「経営層の若返りと新しい組織の形で、新たなステップに」:ジェイ・キャスト 蜷川聡子 氏

DIGIDAY

ニューノーマルはすでにノーマルとなり、街の鼓動は再び力強く脈打ちはじめている――。

そんななか日本の業界関係者たちは、2022年にどんな課題を感じ、どんな可能性を見出しているのか? この年末年始企画「IN/OUT 2022」では、 DIGIDAY[日本版]とゆかりの深いブランド・パブリッシャーのエグゼクティブに伺った。

株式会社ジェイ・キャストにて、取締役 企画営業本部 本部長を務める 蜷川聡子氏の回答は以下のとおりだ。

――2021年に得たもっとも大きな「成果」はなんですか?

当初の想定よりも長引いたコロナ禍は、急激な変化をもたらしました。それは、変化についていけるかどうかを試された年でもありました。弊社内でも、環境や仕事は「ずっと同じではない」ということを、誰もが感じたのではないでしょうか。2021年に入り、世の中が少しずつ落ち着いてきたものの、それによる揺り戻しという変化もまた多くの予想できない結果をもたらしました。

このように、いろいろなものが大きく動いていくなか、弊社の組織も変化をし、経営層、マネジメント層の若返りが行われました。はじめて生え抜きの社員が執行役員に就任しました。元J-CASTニュース編集長で、35歳です。新しいプロジェクト、新しい関係を生みだすこともできた年になりました。

私も執行役員から取締役になり、自分の部門だけでなく全体をみわたすことで、現場の努力はもちろんですが、組織や体制を変えることで改善されるものが思ったよりも多くあることを実感しました。

――2021年に見えてきたもっとも大きな「課題」はなんですか?

「変化」にスピードをもって対応していくことです。

弊社のメディア事業で、いちばん長く運営している「J-CASTニュース」は16年目に突入しました。あとから立ち上げた「東京バーゲンマニア」は11年目、「Jタウンネット」は9年目です。

仕事は長くなるとルーティン化してきます。ルーティン化は効率が高まり良い部分もあるのですが、いつの間にか自分の目の前の仕事しか見えないようになり、周りの変化や状況に気付かなくなることもあります。逆に積極的に成長を望むようなタイプの社員には退屈に思えてしまうこともあるかもしれません。

メディアは世間の変化を感じ、それによって変わっていかなければ生き残れません。コンテンツも、ビジネスもです。それにいかに気付けるか、対応していくか、「成熟期」に入らずいつまでも変化を重ねる「成長期」であり続けられるか。それを考えています。

――2022年にもっとも注力したい「取り組み」はなんですか?

最初の質問「成果」で書いた内容に続きますが、経営層の若返りと新しい組織の形のなかで、新たなステップに向けて進んでいます。

弊社は2022年で創業26年。受託事業がメインの第1期、次が自社メディアを立ち上げコンテンツプロバイダーとして伸ばしてきた第2期です。創業期はどうしても最初からスキルのある中途社員をメインに採用してきましたが、第2期以降ほぼ毎年新入社員を採用してきました。そこから生え抜きの社員も増え、ずいぶんと成長しました。今は、それら若手社員たちが会社をつくっていく第3期に入ったと思っています。

もちろん、若いだけではなく経験も大切でしょう。幸い弊社はシニアベンチャーなので、第1期から会社を支えてきた経験豊富な人材も社内にいます。今度は、若手を支えることで会社を支えます。これからの人たちがつくる、新しいジェイ・キャストが楽しみです。

また、昨年こちらの企画でVRにも関心があることを書きました。実際にVRの世界を自ら学び、読者にも知ってもらうための連載「VRはじめの一歩」も開始しました。そんななか、Facebook社が2021年10月に社名を「Meta(メタ)」に改め、メタバースへの注目度があがるとともにVRへの関心も高まっています。さらに進めた取り組みを行う予定です。まだ小さなマーケットですが、このような新しいものにも積極的に取り組み続けられる会社でありたいと思っています。

Edited by DIGIDAY[日本版]編集部

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