TwitchCon(ツイッチコン)の報道では主に、インテル(Intel)の負傷事故やレノボ(Lenovo)の発泡材の入った泡ピットなどが取り上げられたが、美容ブランドはスムースなアクティベーションを行った。
10月7日から9日にかけてサンディエゴで開催された同イベントでは、ニックスプロフェッショナルメイクアップ(NYX Professional Makeup)とベネフィットコスメティックス(Benefit Cosmetics)が、Twitchのストリーマーやゲーマーに向けてスポンサーブースを出展した。美容が女性のゲーミングオーディエンスにますます入り込むようになるにつれ、Twitch関連のマーケティングに投資する美容ブランドは増えており、両社もその中に加わっている。
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コミュニティと関わり、楽しみながら消費者行動を学ぶ
「ニックスプロフェッショナルメイクアップは、このコミュニティ内に独自の発展的な関係性を有している」と話すのは、同ブランドでコンシューマーエンゲージメントを率いるディアナ・バルデス氏だ。「TwitchConでは、ひたすらコミュニティと関わって楽しみながら実験をして、消費者の行動について多くを学びたいと考えた」。
ニックスコスメティックス(NYX Cosmetics)のブースでは、来場者はデジタルアーティストと一緒にアバターメイクアップのルックを作ったり、カラフルなイルミネーションの背景で自撮りをしたり、またブース内のニックスコスメティックスのロゴのハートをスキャンして賞品を獲得する「スカベンジャーハント」に参加することもできた。さらに会場では、同ブランドがドラァグクイーンメイクアップマスタークラスも主催。ニックスコスメティックスにとって、最近のTwitchConでのアクティベーションは最新のゲーミングの実験だった。2021年8月には、同ブランドはeスポーツチームと提携した初の化粧品ブランドとなっている。
ゲーミングと美容には多くの親和性がある
一方、ベネフィットコスメティックスは電子機器ブランドのロジテック(Logitech)と共同でブースを出展、メイクアップアーティストによるタッチアップや、参加者が美容製品を獲得できるデジタルスカベンジャーハントなどを提供した。同ブランドは、2019年にガールゲーマー(Girlgamer)というフェスティバルのスポンサーになっており、昨年にはTwitchチャンネルを開設するなど、長年にわたりゲーミング分野で積極的に活動している。
女性に特化したリファイナリー29(Refinery29)も、美容に特化した女性のTwitchオーディエンスとつながるために来場していた。このパブリッシャーは、イベント前にTwitchチャンネルのローンチを発表、今回のカンファレンスからTwitchストリームをホストしている。このチャンネルは、美容、ファッション、エンターテインメント、ライフスタイルを中心としている。
「ゲーミングと美容のあいだには、いま多くの重なりがある」と、Twitchライブストリームを主催したリファイナリー29のエンターテインメントディレクター、メリッサ・ヤン氏は話す。最近のGWIの調査によると、米国におけるゲーマーの約50%が女性であり、美容ファンの39%がゲームを楽しんでいると回答したと彼女は指摘している。
「ゲーミングと美容の両方に多くの親和性があるとみている。ゲーマーやコスプレコミュニティに共通するのはメイクアップだけでなく、ゲーミングにおける多様性や表現も私たちにとって重要だ」とバルデス氏は述べた。
美容ブランドから注目されるTwitchストリーマーの世界
ニックスコスメティックスとベネフィットは、2019年にTwitchConのスポンサーとなったMACコスメティックス(MAC Cosmetics)とメイベリン(Maybelline)の先例に倣っている。
コスプレや美容のTwitchストリーマーの世界に、より多くのブランドが注目している。エッセンスメイクアップ(Essence Makeup)はTwitchキャンペーンをローンチした最新のブランドで、シャーロットティルベリー(Charlotte Tilbury)、E.l.f.ビューティ(E.l.f. Beauty)、OPI、ヒーローコスメティクッス(Hero Cosmetics)、エムコスメティクス(Em Cosmetics)などのブランドもこのプラットフォームで積極的に活動している。
「完全なコスプレでなくても、メイクやヘアで自分を表現して楽しんでいる女性をたくさん見るのが大好きだ。これは『ユーフォリア』のバイブスだが、それをゲーミングにしている」とヤン氏は述べている。
[原文:TwitchCon’s beauty scene: ‘Euphoria vibes, but make it gaming’]
LIZ FLORA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)