アイドルの闇が垣間見えるシミュレーションゲーム「IDOL MANAGER」をプレイしてみたら…闇を見てる場合じゃなかった

ロケットニュース24

この世には数多くのアイドルを育成するゲームが存在している。

アイドル達と一緒に夢を掴むサクセスストーリーが描かれている作品は多数あるけれど、今回見つけた「IDOL MANAGER(アイドルマネージャー)」はどうもひと味違うらしい。

なんと、SNSの炎上やアイドル同士の喧嘩など、ファンの立場からはまず目にすることのない生々しい部分もバッチリ描写されているというのだ。

お、おぉ……文字を見るだけで胃が痛くなりそうだ。キラキラした世界の闇の部分を覗くのはちょっと怖いけど、何があってもしっかり受け止めるぞ……!


・マネージャー就任

マネージャーになって、アイドルと一緒に成長していく。アイドル育成ゲームではお馴染みの流れだ。アイドルマネージャーでも例に違わずそのような経緯でストーリーが始まった。


空き家になってしまったビルのオーナー・不二本さん。どうやらここにアイドル事務所を作って、ビルの再建を目指しているようだ。


言われるままにプロデューサー室や事務室などのテナントを入れる。


ある程度環境が整ったら、アイドルをスカウトし……


スタッフを採用したら……


小さなアイドル事務所が誕生! よ~し、これから皆と一緒に頑張っていくぞ!


ゲーム内時間で1日に1回行える「アクティビティ」と呼ばれる行動でファンや収入を増やしたり……


事務員さんが取ってきてくれた仕事をこなしたりしつつ、事務所を発展させていく。


アイドル達のスタミナやメンタルは活動をするとどんどん減っていき、これらが少なくなりすぎてしまうと体調を崩してしまったりふさぎ込んでしまったりするので要注意だ。

何事も体が資本だからな。彼女たちに負担をかけすぎることがないようにしていきたい。

時間経過とともに貯まるポイントを使って、楽曲のジャンルや販促に関する研究を進めると……


シングルをリリースできるようにもなるぞ。おぉ~、曲の雰囲気とか振付の傾向とか、かなり細かい部分までカスタマイズできるんだな。さっそく初めてのシングルをリリースしてみたところ……


あ、あれ……思ったより売り上げが伸びなかったな? まあ、まだまだ駆け出しだし最初はこんなもんなのかな……


・火の車

──などとのんびり構えていたら、いつのまにか資金が底を尽きそうになっている。え、なんで??? 何か買ったり事務所の部屋を新しく作ったりしたわけでもないのに……


お、お給料────!! 毎週末にアイドル、スタッフに支払うお給料がガッツリ資金から持っていかれていたのだ。そうだよね、お給料もらわなきゃ仕事なんてやってられないもんね!! 

会社を続けていくためにはお金が必要だけど、お金ばかり追いかけるとアイドル達の健康に支障をきたす。かといってアイドル達に仕事をしてもらわないと、お金が入ってこない。ブラック企業ってこうやってできあがるんだろうか……

あっ、もしかしたらアイドルが3人しかいないのが問題なのかな。アイドルがもっと増えれば、仕事を分担できて1人1人の負担が小さくなるかもしれない。


さっそくなけなしのお金をかき集めて2回目のオーディションを開催。悩んだ結果、この2人をスカウトした。


──この時筆者は焦りすぎて忘れていた。確かにアイドル達のスタミナ管理はしやすくなるけれど、その分払わなくてはいけないお給料も増加するということに。


いよいよ借金に手を出したものの、絵に描いたような大暴落をかましていく会社の資金。

赤い数字が目に痛い……!!


う~ん、ここはひとつ賭けに出てみるか。研究で解放した、CDに特典としてつけることができる「エッジの効いたMV」。これが成功すれば大幅に売り上げが増加するそうなのだが……


ちょっとぉ~~~!?!??!?


ファンが増えるどころか減ってしまった! 危ない時に博打に走るのは身を滅ぼすことになる。生きていく上で大切なことを学ばせてもらった。


・神降臨

どうやら取り返しのつかないところにまで来てしまったらしく、ずっと赤字のまま時間だけが過ぎていく。いよいよ「破産」の文字がちらつき始めたその時……


い、今一番見たくない顔が~!! すいませんすいません、頑張ってはいるんですけどなかなか手が回らなくて……! 画面越しに目を逸らしつつ、話を進めていくと……


あ!???!??! いやいやいやそれはさすがにダメですって!! 断固拒否する選択肢を選ぶと……

「そう言ってくれて安心したよ」と、なんと500万円を援助してくれた。

か、神~~~!!! ありがとうございますありがとうございます!! 期待に応えられるよう、本腰を入れて頑張ります!!

いただいた資金を使って、まずは事務所を増築。休憩室を作ってアイドルのスタミナを回復しやすくしたりスタッフを増やしたりしたおかげで、仕事をより効率的に回すことができるようになった。


さらに制作費のかからないダウンロード販売のシングルを量産し、少しでも利益が多く出るようにした。


よしよし、前よりいい感じに仕事が回ってる気がするぞ! あれ、でもなんかじわじわ資金の残高が減ってるような……


経営下手すぎないか私。


・メンタルボロボロ

30分と経たずに不二本さんと再会することになってしまった。もうここまで来るといっそ腹もくくれたように思う。


あっ、はい、ですよね……

これで画面が真っ暗になってゲームオーバーなのかな……などと考えていた筆者に、不二本さんは「会社を潰した君にもできる最後の仕事がある。一生懸命働いてくれた従業員の皆に、契約が終了することを伝えてきなさい」と指示してきた。

……え?


ええええええええええ!???!??!?


や、やめてくれ!! 胸が!! 胸が痛すぎる!!!!! う、うぅ……ごめんなさい……罪悪感に押しつぶされつつ選択肢を選び終えると……


いやこれ全員分やらなきゃいけないの!???! 私のメンタルもうズタボロなんだけど!!!!!


採用していた13人に契約終了を伝え終え、虫の息になった筆者。事務所を出ようとすると……え? こんな私を待ってるって、いったい誰が……

の、のりみちゃん……!!


この一言で虫の息から完全に息絶えたのは言うまでもない。私はこの子の人生を踏みにじってしまった……


・イベントを目撃することなく終わってしまった

──そして無慈悲にも表示されるスタート画面。プレイを開始するまでは何とも思わなかったアイドル達の笑顔が、今となっては傷をえぐる鋭利な刃物のように見える。

げ、現実世界のアイドル達には私みたいな経営者のいない事務所で健やかに活動していてほしいな……(願望)。

本来なら冒頭でご紹介したような様々なイベントも収録されているのだろうけれど、ご覧いただいた通り今回のプレイでは経営難でそれどころではなかった。

Nintendo Switchの他にもPlayStation 4、Microsoft Windows、 Linux、PlayStation 5、Mac OSなど様々なプラットフォームでプレイすることが可能なので、気になる方は是非「IDOL MANAGER」を購入してその目で確かめてみていただきたい。

……ウッ、それにしてもダメージがえぐい……難易度を調整してゲームオーバーなしにすることもできるけれど、再度このゲームに触れられるようになるには少し時間がかかりそうだ……

参考リンク:PLAYISM
執筆:うどん粉
ScreenShot:IDOL MANAGER(Nintendo Switch)
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