「あっちでもこっちでも、仕事量が倍に増えた」: iOS 変更による Facebook 広告の混乱に対する D2Cメディアバイヤーの告白

DIGIDAY

長年にわたり、D2Cブランド勢はブランド確立の有効手段として、Facebookのデジタル広告にフォーカスしてきた。ただここに来て、その戦略に待ったをかけられている。

AppleのiOS14アップデートにより、アトリビューションだけでなく、ターゲティングもより困難になったからだ。匿名を保証する代わりに本音を語ってもらうDIGIDAYの告白シリーズ。今回は、プライバシー保護方針変更のせいでいかに仕事がしづらくなったのか、とあるD2Cメディアバイヤーが本音を明かしてくれた。

なお、読みやすさを考慮し、発言は端的にまとめてある。

――iOSのプライバシー方針変更により、メディアバイヤーがアクセスできるFacebookのデータ量に多大な影響が及んでいる。あなたの仕事に対する影響は?

Facebookの価値を証明しなくちゃならないという、2015年に大変な思いをしてやったことをくり返させられている気がする。1つの広告アカウントが2つ、いや3つになったのと同じようなものだ。あっちでもこっちでも、私らの仕事量が倍に増えている。クライアントは何にもわかってない、Facebookがもう機能してないと思い込んでいるから、そうじゃない、Facebookはいまも大いにプラスになっているんだと、何時間もかけて報告書を作ってやるしかない。

――その理由は?

プラットフォームとしてのFacebookのパフォーマンスがガタッと落ちたせいで、何が効果的で何が効果的でないのかが、かなり見えづらくなっているからだ。Facebookがいかに有効なのかを確かめるために、いまはGoogleアナリティクスを使っている。いや、以前も同じことはしていたんだが(あちこちでチェックしていた)、いまはFacebookの良し悪しを決めるために使っている。GoogleアナリティクスとFacebookのコンバージョン測定の割合が2:1に近いアカウントもある。

――いま、Facebookについてクライアントに理解してもらいたい点は?

Facebookには、全チャネルを通じたトラフィック促進力がある、という事実だ。Facebookはオーガニック検索も、ブランデッド有料検索(branded paid search)も、ダイレクトトラフィックも増やす――実際、Facebookトラフィックの多くはダイレクトトラフィックだ。それと、Facebookとエコシステム全体との関係性も理解してもらえるとありがたい。[クライアントは]Facebookに関する数字が下がっている点しか見ていないが、ROAS(広告費用対効果)の総計自体は同じか、あるいは上がっていることもある。だから、Facebookはほかの領域の価値も高めているんだと、私らがわざわざ説明してやるしかない。そういうのは、本来、グロース部門のディレクターの仕事なんだが。私らは要するに、Facebookの価値をどうやって証明したらいいのか、彼らに手取り足取り教えてやっているわけだ。Facebookは総体的なブランドアウェアネスに、そしてすべてのリフトに貢献している。つまり、Facebookはひとつのチャネルというよりもむしろ、大きなエコシステムとして捉えないと駄目なんだ。

――ブランド勢のFacebookに対する考え方が変わったのも、ひとえにプライバシー方針変更のせいだと?

さっきも言ったように、Facebookは総体的なブランドアウェアネスと、すべてのリフトに貢献している。つまり、Facebookをひとつのチャネルじゃなくて、大きなエコシステムとして捉える必要がある。[どのクライアントにも]自身のブランドに投資する必要がある。自身のコミュニティの価値を増やす必要も。そして、インフルエンサーマーケティングやオーガニックソーシャルに投資し、ほかのブランドとパートナーシップを築く方法を探す必要もある。

――D2Cブランド勢は長年、ブランド確立の手段として、Facebookに大いに依存してきた。ですがそれが過去の話となったいま、現状への対処法は?

うちの場合は、リテールをしているブランド勢にこれまでにも増してフォーカスするよう努めている。オムニチャンネルプレゼンスを有するブランドはその点がよくわかっていて、このエコシステムのことも、ブランドへの投資がリテール売上を促進することも理解している。だから、そうしたタイプのブランドと仕事をする機会をどんどん増やしていきたい。

[原文:‘Doubled our workload in a lot of places’: Confessions of a DTC media buyer on Facebook headaches caused by iOS changes

KRISTINA MONLLOS(翻訳:SI Japan、編集:長田真)

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