軽症の変異株で医療ひっ迫する訳 – 中村ゆきつぐ

BLOGOS

なんかやっと前日から感染者が増えなくなってきました。もちろん日本ではオミクロン株は「風邪」とはいえそこまでの油断はできませんが、ここで減ってくれば緊急事態宣言もいらない可能性が高いです。仁井田先生の山火事理論予想より早かったことはいいことです。

しかし少しづつ重症者は増え、死亡者もポツポツ出ています。また軽症といえどもメディアはリスクの低い人の2−3日で治る症状の重篤さを広報し、優しい往診医を出して怖いぞ怖いぞと必死です。

立憲民主党は検査ができていない、油断した政府の責任と日曜討論で叩いていましたが、冬に出てきたオミクロン対策を秋にやっていなかったとなかなか私以上の予想屋のようです。

なぜ「風邪」であるオミクロンでこのようなことが起きているのでしょう。少し分析します。

5波の時と異なり、ECMOを使っているような重症者はほとんどいないようです。そう今までのコロナ特有の重症者はおらず、どちらかというとリスクの高い人間(高齢者、合併症持ちなど)が少し「たちの悪いウイルス感染」(「風邪」)にて全身状態が悪化したことで、死亡はしないけど退院できないことが生じ(心不全、廃用症候群など)、そのために病床利用率が上がっているみたいです。

ただこれは今までの冬のいつもの事象です。なのに医療が逼迫するのはオミクロン株は感染対策が必要であることかつ届出の煩雑さの仕事量なども影響しているのでしょう。

またなぜ現実に病床逼迫がおきているのかは、あの濃厚接触者の隔離問題が原因のようです。そう働ける医療従事者が実際には足りません。結果コロナの病棟のベッドは空いているのですが人手がないため空いているはずのベッドが実際は運用できそうにないとのことだそうです。

そしてコロナ病床を増やしたため一般救急病床が足りていません。ただこのような負荷で破綻する救急困難事案は正直昔からかなとは思っています。

そして外来がパンクしています。今までのコロナの重症ならコロナ専門病院が受け入れられます。しかし手術が必要な疾患を持つコロナ陽性者が救急車で来てしますと、今のマンパワーが無くなっている病院では対応できず受け入れを断ります。そして手術はできるけれど感染対策が弱い普通の病院はその患者を受け入れできません。感染者外来に人が溢れていると、感染していない人の受け入れが院内感染予防も含めて実際できません。

そうそれだけオミクロン株に対して今までのコロナ対応と同じことをやろうとすると、これだけ感染者が増えると結果として不十分な医療しかできなくなっているのです。

また検査も同じです。検査キットがなくなったことを一生懸命共産党などの野党は批判していますが、無症状でも何かあったらまず検査という今までの刷り込みがしっかりできてしまっていたこと、そして政府がオミクロン前に無料PCRを推進していたこと、そしてこれだけ感染者が一気に増えてしまったことで少し調子の悪い方、心配な方が診断を受けに病院に殺到しました。そりゃキットも無くなるし、その検査のためにコロナ以外の疾患の診療は埋没し対応できなくなります。

何度も言ってますが、検査は診断だけで治療でもありませんし、隔離しなければ感染防止にもなりません。それどころか今の検査陽性率を考えると、わざわざ検査をしに行くことで感染してしまいそうです。この時期安心のための検査はいりません。検査した時にどう考えるかです

ではどうすれば。正直今のオミクロン株はリスクが低い人(ワクチン2回接種、若年者)であれば重症化はほとんどしない「風邪」です。そうすると風邪をひいたら(発熱など)、まず1日家で休んでください。常備薬を使いましょう。食事がなんとか食べれて飲水可能なら最初の時のように3日まで待機。そこで改善しなければ初めて病院に受診。咽頭痛などがひどければ点滴なども検討しましょう。これだけで多分今の外来の半数が自宅で改善し病院に受診しなくてよくなるでしょう。

ただリスクの高い人はそこまで待ってられません。予防薬投与もあるのでちゃんと今まで通り受診して検査しましょう。

1月8日の記事は今でも有効な対策だと思っています。

日本で最初のオミクロン感染の沖縄はもうピークアウトしています。しかし高山先生によれば高齢者に感染が移行し、今後の重症者の増加が危険かもと判断されています。可能な限り高齢者への感染を防がなければなりません。それでも柔軟な対応をして、しっかり広報することで、この「風邪」は落ち着いてくるはずです。沖縄といういい前例があるのですから、それに倣いましょう。

Source

タイトルとURLをコピーしました