「スニーカー文化の枠を超える」:フットロッカー 新CEOメアリー・ディロン氏が語る新戦略「レースアップ」の中身

DIGIDAY

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フットロッカー(Foot Locker)は、あらゆる状況でも選ばれるフットウェアの小売事業者になりたいと考えている。

9月にフットロッカーのCEOに就任したメアリー・ディロン氏は、ラスベガスで開催されたShoptalk(ショップトーク)で、同社がパートナーシップに投資し、ポートフォリオを刷新し、あらゆるイベントに対応できるスニーカーを揃えることで、より多くの買い物客を獲得する計画について説明した。

新CEOと、「レースアップ(Lace Up)」と呼ばれる新戦略により、同社は今後数年間、事業の成長を促進する大きな計画を抱いている。この戦略の一環として、各ブランドを簡素化し、特定の層の消費者をターゲットとするよう、ブランドの立ち位置を変更することだ。最新の四半期において、同社の総売上は前年同期比0.3%減の23億ドル(約3090億円)になった。

「スニーカー文化を拡大することで、より多くのスニーカー、より多くの機会、より多くの顧客がもたらされる」と、ディロン氏は述べる。フットロッカーの役割のひとつは、ブランドパートナーが「店舗内でも店舗の外でも、ブランドに命を吹き込む」ことを支援することだと、同氏は付け加えた。

ナイキへの依存を減らす

同社はナイキ(Nike)とのパートナーシップを更新したと語ったが、2026年までにスニーカー大手であるナイキへの依存を減らすことを計画している。この計画は、ナイキがD2Cチャネルに向けた取り組みの一環として、いくつかの商品について卸売りを取りやめたことを受けたものだ。

フットロッカーは2026年までに、ナイキによる売上の割合を現在の70%程度から、55~60%に減らすことを計画している。同社はナイキ以外の商品からの売上を、現在の30%から40%以上に増やす予定だ。また、売上の25%を独占商品にすることも計画している。

同社はすでに、オン(On)やホカ(Hoka)といった新進気鋭のブランドのおかげで、昨年だけでも米国で1000万人の新規顧客を獲得した。それでも、バスケットボールや子供向けなど、ナイキとフットロッカーがうまく協力できる分野はあると、ディロン氏は強調した。

同氏は次のように述べている。「当社は創業以来、ナイキと密接に連携してきた。彼らは当社を業界に歓迎してくれ、それは素晴らしいことだった。我々は、これからもナイキとともに新しさとイノベーションを生み出し、ブランドに関してともに協力していく」。

ストアブランドの整理・閉鎖

フットウェアブランドへの明確なメッセージとして、フットロッカーはD2Cチャネルではリーチできなかったであろう層の買い物客にリーチできると、ディロン氏は語る。しかし、D2Cと卸売はどちらも重要なアプローチであり、有効であると付け加えた。

「ブランドは、顧客と直接の関係を持つことを望んでいるし、持つべきだ。これは二者択一ではないと思う。私の仕事は、フットロッカーがエコシステムの中で、独自かつ明確な役割を持つようにすることだ」と、同氏は述べた。

同社は、重複するストアブランドをいくつか再配置、または廃止した。フットロッカーがスニーカーマニアを対象とする一方で、フットロッカーキッズ(Foot Locker Kid)はそのカテゴリーにおける地位を強化することに特化する。チャンプススポーツ(Champs Sports)はフットウェアやアパレルについて、パフォーマンスやアスレジャー指向のアイテムをより充実させ、WSSはヒスパニック系の家族に焦点を当て、アトモス(Atmos)は日本市場に特化する。

買い物客を獲得するという目標の一環として、ブランドは店舗の体制見直しも計画している。同社は不採算の400の店舗を閉鎖し、モールを離れて新しい店舗形態に移行する計画だ。最近、地域に密着した新コンセプトストアである「ハウスオブプレイ(House of Play)」や「パワーストア(Power Store)」を発表した。

ディロン氏は次のように述べている。「ポートフォリオを再構築し、成功のために最適な店舗形態、地域、ストアブランドに注力する。店舗を閉鎖する一方で、より大規模な新店舗を開設する。それによって、今後3~4年間は、売場面積全体は多少増加する見込みだ」。

[原文: How Foot Locker is trying to expand beyond sneaker culture]

Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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