは広告主にとって「高リスク」オプションであるとアドバイスしたと報道されている。

男性ユーザーが多いTwitterのメリット

Twitterはファッションブランドにとって強力なプラットフォームではないが、それでも魅力的な部分はある。昨年、ロシーズ(Rothy’s)が初のメンズウェアコレクションをローンチした際、同社のシニアバイスプレジデントのクリス・ハル氏は、Twitterには男性が多いため、Twitterではレディースよりもメンズシューズの宣伝に注力するとGlossyに語っている。昨年のデータによると、Twitterユーザーの70%近くが男性であるのに対し、インスタグラムの男性ユーザーの割合は44%にすぎない。

また、Twitterにはニュースの牽引力としての価値もある。フートスイート(Hootsuite)によると、Twitterはニュース消費のためのナンバー1プラットフォームであり、この点はブランドのメディア・PR戦略に取り込むことができるものだ。

Twitter以外の戦略を勧める専門家

ブランドの安全性の問題が蔓延しているにもかかわらず、Twitterでの広告支出から撤退するとは限らない、または支出を増やすとは限らないと述べているブランドもある。ファイナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙はロレアル(L’Oréal)が広告支出を一時停止したと報道したが、同社の担当者はGlossyの問い合わせに「ロレアルはTwitterでの広告支出を一時停止する決定を下していない」と回答している。

それでも、シェイネス氏のような専門家はファッションブランドに対して当面異なる方法を探すようにと提案している。

「収益の成長とブランドの認知度を高めるために、ファッションブランドはオーガニックコンテンツや有料広告、クリエイターやコミュニティなど一貫したTikTok戦略の構築に投資すべきだ。また、Advantage+ Shoppingなどの新機能をテストしてメタ戦略を賢明に行うべきだ。Advantage+ ShoppingはiOS 14以降の問題に対応するために構築された機能だ」とシェイネス氏は語った。

[原文:Fashion brands are distancing themselves from Twitter

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

Source

タイトルとURLをコピーしました