CTV 、プログラマティックで全米94%の世帯へリーチ可能に:業界をけん引するのはRoku

DIGIDAY

プログラマティック広告の世界では、Roku(ロク)、サムスン(Samsung)、Amazonのデバイスが人気のCTV(コネクテッドTV)が、依然として増加傾向にある。 詐欺防止とプライバシーを扱うソフトウェア企業ピクサレ […]

プログラマティック広告の世界では、Roku(ロク)、サムスン(Samsung)、Amazonのデバイスが人気のCTV(コネクテッドTV)が、依然として増加傾向にある。

詐欺防止とプライバシーを扱うソフトウェア企業ピクサレート(Pixalate)が2022年9月に発行したCTV広告におけるグローバルサプライチェーンについての報告書によると、2022年上半期にはCTV上のオープンプログラマティック広告でリーチ可能な世帯が全体の94%に上ることがわかった。2021年の86%から前年比で10%と着実な伸びを示しており、同時にプロバイダーやコンテンツも増加している。

「冬季にはアメリカ人はテレビの前に戻ってくる」

この調査結果は、メディアエージェンシーのバイヤーたちの市場に対する見方と一致している。「広告付きCTVのインプレッションが伸びると予測しているが、理由は明白だ。第4四半期にNetflixとディズニープラス(Disney+)が参入するからだ」と広告世界2位のオムニコム・メディアグループ(Omnicom)のケリー・メッツ氏はいう。

「季節的な側面からいうと、フットボールのシーズン開始が全体的な視聴率を押し上げるのに加え、冬の気候が原因で消費者は屋内にこもる。そうしてアメリカの人たちはテレビの前に戻ってくるのだ」。

ピクサレートのデータ分析は、3億台を超えるCTVデバイスと7万のプログラマティック広告付きCTVアプリ上で行われたプログラマティックアクティビティに基づいているが、そのほとんどがオープンオークションのバイサイドのトラフィックリソースで構成されている。

全体的な傾向として、CTVアプリの数とプログラマティックCTVにおける世界全体の広告費支出がいくらか拡大していること、またAmazonとAppleが市場シェアで追い上げていることが示されている。またこの報告書では、各アプリの伸びをカテゴリー別に詳しく分析しており、AppleのtvOSからサムスンのTizen OSまで、各OS間での比較も行っている。

市場をリードするRoku、追随するテック各社

ピクサレートのCEOであるジャラール・ナシル氏によれば、「新型コロナウイルス感染症によるロックダウンが誘因となって消費者のCTV利用が促進され、CTV広告の世帯リーチが2020年第1四半期の59%から2022年9月時点では94%にまで跳ね上がった」という。

しかし、2020~2021年のパンデミックのピーク時と比較すると、成長率が鈍化している分野もある。デバイスメーカー側では、Rokuがプログラマティック広告費のほぼ半分のシェアを占めて依然市場をリードしてはいるが、ほかの大手ハイテク企業も急速に追い上げてきている。

「サムスンも市場にゆさぶりをかけており、2020年上半期に4%だったCTVデバイスの市場シェアが2022年上半期には17%にまで上昇した」とナシル氏は語っている。

以下に、このCTVのサプライチェーンに関する調査結果のなかからいくつかの傾向を詳しく紹介する。

CTVを取り巻く主な数値

  • 2022年第2四半期、米国の全世帯数のうちCTVのオープンプログラマティック広告を通じてリーチ可能な世帯の割合は、2021年の86%からさらに上昇して94%となった。この数字は、78%の世帯がCTVを通じてリーチ可能であった2020年第4四半期以降、継続的に上昇している。
  • 報告書では、全世界のCTVのオープンプログラマティック広告費が過去3年間で4倍に増加し、2022年上半期には前年比31%増となったと示されている。ただし、その成長率は2020年をピークに鈍化している。2021年上半期の世界全体の広告費支出は前年比50%の伸びであったが、前年の2020年上半期には105%も増加していた。
  • オープンプログラマティック広告付きCTVアプリの数については、ここ数年の間に多少の増加は見られた。ピクサレートの調査によると、2022年は9月時点で前年比20%の増加で、2020年上半期と比較すると2倍以上に増加している。だが2020年上半期から2021年上半期にかけて71%増加したことと比べると、増加率は大幅に低下している。
  • Rokuのデバイスは広告費で44%のシェアを占めており、依然としてCTV市場で第1位である。第2位はサムスンで市場シェアは17%、一方Amazonは12%で第3位につけている。Appleも9%のシェアを獲得しており、さほど大きく離されているわけではない。
  • Rokuの広告カテゴリーをみると、映画とテレビがプログラマティック広告支出のなかで最も大きなシェアを占めており(75%)、2022年第2四半期には8%上昇した。増加率が最も大きかったのは教育カテゴリーで、2022年第2四半期の増加率は138%だった。もっとも、Rokuのプログラマティック広告支出のSOV(シェア・オブ・ボイス)のうち、教育カテゴリーが占めるのは1%にすぎない。

[原文:With Roku leading the pack, study says 94% of households are reachable through CTV

Antoinette Siu(翻訳:SI Japan、編集:分島翔平)


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