12月7日に発表されたビューティカテゴリーに関するGoogleの「Year in Search(今年の検索)」リストではTikTokの影響力が明らかに浮き彫りにされた。
メイクアップからネイル、「美学」までカテゴリーを問わず、TikTokは米国のGoogle検索トレンドを大きく牽引した。このデータは2021年と比較して2022年にトラフィックが急上昇した検索に基づいてまとめられたものである。つまり、リストは全体的な検索ボリュームではなく成長に注目している。
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メイクアップのトレンド
メイクアップカテゴリーのトップトレンドの検索語は、異なるインフルエンサーが始めたTikTokのバイラルトレンドが雑然と混ざったリストのように見える。そのひとつである「抖音ブラッシュ(Douyin blush)」にはTikTokの中国語名が含まれており、そのトレンドがどこから始まったかが示されている。
• パスポート写真用メイクアップのトレンド
• アディソン・レイ氏のリップグロスのトレンド
• ホワイトドットのトレンド
• 目に見えないアイライナーのトレンド
• 抖音ブラッシュのトレンド
• ドーアイ(仔鹿のような可愛らしい目)のトレンド
• 疲れたような目のトレンド
• 泣いているようなメイクアップのトレンド
• アンダーアイシャドウのトレンド
• ダークリップライナーのトレンド
バイラルメイクのトレンドはインフルエンサーのキャリアを大躍進させることがわかっている。「パスポート写真用メイクのトレンド」はTikTokのインフルエンサーであるジョージア・バレット氏が制作した、良いパスポート写真を撮るためのメイクアップチュートリアルがきっかけだった。これがバイラルになったため、現在バレット氏のTikTokバイオには「私はパスポートの女子」と記されている。
また、メイクアップのトレンドは自分のビューティブランドを抱えるインフルエンサーに特にメリットをもたらしている。アディソン・レイ氏のアイテムビューティ(Item Beauty)は「アディソン・レイ氏のリップグロスのトレンド」で躍進した。レイ氏はスマートフォンを持ったまま片手でリップグロスを塗るテクニックを披露した。
セレブリティのヘア関連トレンド
セレブリティも今年のビューティトレンドの主な推進力だった。「セレブリティのヘア関連」カテゴリーでは、TikTokユーザーのディキシー・ダメリオ氏や、オスカー授賞式でクリス・ロック氏がジェイダ・パンキット・スミス氏の脱毛症についてジョークを言ってウィル・スミス氏から平手打ちされた事件でパンキット・スミス氏が検索上位にランクインした。
• ジェイダ・パンキット・スミス氏
• ディキシー・ダメリオ氏
• ブランドン・マーシュ氏
• ジェイソン・モモア氏
• ジミー・バトラー氏
• サマー・ウォーカー氏
• ブルックス・ケプカ氏
• クリスタル・ゲイル氏
• カロルG氏
• テレサ・ジュディツェ氏のウェディング
ネイル
また、ネイルについては、ヘイリー・ビーバー氏が「グレーズドドーナツ」ネイルのトレンドで大きな影響を及ぼした。このトレンドでビーバー氏のお気に入りのネイルや「チョコレートグレーズドドーナツ」などのバリエーションが検索された。
• ヘイリー・ビーバー氏のネイル
• レッドネイル説
• ミルキーネイル
• ハーフムーンネイル
• クロームネイル
• ピンクコフィンネイル
• 『ユーフォリア/EUPHORIA(原題: Euphoria)』ネイル
• チョコレートグレーズドドーナツネイル
• マルディグラネイル
• ピンクフレンチティップネイル
TikTokはネイル関連のGoogle検索の主な要因であった。たとえば、「レッドネイル説」のトレンドはインフルエンサーの @GirlBossTownの動画から始まった。その動画で、彼女は赤いマニキュアをつけると、それが「男性に自分の母親を思い起こさせて」「磁石」のように男性たちを惹きつけると主張した。このハッシュタグには多くのユーザーから意見が集まり、TikTokで1億1390万回再生された。
美学
TikTokの「美学(Aesthetics)」も今年の主要な検索カテゴリーだった。「プレッピー」や「ゴス」などの用語は半世紀前から存在していたが、TikTokのハッシュタグの威力はビューティとファッション両方のトレンドとして注目されるスタイルとルックスの拡散を意味している。
• プレッピーの美学
• クリーンガールの美学
• コケティッシュの美学
• 夏の美学
• ダウンタウンガールの美学
• 春の美学
• ダークブラウンの美学
• オールドマネー(昔からの資産家)の美学
• ヘイゼルの美学
• 『ストレンジャー・シングス 未知の世界(原題:Stranger Things)』の美学
スキンケア関連の質問
TikTokでは、今年、「スキンテレクチュアル(skintellectual、skinとintellectualの造語)」なスキンケア検索も考慮された。TikTokのインフルエンサーらによるワセリンを顔全体に塗りたくって一晩そのままにしておくという「スラッギング」のトレンドはリスト入りした検索トピックのひとつだった。また、ナイアシンアミド、ヒアルロン酸、レチノールなどの成分の検索も一般的になった。
• 冷蔵庫に入れてはいけないスキンケア製品はどれか?
• スキンケアのルーティンにナイアシンアミドを加える方法は?
• スキンケアのBHTとは何か?
• スキンケアに含まれているナイアシンアミドとは何か?
• スキンケアの効果はどのくらい続くのか?
• スラッギングとは何か?
• ナイアシンアミドは何に効果があるのか?
• BHAとは何か?
• レチノールの肌への効用は?
• ヒアルロン酸は妊娠中でも安全か?
ブランドらは、TikTokとインスタグラム上の自社コンテンツでこのようなビューティトレンドの多くに飛びついた。なかにはGoogleの検索用語の最初のページにオーガニックに表示されるようになったブランドもあった。「ピンクコフィンネイル」に関してはクロスビューティ(Kloss Beauty)とクラッチネイルズ(Clutch Nails)が検索結果の最初のページに表示され、イプシー(Ipsy)は「クリーンガールの美学」についての自社のブログ投稿で、Googleの「クリーンガールの美学のチュートリアル」のオーガニック検索結果のトップにランク入りした。
[原文:TikTok’s influence dominates Google’s top trending beauty searches for 2022]
LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)