「スキンケアの トレンド がヘアケアでも起こっている」:ウエラ CEOアニー・ヤング=スクリヴナー氏

DIGIDAY

ウエラカンパニー(Wella Company)CEOのアニー・ヤング=スクリヴナー氏は、13歳でヘアカットやパーマのサイドビジネスを始めた頃から、ヘアケアに対する情熱がある。だから、3年間CEOを務めたゴディバ(Godiva)から、140年の歴史を持つヘアケア&ネイルカンパニーにスカウトされたとき、そのチャンスに飛びついたのだ。

2020年10月、プライベートエクイティ企業のKKRは、コティ(Coty)からウエラカンパニーの60%を買収すると発表し、同社のCEOにヤング=スクリヴナー氏を任命した。ウエラは、ウエラプロフェッショナルズ(Wella Professionals)、クレアロル(Clairol)、ナイオキシン(Nioxin)、GHDなどのヘアケアブランドや、ネイルポリッシュブランドのOPIを販売している。2021年12月、同社は独立した企業として1周年を迎えた。KKRとウエラカンパニーは、約4年後にはIPOを目指している。

「私たちには信じられないような会社になる驚異的なチャンスがある。当社が第一に注力しているのは、確実に消費者のニーズを満たす適切な(製品)を持つことだ」とヤング=スクリヴナー氏はGlossyビューティポッドキャストで語っている。「2番目は、正しい方法で成長しているか確かめること。私たちには多くの(出口戦略の)選択肢があるだろう」。

ストーリーテリングに重視

時の試練に耐える製品とブランドポートフォリオを構築するにあたり、ウエラは全ブランドでストーリーテリングに重点を置いている。これにはウエラプロフェッショナルも含まれており、シャインフィニティ(Shinefinity)という色持ちのよいヘアカラー製品は、「Shine you can feel(感じられる輝き)」というキャッチフレーズで、髪の健康を謳っている。ウエラには1000以上の特許製品や技術があるため、革新的な製品を提供する優れたビューティ企業として位置づけることができると、ヤング=スクリヴナー氏は述べている。

ネイルポリッシュのOPIも1月にXboxと提携し、新たな顧客やコミュニティを獲得する独自の機会に目を向けている。ヤング=スクリヴナー氏いわく、これまでのところ、こうした企業努力は成果を上げており、ウエラのプロフェッショナル販売チャネルは2019年度と比較して2桁の売上成長を遂げ、同社のeコマースとリテールチャネルはともに大きく伸びているという。

以下では、ヤング=スクリヴナー氏がこの1年間に力を入れてきたこと、OPIの業績、ビューティ業界における別のピュアプレーヤーに対するウォール街の期待などに注目し、ポッドキャストからの抜粋をわかりやすく簡潔に編集して紹介する。

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過去1年間の業績とそこから得たインサイト

「(私たちは製品の)イノベーションについて検討した。どうすれば確実により早くイノベーションを起こせるか? まずはそこに取り組んだ。人々が経費を抑えているときに、実際に(製品を)ローンチすることに力を注いだ。また当社には6000人の従業員がいたのだが、昨年はさらに1100人を採用している。新しい環境でどのように仕事をするか、敬意とスピードを保つことができているか、文化の違いに対して速やかに対応できているかなど、多くのさまざまな機能に目を向けなくてはならなかった。当社の企業文化で重要な部分を占めているのは、社員が能力を発揮できる環境を作り出すことだ。当社には、女性、LGBTQ+、多様な民族といった6つのアフィニティグループがあり、世界中から人々が集まって、イノベーションの機会について議論したり、会社として違うやりかたを検討したり、みんなが本当に興味のあることについて話し合ったりすることができる。そうすることで私たちを取り巻く世界について(ウエラが)さらに認識を深め、消費者のニーズを違ったかたちで理解できるようになる」。

OPIはどのようにしてネイルケアの潮流に乗ろうとしているか

「興味深いのは、爪自体をアートの表現として活用する人々がいることだ。人々は自宅で自分のアート作品をつくり、爪のケアを重視してキューティクルを正しく手入れして、自分をきちんと甘やかしている。昨年、私たちはネイチャーストロング(Nature Strong)という製品をローンチした。これはヴィーガンの環境倫理に基づいた製品ラインで、かなり好調だ。最近ではXboxと提携し、国際女性デーにあわせて、テック業界の女性とゲーミング分野の女性に関するコラボレーションを行った。Xboxは当社の3つの色を採用して、OPIのカラーでXboxのコントローラーを作成した」。

ウォール街のヘアケアに対する欲求について

「ウォール街には頭のいい人がたくさんいる。スキンケアで起こったトレンドが、ヘアケアでも起きていることに気づいている。このブームは一過性のものではなく、今後も続くと私は思っている。なぜなら、消費者が(ヘアケアに対する)理解を深めれば、より高品質でプロフェッショナルな製品に手を伸ばすようになるからだ。オラプレックス(Olaplex)は特許技術に力を入れて消費者に訴えかけたが、あれは非常に懸命だった。それを見て考えるに、当社のストーリーを伝えるさらによいチャンスがあると思うし、オラプレックスから学ぶこともある。当社には1000件の特許と300人以上の科学者がいるが、そのことについては語っていない。私たちは自分たちの強みを生かし、それを恐れずに強調していく必要があるだろう。いまは単なるブームというよりも転換期なのだ。ウォール街はウエラの成長の可能性に目を向けてくれさえすればいい」。

[原文:Wella Company CEO Annie Young-Scrivner: ‘What happened with skin care is happening with hair care’]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida、編集:黒田千聖)

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