ブランドと小売業者の2022年ホリデーシーズンを振り返る:拡がる経済的不安【Glossy+リサーチ】

DIGIDAY

この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。 2022年年末、不安定な状況が拡大していることが強調された。 インフレが進み、景気後 […]

2022年年末、不安定な状況が拡大していることが強調された。

インフレが進み、景気後退の危機が差し迫るなか、多くのブランドと小売業者はこの第4四半期が過去数年と比較してどのようになるのかわからない状態だ。最近行われたGlossyとModern Retailの調査では、そうした懸念が明らかになった。

我々が調査したブランドと小売業者のリーダーグループによると、回答者の4分の1が、2022年のホリデーシーズンの売上は昨年よりも落ちるだろうと考えている。過半数(61%)はホリデーシーズンの売上は増加すると考えているものの、そう回答した内の大半(全回答者の39%)は、季節的な売上は「わずかに」増加するのみと考えている。

ブランドと小売業者の4分の1以上が、ホリデーシーズンの売上は減少すると考えている

米国経済が好調で、ほとんどの売上が上昇していた過去数年間とは明らかな変化がみられる。いま小売企業はさまざまな要因により、いったん立ち止まってこれまでの戦略を見直す必要に迫られている。

2022年の大きな変化のひとつは、大手小売業者がいまだに抱えている在庫の量が増加していることだ。2022年初め、リーバイス(Levi’s)は43%、アメリカンイーグル(American Eagle)は36%、GAPは37%と、ブランドの在庫が増加し、高水準となった。大手小売業者でさえも在庫問題を感じており、ターゲット(Target)は直近の決算で、前年の150億ドル(約2兆円)から増加した171億ドル(約2.3兆円)相当の過剰在庫を抱えていると発表している。

このため、多くの企業が商品を処分しようという目論見で値引きを増やしている。だが、一部の小売業者は、物価の上昇を考慮し、大幅な値引きに対しては慎重になっている。GlossyとModern Retailによる調査は、このような戦略の不確実性を反映している。回答者の4分の1が、2021年は2022年にくらべていくらか大幅な値引きを行ったと回答している。一方で、22%は2022年はさらに大きな値引きを行ったと回答した。そして半数以上が、プロモーションはほぼ同じだと回答している。

3分の1近くのブランドが、2021年より大幅なホリデーディスカウントを実施した

この結果は、小売業者やブランドが直面している未知の領域を感じさせる。消費者の需要は不透明であり、不況が迫っているかもしれないが、多くのブランドは、可能な限り収益性の高いビジネスを維持する方法をいまも模索している。そのため、こうした結果が示すように、経営判断はより保守的になり、将来に対する不安を帯びている。

[原文:Glossy+ Research: Brand and retailer holiday outlooks are tinged with economic anxiety]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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