男性用シェービング カテゴリーに拡大するイオスの勢い【ビューティ&ウェルネスブリーフィング】

DIGIDAY

イオス(Eos)パーソナルケアは女性向けシェービングカテゴリーでの成功を生かして、3月27日(月曜日)に男性向けにも拡大した。

男性用シェービングクリームを展開

この拡大にはウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)などの小売業者で販売される新しい男性用シェービングクリーム3点が含まれている。ジレット(Gilette)やバルバソル(Barbasol)といった家庭用メンズブランドの隣に置かれる。イオスは、肌に栄養を与えてくれる、フォーム(泡)タイプではないシェービング製品が男性から求められることを狙っている。丸いリップクリームで知られているイオスだが、2008年の創業時にはシェービング製品にフォーカスしていた。現在ではボディローションやハンドクリーム、ボディスクラブも展開している。

イオスの調査によると、自称男性のオーディエンスは同社の女性向けシェービングクリームを認知しており、それを使うことにオープンであると述べているという。約45%が同社のリップを、約38%がシェービングクリームを知っており、さらに認知している人の約3分の1がイオス製品の購入を検討しているという。2021年以来、イオスは自社ブランドの稼動状態メトリックを毎日チェックしており、メトリックは主に調査専門パートナーと実施した顧客調査とパネルに基づいている。購入意向、製品の使用状況、ブランドの好感度など10の指標にフォーカスされている。イオスは以前はそのような指標をプロジェクトごとに追跡していた。

過去のGlossyレポートによると、イオスは2021年にシェービングクリームのマーケティングを前年比で300%増やしている。2021年のシェービングカテゴリーの売上高は前年比で30%増加。イオスのCMOであるソヨン・カン氏によると、シェービングは2021年と2022年の売上成長に平均で25%貢献したという。

カン氏は次のように述べている。「ここ数年の女性用シェービングクリームの素晴らしい成長により当社に多くの機会がもたらされている。これは(新規)消費者の観点と、製品を使う男性についてのソーシャル(での会話)の観点両方からだ」。

イオスのTikTokマーケティング

イオスは、2021年2月、TikTokユーザーのカーリー・ジョイ氏(@Killlljoyy、TikTokフォロワーは250万人)のバイラルな機会を利用してシェービングカテゴリーに大規模に尽力し始めた。動画ではジョイ氏は外陰部にシェービングクリームを使用することについて語っている。それに応じて、イオスは「Bless Your F*ing Cooch(外陰部をお大事に)」というキャンペーンを開始し、後にヴァジナスティクス(Vagnastics)というおどけたデジタルキャンペーンを行った。ヴァジナスティクスは1980年代のジャザーサイズに触発されており、YouTubeやTikTok、Snapchat、インスタグラムで配信された。TikTokではバスルームや美容に関連する一連のハッシュタグトレンドに拍車がかかった。バスルーム関連の最新のTikTokトレンドは #EverythingShower である。ボディスクラブやボディウォッシュの使用、シェービングと洗髪の手順などシャワーのルーティンすべてを含むもので、このハッシュタグは1億3200万回以上視聴されている。

シェービング・脱毛業界の現状

シェービングカテゴリーにおけるイオスの成長は業界の軌道に逆行しているように思える。ミンテル(Mintel)の2022年のシェービング・脱毛製品レポートによると、米国のシェービング・脱毛市場は2022年の小売売上高全体で37億ドル(約4913億円)を牽引すると予想されており、2021年からは0.3%の減少である。

ミンテルのビューティ・パーソナルケア担当シニアアナリスト、オリビア・ギノー氏は次のように述べている。「2021年を除いて、(脱毛)市場は2017年以降、売上が低迷している。これは飽和状況とカテゴリーの購入客の価値重視の考え方に一部起因している可能性がある。脱毛を超えたメリット、特にスキンケア関係のメリットを組み込むことは短期的に売上を伸ばすだけではなく、長期的にもカテゴリーの可能性を高めるのに役立つかもしれない」。

ユーモアのあるCMとバスケ選手を起用した男性向けキャンペーン

デジタルキャンペーンは今週(3月最終週)、有償と無償のインフルエンサー、OTT、デジタル広告、ストリーミングコマーシャルで開始される。クリエイティブエージェンシーのミスチーフ・アット・ノー・フィックスト・アドレス(Mischief @ No Fixed address)が作成した「Unmanhandle Your Face(顔を手荒に扱わない)」というコマーシャルキャンペーンは、男性向け製品の従来のマッチョなコマーシャルをからかうものだ。このコマーシャルでは、店のシェービングの棚の前で一人の男性が「ウィスキーと木材の香り」で「ゴリラと戦える男になれる」製品を使うようにと別の男性に話しかけていたら、ゴリラにやられる。話しかけられていた男性はもっとシリアスで肌に栄養を与える代替品としてイオスを選ぶというものだ。

「当社のマーケティング戦略の大部分は男性を自認する若いオーディエンスにリーチすることに大集中している。(男性用シェービングは)当社にとってまだ新しい事業であるため効率的に資金を使う必要がある」とカン氏。「(当社の)データを見れば、ますます、特に若い男性の消費者が新しい(グルーミング)ケアルーティンを確立することに非常にオープンになっていることがわかる」。

イオスは、ジャック・マーティン氏(@JackMartin、TikTokフォロワーは83.1万人)、クリストファー・ロンドン氏(@KristopherLondon、YouTube登録者は300万人)ら、TikTokerやYouTuber6人のインフルエンサーを有償で起用した。また、大学のバスケットボール選手とプロのバスケットボール選手4人を起用して、同ブランドにとっては新しい広告分野に進出した。ライカミングカレッジのマッティ・アイス選手と、ヒューストン大学のテランス・アーセノー選手が雇われた。マーチ・マッドネス・カレッジバスケットボール・トーナメントは4月8日まで開催される。2021年、最高裁判所は、全米大学体育協会(N.C.A.A.)は学生アスリートへの少額の支払いを禁止できないという判決を出しており、これにより学生とブランドの両方に一連の広告機会が提供されている。

3月最終週からイオスは、Netflixが2022年11月に導入した広告付きの6.99ドル(約930円)の新しいプランでNetflixで広告を打 っている。

[原文:Beauty & Wellness Briefing: Eos capitalizes on momentum in the shave category

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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