「当時その場にいた人たちには笑われた」:日本のお菓子サブスク「Bokksu」が 評価額1億ドルに成長するまで

DIGIDAY

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米国の顧客と日本のお菓子をつなぐBokksu(ボックス)は、創業者でCEOのダニー・タン氏によると、サブスクリプションボックスにはまだ強気であるという。

2016年に創業した同社は、これまで米国では手に入らなかった日本のお菓子を集めたサブスクリプションボックスの提供から始まった。最初の数年間は、ほぼ自己資金で運営していたため、成長は緩やかだったが、創業から2年後、同社は本格的に軌道に乗り始めた。現在では、定期購入の枠を超え、独自のマーケットプレイスを立ち上げている。

「2018年の初めは、加入者が約1000人だったが、わずか1カ月で3000人以上に増えた」とタン氏は、米モダンリテールのポッドキャストで語っている。「それは、Facebookのようなバイラルなキャンペーンのおかげだ」。

しかし、その成長に伴い、いくつかの困難が生じた。「日本の倉庫には、3倍の量の注文に対応できる設備がなかった」とタン氏は話す。「まだ、物流のチームやディレクターを置くずっと前のことだ」。

だが、Bokksuは、そのような状況にもめげず、成長を続けてきた。同社は2018年以降、収益と顧客数を毎年倍増させている。これは、バーチボックス(Birchbox)のようなほかのサブスクリプションボックスブランドが大きな逆風に直面するなかで実現したものだ。それでも、タン氏によると、Bokksuは「サブスク疲れ」を経験することはなかった。「我々のビジネスを支えているのは、毎月変わる非常に強力で基礎的な商品があり、そこから多くの人が多くの価値を得られている点だ」とタン氏は述べている。「流行り廃りがないのだ」。

今年初め、Bokksuは2200万ドル(約28億円)のシリーズAラウンドの資金調達を完了し、1億ドル(約130億円)の評価額を手にした。これは、何年もベンチャーキャピタルからノーと言われ続けてきた末の出来事だった。タン氏にとって、これは自身の会社に持続的な力があることを証明するものだった。この資金調達により、Bokksuはマーケットプレイスの拡大に注力することになった。

しかし、Bokksuは依然として主力製品に注力している。タン氏は次のように述べている。「サブスクリプションがまだ大半を占めている。それが我々のコアなのだ」。

ここでは、対談のハイライトを紹介する。なお、わかりやすさを考慮し、多少の編集を加えてある。

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Bokksuの始まり

「私は、資金がなかったため、自力でビジネスを始められるような定期的なサブスクリプション・モデルを求めていた。そこで、このアイデアが生まれた。競合他社を調査した結果、日本のサブスクリプションボックスというアイデアを思いついた。当時、この分野にはすでに20社ほどのプレイヤーがいたのだが、そのどれもが、私がやりたかったこととは違っていた。そのほとんどは、何十年も前から日本を追い払うかのように、つまり、かわいいアニメのような奇抜なものをたくさん取り入れていたのだ。でも私は、家族経営の製造業者と、世代を超えた商品を紹介したかった。誰もそのようなことをやっていなかったし、このような商品に価値があると思えたことが、私の力になった」。

初期の小売店での購入

「D2Cブランドやサブスクリプションボックスなど自己資金ではじめるような新進気鋭のビジネスにおいて、私がダーティーな秘密だと感じているのが、初期に小売店で買うということだ。初期の頃は、現地で購入するか、楽天や日本のAmazonでオンライン購入し、東京にある友人の小さなアパートに発送していた。友人が、それを大きなダンボールに詰め直して郵便局へ持って行き、発送してくれたのだ。本当に些細なことから始まった。やがて、日本の業者ともっと直接的な関係を築くことができるようになった。しかし、そこに行き着くには、何カ月も何年もかかり、彼らが私を信頼してくれるために大変な努力をしなければならなかった。たとえば、信用取引ではなく、まず手付け金で支払うことなどもあった。最初の2、3年は、すべてのベンダーとそのような形で仕事をしていたので、資金繰りが大変だった」。

その場にいた人たちに笑われた

「今は、昔はなかったような代替融資のソリューションがたくさんある。我々は、クリアバンク(Clearbank、現在はクリアコ[Clearco])の初期の顧客だった。このような融資をクリアバンクやほかのプレイヤーと行うようになった大きな理由は2つある。ひとつは、成長を加速させるための資金が必要だったからだ。我々は成長を続けていて、それはとてもエキサイティングなことだった。当時はすべてを前払いしていたので、キャッシュフローが大変だった。しかし、もうひとつは、投資家が集まらなかったからだ。初期の段階でいろいろと話をしてみたので、もしかしたらそれを続けていれば何人かは見つけられたかもしれない。だが、2016年、2017年という早い段階で少数の人と話をしていたら、その場にいた人たちに笑われてしまったのだ。それは、真剣にどこか見下しているようなところがあった」。

[原文:‘I was laughed out of the room’: How Bokksu founder Danny Taing bootstrapped his business to a $100M valuation]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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