「トヨタが渋谷で発電実験」ってどういう意味!? 1ミリも分からないので調べてみた結果

ロケットニュース24

渋谷で『トヨタが発電するイベント』が実施されるらしい。トヨタ自動車といえば日本最大の自動車メーカーであって、正直「発電」のイメージは無い……これは完全に「どういうこと?」待ちと言っていいだろう。トヨタって、ああ見えて意外と欲しがりなんだろうか?

調べたところ、開催地は “SHIBUYA109の店頭イベントスペース” とのこと。SHIBUYA109といえば言わずと知れたギャルの聖地だ。トヨタって、ああ見えて意外とイケイケなんだろうか?


で……『トヨタが発電するイベント』って一体どういうことなんスかね!?


・噂のサステナビリティ!

イベントの正式名称はトヨタのサステナビリティ実験 #発電中を広告中とのこと。で、でた〜〜ッ! サステナビリティ!!! 「最近よく聞くけどあまり意味が分からない単語選手権」の代表格である。

サステナビリティとは、簡単に言えば「目先の利益を追い求めるのではなく、環境や社会全体のことを考慮した活動をしよう」という取り組みのことだ。

トヨタ、日本ペイント・オートモーティブコーティングス、F-WAVEの3社は2021年3月、カラフルな太陽電池を共同で開発・発表した。たしかに色とりどりでカワイイ。言われなければ太陽電池だとは気づかないだろう。これは太陽電池の表面をデザインできる太陽電池向け加飾フィルム(以下、加飾フィルム)を活用したものだ。

この加飾フィルムが景観に溶け込みながら本当に発電できることを実証実験するべく、8月24日(水)から26日(金)までの期間中、太陽電池が加飾フィルムによって、渋谷の街に溶け込みながら発電できるイベント。というのが『トヨタが発電するイベント』の正体なのである……なるほど。


・そしてカーボンニュートラル!

なお、これまた最近よく聞く『カーボンニュートラル』は「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という目標を表す言葉。実現に向けた動きが加速する中、周囲の景観に合わせてデザインできる太陽電池のニーズが高まってきている。

従来の黒や紫の太陽電池だと、ビジュアル的な問題から設置できる場所が限られてくるのも確か。そこへきて加飾フィルムは、太陽電池をカラフルに彩りつつ発電量を大幅に損なわないことが実証された。軽量な太陽電池に装着すれば、店舗や家屋壁面などへの搭載も可能なのだ。

またシート状の太陽電池に装着すれば、いままで太陽電池を設置できなかった衣類や鞄、アウトドアグッズなどへの活用が期待される。使用するインクの選定、また印刷技術と融合することにより、木目やレンガ調、迷彩柄などを表現することも可能だ。

街を歩くだけで洋服や鞄が勝手に蓄電してくれる未来……控えめに言って「最高」かもしれない。


・スゴイってことだけは分かる

太陽電池をフィルムで覆うと、通常は太陽光が透過せず発電しなくなる。しかし今回の加飾フィルムは太陽光の大部分を透過することが可能なため、カラフルな色で太陽電池を加飾できるのだそう。


※顔料=インク

人が物体の色を知覚するのは、光源からの光が物体にあたり、その物体が反射した光が網膜上の視細胞を刺激することによって「色(反射物体色)」として認識するため。今回の加飾フィルムに含まれるインクは、特定の波長の太陽光を反射することで、人に「色」を認識させているのだ。


※顔料=インク

加飾フィルムに使用している自動車塗装向けインクは鱗のような形状のため、色ムラなく均一な発色を実現するには、インクが同一方向を向くよう配列させ、塗膜の厚みを高精度に均一にコントロールする必要がある。

そこで “自動車外装を加飾ラッピングする樹脂フィルムの製造技術” を応用し、透明樹脂の中にインクを浮遊させ、インクが同一方向に配列されるよう透明樹脂をシャープな刃で一方向に伸ばすことで、色ムラなく均一に発色する加飾フィルムの実現に成功したのだそうな。

フ〜ム、なるほどね…………理科の授業を受けている気分だが、なんとなく仕組みは分かった。ちなみに従来の太陽電池と比べ、フィルムで覆うことによる発電量の低下はわずか約10%ほど。この技術が広まれば、将来的に「電力不足」という言葉自体が過去のものになるかもしれない

『トヨタのサステナビリティ実験 #発電中を広告中』の実施期間は8月24日(水)から26日(金)。場所はSHIBUYA109店頭イベントスペースだ。サステナビリティに興味があった人もなかった人も、知らなきゃ時代に取り残されちゃうかもしれない!?

参考リンク:『トヨタのサステナビリティ実験 #発電中を広告中』
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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