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ライブストリーミングプラットフォームのトークショップライブ(TalkShopLive)は、2018年の創設以来、女優のドリュー・バリモアやリアリティスターのリサ・リナらをホストに採用し、セレブリティによるライブのショッピングセッションで知られるようになった。同社は現在、D2C創業者たちにプラットフォームに出演して自社ブランドについて語ってもらうことで、飲食物セッションのレパートリーを増やしたいと考えている。
トークショップライブは過去数年にわたり、ウォルマート(Walmart)や、コンデナスト(Condé Nast)、ハースト(Hearst)などの企業とビデオコマースのパートナーシップを結ぶことで、その領域を拡大してきた。このプログラムにより、これらのパブリッシャーや小売業者のホストは、買い物ができるライブフィードを主催し、注文は自社のウェブサイトや一部の小売業者を通して行われる。このパートナーシップは、トークショップライブが自社プラットフォームの影響範囲と、取り扱うブランドの種類の両方を広げるために役立っている。
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トークショップライブの共同創設者でCEOを務めるブライアン・ムーア氏は、同社は現在、特に食品と飲料の分野のD2Cブランドを中心に強化を行っていると、米モダンリテールに語った。同氏は、この決定がデータに基づいたものだとしている。「この1月の収益だけで、昨年の第1四半期全体を超えている」と同氏は述べており、同社はさらに多くのブランドとオーディエンスの注目を集め、この勢いを維持することをめざしている。「新鮮で若いブランドを取り込む機会は揃っている」。
「食品は美容品と並び、トークショップライブでもっとも急速に成長している部門だ」とムーア氏は述べる。同氏は、フードネットワーク(Food Network)のジャーダ・デ・ラウレンティス氏が出演した昨年のセッションを、特に成功した例として挙げている。このセッションではラウレンティス氏が自分のキッチンパントリーを紹介しながら、新しい料理本を紹介した。「その結果、フォロワーから、同じカテゴリーに属するほかの創設者も出演してほしいと要望が寄せられた」とムーア氏は述べている。
新しい種類の顧客との対話
オリーブオイルのブランドのブライトランド(Brightland)は2月、トークショップライブで食品企業とレシピを紹介する番組「バーチャルバイト(Virtual Bite)」に参加した。このセッションのホストを務めたのは、ブライトランドの創設者であるアイシュワーリャ・アイヤー氏だ。ムーア氏は、アイヤー氏が4月に行われる同プラットフォームのフードウィーク(Food Week)イベント期間中、トークショップライブに戻ってきて、新商品のプロモーションを行う予定だと語る。「当社は、さらに多くの食品と食品メディアのブランドを視野に入れている」のだという。
「ブライトランドのようなブランドは、ブランドの背景ストーリーを語る機会を得られる」とムーア氏は説明する。ブライトランドは、アイヤー氏のトークショップライブへの出演についてコメントの要請に応じていない。
「D2Cブランドから当社に寄せられる要請は増え続けており、これは主に当社が最近行った統合によるものだ」とムーア氏は述べ、同プラットフォームが昨年開始した、ウォルマートやショッピファイ(Shopify)とのパートナーシップに言及した。同氏は、トークショップライブがウォルマートとのパートナーシップを拡大したことで、両社は、共同のライブセッションをより多く行い、ウォルマートが扱うブランドをプロモーションすることになるだろうと付け加えている。
最近の例として、D2Cドッグフードブランドのジンクス(Jinx)とのライブショーがある。このショーはウォルマートの2100店舗と同社ウェブサイトで3月1日に実施された。
ジンクスの創設者でCEOを務めるテリー・ロッコビッチ氏は、3月9日にトークショップライブに出演した。ロッコビッチ氏は、「当社が立ち上げを準備しているとき、ウォルマートは、トークショップライブのことを私たちに提示し、新しいブランドがより幅広いオーディエンスにリーチするための良い方法だと位置付けた」と述べている。
ロッコビッチ氏は、女性史月間(Women’s History Month)に行われた、女性が設立したブランドについてのトークショップライブシリーズの一部として出演した。「私のチームと私は、どの商品を紹介し、どの点を訴求するかについて、5週間前から計画してきた。トークショップライブでの体験は非常に良好なものだった。非常にインタラクティブなフォーラムであり、ウォルマートの参加によってイベントが増強されたことが理由の一部だと考えている」と同氏は述べている。
ライブストリーミングの日、ジンクスの売上は前週の同じ日より64.6%増加し、前日と比べても42%増加したと、ロッコビッチ氏は述べている。「コンバージョン率は、当社のD2Cウェブサイトより約9%高かった」。
