ロシアの日本侵攻はあり得ない – 自由人

BLOGOS

■「西ウクライナ」と「東ウクライナ」の対立

 前回のウクライナ問題についてのブログ記事は、少々、タブーに触れるようなことを書いてしまったのでBLOGOSには転載していただけないだろうと思っていたが、予想に反して転載されていたので少し意外だった。現状、ウクライナ問題については、それほど規制がかかっていないのかもしれない。

 今回のウクライナ問題では、いろんな論者達の言い争いにまで発展しており、何が正しくて何が間違っているのか分からなくなっている人がほとんどだろうと思う。それで、こういう認識の違いがありますよということで、簡単に個人的な感想を書かせてもらった次第。

 BLOGOSのコメントや当ブログのコメント(公開はしていない)を見ても、それでも全く解らないという人が多そうなので、もう少し追加で書かせてもらおうと思う。

 まず、初めに言っておくべきことは、ウクライナは一枚岩ではないということ。この部分は非常に重要であり、言わば、かつてのドイツのように、西ドイツと東ドイツに分かれているような状態になっている。西ウクライナは西側諸国、東ウクライナは東側諸国という具合に。
 東西を分けた「ベルリンの壁」のように、見えない「ウクライナの壁」が存在していると考えると解りやすいかもしれない。

 しかし、ここで更に重要なことは、ウクライナの東西対立は、かつてのドイツのような、資本主義と社会主義の対立ではなく、グローバリズムと反グローバリズムの対立だということ。ここが理解できていない人があまりにも多い。

■ロシアが日本に侵攻することは有り得ない

 現在のロシアは、かつてのソ連のような共産主義国家ではない。そして、ロシアは日本のように資源の乏しい国ではなく、輸出できる資源の豊富な国であるので、わざわざ西側の激しいグローバルな競争社会に参加しなくても十分に豊かな生活ができる。

 そういった国は他にもある。例えば、かつてのリビアがそうだった。リビアと言えば、カダフィ大佐が有名だが、彼も現在のプーチンと同じようにNATOに独裁者のレッテルを貼られたことは有名だ。カダフィはいかにも独裁者風の厳(いか)つい風貌だったので、今でも“カダフィ=悪人”と思い込んでいる人は多いと思う。

 今回のウクライナを台湾や日本に例えている人も多く、そのことで言い争いも生まれている。

 彼らは、「ロシア = 中国」「ウクライナ = 台湾」という図式で論を組み立てている。

 しかし、先にも述べた通り、ウクライナは一枚岩ではない。

 この問題を台湾に例えて言うなら、台湾の中にも「親中派」と「反中派」がいるようなものであり、台湾内の「親中派」のテロリストが「反中派」の人々にチョッカイを出すような出来事が続いていたので、どこかの国が台湾内の「親中派」に攻撃を加えたような状態に近い。

 では、その「どこかの国」とはどこだろうか? もちろん、「日本」である。

 こう言うと、「そんなバカな?!」とビックリする保守論客がいるかもしれないが、残念ながら、そんな状態なのである。

 今回、ロシアが日本に侵攻したというなら、「ロシア=悪」「プーチン=悪」というのも頷けるのだが、現在のロシアが日本に侵攻するようなことはまず有り得ない。ウクライナだからこそ侵攻する裏事情があったわけで、ウクライナ以外の国に侵攻する必然性は全くない。なぜなら、自国の領土だけで十分であり、それが反グローバリズムだから。

 かつてのソ連と現在のロシアを同一線上で考えると、思わぬしっぺ返しを喰らうことに成りかねないので、心ある保守論客には、少し冷静になることをオススメしたい。

タイトルとURLをコピーしました