株式会社モニタスは、「利用実態調査 ビジネスチャットツール編」の結果を発表した。従業員1000名以上の企業での利用率は「Microsoft Teams」「LINE WORKS」の2つが強いが、100名未満の企業ではビジネスチャットツール自体の利用率が低く、「Chatwork」「Slack」「LINE WORKS」「Microsoft Teams」が拮抗している。
調査は、20~64歳の会社員を対象に、インターネットを用いた調査サービス「Collector」で4月15日に実施。有効回答数は2836名で、全国の就業人口構成比に合わせたウェイトバック集計を行なっている。
認知率のトップは「LINE WORKS」、利用率では「Microsoft Teams」
ビジネスチャットツールの認知率ランキング(n=2836、複数回答可)では、LINE WORKSが37.1%、Microsoft Teamsが32.7%、Chatworkが16.8%、Slackが15.0%、Workplaceが9.5%、Talknoteが3.5%、directが2.5%の順。
モニタスでは、トップのLINE WORKSでも約6割の人には知られていない状況だと指摘。ビジネスチャットツールは「新規開拓の余地が広くあることが分かる」としている。
認知率の高かったLINE WORKSとMicrosoft Teamsについて、チャットツールの利用構造比較の集計結果(n=2836)もある。LINE WORKSは、「認知」している人が37.1%、「利用経験」がある人が10.9%、「現在利用」している人が10.1%だった。一方、Microsoft Teamsでは、「認知」している人が32.7%、「利用経験」がある人が20.4%、「現在利用」している人が20.0%だった。
認知率はLINE WORKSの方がやや高いが、現在利用している人ではMicrosoft TeamsがLINE WORKSを大きく上回っている。
大企業での利用率トップは「Microsoft Teams」、小企業では「Chatwork」
企業の規模によって、利用しているツールが異なる傾向にあることも分かる。
従業員数1000名以上の会社のツール別利用率ランキング(n=663)では、Microsoft Teamsが21.4%、LINE WORKSが10.3%、Workplaceが4.0%、Slackが3.7%、Chatworkが2.8%、Talknoteが0.4%、directが0.3%の順。
従業員数100名未満の会社(n=585)では、Chatworkが4.7%、Slackが3.9%、LINE WORKSが3.8%、Microsoft Teamsが3.2%、Workplaceが0.6%、directが0.4%、Talknoteが0.2%の順。
Chatworkなど、上位に大企業のランキングとは異なるツールが入っているが、いずれのツールも利用率が5%未満にとどまっており、現状、従業員数が少ない企業のビジネスチャットツールの利用率は低い。
モニタスでは、今回の調査から、「会社員の約4割がチャットツールを現在利用している一方で、5割の人はいずれのツールも認知していない課題があることが分かった」とし、「特に『LINE WORKS』『Microsoft Teams』以外の有名企業名を冠していないサービスでは、認知および利用率向上につながる差別化の一手が求められている」と指摘している。