ライブ動画に本腰を入れはじめたブランド
ロッコビッチ氏は、ジンクス、ウォルマート、トークショップライブのあいだで、イベントまでのあいだにオウンドメディアと有料チャネル全体にわたって協調してプロモーションを行ったことが、成功の理由だとしている。ジンクスとパートナー2社は、ジンクスとトークショップライブのFacebookとインスタグラムのフィード、及びウォルマート自身のトークショップライブブログへの投稿でショーをプロモーションする、メディアキャンペーンを共同で制作した。「これにより、ジンクスは毎週のシリーズのなかでももっとも高い視聴者数を獲得した」と同氏は述べている。同ブランドで購入できる商品はウォルマートドットコム(Walmart.com)とトークショップライブの両方に表示され、顧客がライブセッションの終了後もジンクスの商品を購入することができるようにした。
「これは実際のところファンドレイジングとあまり変わらない。私はブランドのストーリーを語り、質問にリアルタイムで回答することができたからだ」と同氏は述べている。ロッコビッチ氏は、この体験から、「動画コマースを自社のマーケティングチャネルに組み入れることに熱意を持つように」なったといい、YouTubeやインスタグラムライブなど、ほかの形式もテストする可能性があると語っている。
ライブ動画ショッピングは全体的に勢いが増しており、いくつかのプラットフォームがライブストリーミングプラットフォームの代表的存在になるべく競争している。トークショップライブとともに、ショップショップス(ShopShops)や、ワットノット(Whatnot)、NTWRKなどの新興企業が、投資家やブランドからますます注目されるようになってきた。動画コマースのトレンドは、TikTokやインスタグラムリールなど、より動画に適したプラットフォームをテストしてみたいというブランドの関心の高まりと一致している。
ライブコマースの魅力のひとつは、セレブリティの起業家や、新興企業の創設者などのホストが、自宅からセッションをストリーミング配信していることだ。「オーディエンスはテリー・ロッコビッチ氏のような創設者が犬と一緒にいるのを見たがっており、洗練されたスタジオよりも視聴者の共感を呼ぶ傾向がある」とムーア氏は述べている。
「QVCの司会者になった気分だった」
新進気鋭の創設者にとって、ライブ動画コマースは、マーケティングの実験場としての役割も果たしている。
缶入りワインのブランドのノマディカ(Nomadica)の創設者であるクリスティン・オルシェフスキー氏は、自力で立ち上げたブランドとして「トークショップライブの設定と使用はごく簡単で、助かった」と述べている。同氏は今年2月、ナショナルワインデー(National Wine Day)のライブショーの一部として、トークショップライブに出演した。
このセッションでは、オルシェフスキー氏が過去2年間におけるノマディカと立ち上と成長について語り、視聴者は一時500人に達した。「QVCのホストになった気分だった」と同氏は述べている。
「私はソムリエとして、会話やストーリーを語るのが得意なので、この形式でデジタル顧客と関与することができよかった」と同氏は述べている。ショーの日にノマディカがオンラインで売り上げた額は少なかったが、その後、トークショップライブから「買い物客が着実に訪れるようになった」と同氏はいう。ノマディカのトークショップライブチャネルは同ブランドのD2Cウェブサイトのバックエンドと統合されており、ノマディカが受けた注文のどれがトークショップライブのページから来たものかを追跡することができる。
オルシェフスキー氏はまた、ノマディカのセッションで、たとえばなぜワインを缶入りにしたのかなど、商品の背景に関連する特定の決定事項も説明できたと言及している。しかし、多くの視聴者からは、商品とは関係のない、たとえば各種のワインをどのように味わえばよいか、硫酸塩について心配するべきかなどの質問も投げかけられたという。また同氏は、視聴者の年齢層が、ノマディカのコア顧客であるミレニアル世代やZ世代よりも高い年齢層に偏っていることにも言及した。「より年齢層の高い消費者向けに、当社の飲み切り缶の位置付けを考え直すことになった」と同氏は述べている。「このライブの体験から、単に小売の購入者だけではなく、消費者への呼びかけについても真剣に考えるようになった」。
ライブショッピングが活気を帯びていくなか、D2Cブランドの経営幹部たちは、ライブショッピングを試し続けたいと考えている。ジンクスのロッコビッチ氏は次のように述べている。「買い物客には、創設者や商品の専門家たちとリアルタイムで対話したいという願望が間違いなく存在している」。
[原文:How TalkShopLive is courting DTC brands to use its livestream platform] 著者:
Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via TalkShopLive