こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
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シリアルブランドのスリーウィッシュ(Three Wishes)は、大手食料品店のシリアル売り場が刷新されることをめざしている。
同社は2019年、創業者たちが店舗に健康的なシリアルが売られていないことに不満をつのらせたことがきっかけで、2019年に設立された。同社はわずか3年で、ウェグマンズ(Wegmans)、ホールフーズ(Whole Foods)、スプラウツ・ファーマース・マーケット(Sprouts Farmers Market)、エレウォン(Erewhon)などの小売業者で販売されるようになり、オンライン販売での売上増加も図っている。
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10月17〜19日にマイアミで開催された米モダンリテールDTCサミット(Modern Retail DTC Summit)で、スリーウィッシュの共同創業者でCEOを務めるマーガレット・ウィッシングラッド氏は、同社がオンラインのプレゼンスも拡大しながら、従来型の食料品店に参入しようとしている方法について語った。また、同社がどのように実店舗での販売を進めているか、そして、ブランド成長のためにどのような戦略をとっているかについて語った。同氏は、大きな変化のひとつとして、小売業者が自社の商品棚をより精選されたものに見せるため、チャレンジャーブランドを明確に探し求めていることを指摘した。
ウィッシングラッド氏は、消費者が求めるような優れたブランド、商品、品質を兼ね備えた「企業の参入に、あらゆる買い手が強い関心を持っていると考えている」と述べる。「すべての小売業者は、自分たちがキュレーターであることを示したがっている」。
実店舗への進出に集中
スリーウィッシュは、2021年末までに1500〜2000店舗で販売されることを計画していた。同社は、シナモン、ハニー、フロステッドなど6種類のフレーバーのシリアルを販売しており、いずれも高たんぱく、ビーガン、遺伝子組み換え不使用プロジェクト(Non-GMO Project)認定済みだ。また、商品は自社ウェブサイトのほか、スライブマーケット(Thrive Market)やAmazonでも販売されている。
「このカテゴリーには3つの欠点があると感じた。すべてが糖分が非常に高く、穀物が多く含まれ、たんぱく質がないことだ」と同氏は述べる。スリーウィッシュは、健康的な利点のあるシリアルを提供する機会を見いだした。
同社はパンデミック発生の数カ月前に創設された。しかし、eコマースだけに目を向けるのではなく、パンデミックの最中には小売戦略に集中することを選んだ。
スリーウィッシュの主要な小売経路のひとつはエレウォンマーケット(Erewhon Market)だ。同社は高級食料品店で、トレンディな商品と、グウィネス・パルトロー氏、エマ・チェンバレン氏、カーダシアン・ジェンナー家などのセリブリティが顧客にいることでも知られている。スリーウィッシュは、その品揃えの一端を担うべく目を光らせていた多くの小売業者のひとつだ。
エレウォンマーケットは当初、スリーウィッシュの商品が「自社に適している」とは考えなかった。その後、同ブランドの創設者がいくつかのサンプルを送り、スリーウィッシュに対するエレウォンの好感度が上がった。現在、エレウォンマーケットはスリーウィッシュの6つのフレイバーすべてを扱い、同ブランドにとってもっとも大きな業績をあげている小売業者のひとつになった。
「エレウォンは、非常に魅力的な小規模小売業者のひとつで、とてもユニークだ」と、ウィッシングラッド氏は述べている。高級食料品店であるエレウォンは、トレンドに対して多くの影響力を持っているため、いわば観光名所のようになっていると、同氏は付け加えている。「我々はそこに加わるための売り込みに力を尽くした」。
収益性の追求
同社はインスタグラムなどのプラットフォームでも堅調にフォロワーを獲得し、現在2万1600人を超えるフォロワーを抱えている。同社は、ジンジャーブレッドフレイバーのシリアルや、パンプキンスパイスフレイバーのシリアルなど、限定版商品のドロップのいくつかをインスタグラムで宣伝している。
定番商品になるという目標に加え、収益性を高めることも目標としている。
同氏は次のように述べている。「私は収益性を追い求めている。当ブランドは創設当初から高い利益を上げており、これは非常に大きなことだ」
MARIA MONTEROS(翻訳:ジェスコーポレーション 編集:)
Three Wishes