セフォラ が芳香剤・洗剤カテゴリーに進出:Z世代とミレニアル世代のフレグランスブランド、 デッドクール をローンチ

DIGIDAY

シャネル(Chanel)のNo.5、イヴ・サンローラン(YSL)のブラックオピウム(Black Opium)、ヴィクター&ロルフ(Viktor & Rolf)のフラワーボム(Flowerbomb)などが並ぶセフォラの棚に新製品が加わった。それは、Z世代とミレニアル世代のフレグランスブランド、デッドクール(Dedcool)だ。8月2日にSephora.comでローンチし、8月12日にはセフォラの210店舗にお目見えする。

芳香剤・洗剤カテゴリーへ拡大するセフォラ

セフォラは、どちらも90ドル(約1.2万円)の01 トーント(01 Taunt)ミルク(Milk)(ミルクはデッドクールによると重ね付け用の香水だという)などのデッドクールのベストセラー香水6製品を販売。そのほかにも、12ドル(約1600円)のトーントの香りの芳香剤と35ドル(約4700円)の「洗剤」も取り扱う。こうして、セフォラのチャネルに洗剤カテゴリーが加わることになった。

セフォラはこの数カ月間、メイクアップ、スキンケア、ヘアケア、香水を超えてビューティの定義を拡大している。1月にはモード(Maude)とデイム(Dame)のバイブレーターでセクシャルウェルネスのカテゴリーに参入、2月にはセフォラ初の加湿器、キャノピー(Canopy)が登場した。また、デッドクールのトーントマッサージキャンドル(55ドル、約7400円)も取り扱っているが、これはセクシャルウェルネスとフレグランスのクロスオーバー製品といえるだろう。

デッドクールのベストセラー6製品のトライアルサイズからなる30ドル(約4000円)のディスカバリーセット

手頃な価格と個性的なデッドクール

デッドクールのローンチは2016年で、2018年にはバーニーズ(Barneys)をはじめとする小売店に進出した。デッドクールはバーニーズでは興味深い位置付けにあった。というのは、世界の一流ラグジュアリーフレグランスの隣にありながらもはるかに低い価格で販売されていたからだ。バーニーズが閉店しパンデミックが始まったあと、デッドクールの28歳の創業者、カリナ・チャザナス(チャズ)氏は製品ラインナップの見直しを決断した。

「もっと必要不可欠な製品に統合しなけばならなかった。ラグジュアリーとビューティの壁を打ち破りたかった。当時も製品は現在と同じ価格帯だった。つまり、従来のフレグランスよりもはるかに手頃な値段だった」とチャズ氏。同氏は、自分の年齢とデッドクールのメッセージゆえに、デッドクールは従来のラグジュアリーラインともっと差別化されていると述べている。「手頃な価格と個性の尊重という、私にとって重要な価値観をアピールしたかった」。

チャズ氏によると、セフォラとのやりとりの初期において、セフォラがZ世代の若い層にリーチするフレグランスブランドや強固なコミュニティを持つブランドへの投資に関心を寄せていたのは明白だったという。デッドクールはインスタグラムで4万人弱のフォロワーを持つ。TikTokではハッシュタグ「#dedcool」の視聴回数は400万回を超え、そのアカウントのフォロワーは4300人である。また、デッドクールはすでにクレドビューティ(Credo Beauty)、リボルブ(Revolve)、自社サイトで販売されている。

フレグランスの新規ブランドが急速に成長しているため、セフォラがその品揃えを拡げているのには納得がいく。最近(再)ローンチしたブランドには、3月のクリセル・リム氏によるフルール(Phlur)がある。セフォラにコメントを依頼したが、本記事の公開に間に合うようにコメントをもらうことはできなかった。

日常使いの製品にフレグランスを

チャズ氏は次のように述べている。「セフォラがデッドクールのようなブランドに投資しているのは、当社が高品質でクリーンな製品を提供しているからだけではなく、使う人がより自分らしい方法でフレグランスを体験できるようにしているからだ。我々は機能的な日常使いの製品を取り揃えている。必ずしも一日中ひとつの香りにこだわる必要はないが、12ドル(約1600円)の芳香剤や洗剤で生活に香りを取り入れれば、自分らしい香りに囲まれて暮らすことができる」。同氏は、洗剤カテゴリーはほかのフレグランスブランドから「実質的に手をつけられていない」ままであると述べている。ル・ラボ(Le Labo)がローンドレス(The Laundress)とコラボして洗剤を販売しているくらいである。

個性的という点では、デッドクールには「プープドロップス(Poop Drops)」のような遊び心に満ちた新製品がいくつかあるが、少なくとも現時点ではセフォラで販売される予定はない。「排便はクールだと思うし、もっと語られるべきだ。楽しいものにしたいと思っている」とチャズ氏。今後の発売予定にはペット用シャンプーとスプレーや、ヘアケア製品があるという。ヘアケアとフレグランスの関係はいっそう密接になってきている。

このような新しいカテゴリーをセフォラに提供することには大きなチャンスがあるとチャズ氏は感じている。「(そのような製品は)フレグランスが語られる方法を変えるだろう。我々は最初のブランドになりたいと思う。品揃えを拡大して、イノベーションにフォーカスしている。あらゆることにもっと大きな目標がある。楽しいとかクールだからという理由だけで製品をローンチしているのではない。その裏にもっと大きなメッセージとストーリーをもたらしたいと心から願っている」。

[原文:Exclusive: With Dedcool launch, Sephora enters the laundry detergent and air freshener categories

SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:黒田千聖)

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