サプリブランドのブルーム、 インフルエンサー 創業者が卸売拡大に一役:Z世代を取り込みたい小売店の思惑も

DIGIDAY

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ソーシャルメディアでの名声によって、卸売業拡大のへの道が開かれるかもしれない。

サプリメントブランドのブルーム(Bloom)の共同創業者であり、インスタグラムで160万人、TikTokで24万5000人、YouTubeで20万人のフォロワーを抱えているマリ・ルウェリン氏の場合、そのとおりになった。ブルームは10月にターゲット(Target)の店舗と最初の小売パートナーシップを発表し、わずか4カ月後の2月には、ウォルマート(Walmart)で販売を行うことを発表した。同社の商品、たとえば人気のグリーンズアンドスーパーフーズ(Greens & Superfoods)パウダーは現在、約6000店舗で販売されている。

「小売業者たちはソーシャルメディアでのムーブメントが起こっていること、そしてTikTokが重要であることを知っている」とルウェリン氏は述べる。「こうした大手企業は、年齢層の高い人々により運営されていることもあり、当社のように、Z世代のオーディエンスを店舗に呼び込むことができる若い企業を求めている」。

自身のフォロワーがブランドのフォロワーに

ルウェリン氏は2017年から、自身の減量の話などのフィットネスコンテンツをオンラインで投稿してきたが、5ドル(約660円)のワークアウトガイドを販売して得た資金で、4年ほど前にブルームを創業した。ルウェリン氏は、顧客の増加から実店舗への進出まで、同氏はブルームの躍進を、同氏が開発したパーソナルウェルネスプラットフォームのおかげだとしている。

「私が、自分のプラットフォームで作り上げ、信頼を得てきたコミュニティは、すべて私たちの顧客だった。ブルームのフォロワー全体が私のフォロワーだった。これによって、当社は創設当初に必要とした後押しをしてくれたし、フォロワーは、ブランドの背後にいるのが誰か、理解していると感じた」と、同氏は述べている。

ブルームは現在、毎月10万件以上の注文を発送し、2022年には前年比で収益が3倍増加した。同社は具体的な数字を明かしていないが、収益は9ケタ(億ドル単位)で、完全なブースストラップ経営だとしている。現在は、プレワークアウトや、プロテインパウダー、ビタミンなど、200のSKUを保有している。

卸売業者にとって魅力的なパートナー

ブルーム同様、インフルエンサーの創業者を持つほかのブランドは、トレンドに乗った品揃えや、フォロワーのビジネス獲得に関心を持つ卸売業者の関心を集めることが多い。たとえば、コンテンツクリエイターのエマ・チェンバレン氏が創業したチェンバレンコーヒー(Chamberlain Coffee)は、羨望されているハイエンドの食料品店であるエレウォン(Erewhon)の陳列棚に並ぶことに成功し、マルチチャネルの企業に成長する計画を実行するため、レッドブル(Red Bull)から新しい最高マーケティング担当者を雇用するまでになった。ルウェリン氏は、買い物客が買い求めやすいよう、ターゲットやウォルマートなどの店舗で扱われることを望んでいたと語る。実店舗とは別に、ブルームは自社ウェブサイトとAmazonでも販売を行っている。

ルウェリン氏は次のように述べている。「私は従来型のインフルエンサーのルートをたどらなかった。インフルエンサーであることで、ブランドとして何を行うかということに対してさまざまな視点を持つことができ、その過程で、ほかのインフルエンサーと出会い、ネットワークを広げることもできたと考えている」。ブルームはTikTokでもインフルエンサープログラムも展開しており、インフルエンサーを起用したパートナーシップを結び、そのうちの一部で報酬を得ている。

オンラインでの名声によって、一部のブランドは、マーケティングに多くの費用をかけずにオフラインでの売上を伸ばすことができ、それによって、そのブランドは卸売業者にとって魅力的なブランドパートナーとなっている。腸活ドリンクのポッピー(Poppi)の創業者であるアリソン・エルズワース氏は、プロモーション動画によく出演しているが、同社のTikTokに、ポッピーの購入場所についてコメントした人の80〜90%は、実店舗でソーダの缶を購入したと回答したという。缶詰めシーフードブランドのスカウト(Scout)の共同創業者でCEOを務めるアダム・ベント氏は、同氏のTikTokでの名声が、ホールフーズ(WholeFoods)とのパートナーシップを拡大するのに役立ったと、以前米モダンリテールに語った

オーガニックな宣伝力

「棚のスペースはごく限られている」と、リングコミュニケーションズ(Ring Communications)の創業者でサフォーク大学(Suffolk University)の助教授を務めるキンバリー・リング・アレン氏は語る。「彼らは、インフルエンサーが売上を促進することはわかっているので、考えるまでもない。卸売業者たちは、彼らがオーディエンスと接触を持つだけでなく、収益を促進することも理解している」。

ブルームは依然として「十分なマーケティング予算」を保有しているが、セレブリティやインフルエンサーが商品をリクエストしたり、投稿したりすることで、同社の商品はオーガニックに宣伝されていると、ルウェリン氏は語る。同氏は1月、「ウェルネスの探求(Pursuit Of Wellness)」という同氏のポッドキャストの最初の数エピソードを放送した。このポッドキャストは、健康とウェルネスの話題をさらに掘り下げるもので、ルウェリン氏のインスタグラムのフォロワーと同じような層の観客にリーチすることが期待されている。

[原文:How having an influencer-founder helped Bloom land retail partnerships]

Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Bloom

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