「 口コミ ほど製品の売上を促進するものはない」【Glossy eコマースフォーラム】

DIGIDAY

Glossy eコマースフォーラムが、5月16日マンハッタンで開催され、ファッションとビューティのブランドがeコマースにおける最大の課題やその潜在的な解決策について話し合った。インフルエンサーとの協働、今のeコマースビジネスに対する顧客の期待に応じることなどについて、ブランドからの声を集めて紹介する。

データを使って意思決定を導く

「数年前には店員は来店する人についての知識を持っておらず、推測しなければならなかった。しかし、状況は変わった。現在、我々はデータを使って店員をエンパワーすることにフォーカスしている。そして、データは双方向、つまり店舗データはeコマースチームに、eコマースのデータは店舗チームに送信されている」。
ーー インターミックス(Intermix)のCEO、ジョーティ・ラオ氏

「データと直感を組み合わせようと試みている。ファッションには直感が重要だ。何かを着たときにしっくりくると感じられるのは素晴らしい瞬間だ。これは数字で説明できるものではない。なので、自分は直感を重視して、自分の直感に基づいてアイデアを出している。そして、私のチームは私のアイデアに対して自分たちのデータを示してくれて、両方のバランスを見つける。だが、私が数字から始めることはない」。
ーー タクーン(Thakoon)の創業者兼デザイナー、タクーン・パニクガル氏

「自分のブランド、ホームガールズ(HomeGirls)をインスタグラムでローンチしたが、フォロワー数は見ていなかった。気にしていなかった。(私のアプローチは)『頭を下げて、よそ見をせず、ただ前を向くのみ』。そのあとで成長ぶりを見て、そこからイテレーションしていけばいい」。
ーー パニクガル氏

顧客から期待されること

「購入後には発送の連絡だけをすればいいのではない。返品に関するコミュニケーションを取ることも顧客の信頼を維持するための良い方法だ。パーセルラボ(ParcelLab)のデータによると、米国のファッション小売業者の49%が返品無料を提供しているが、英国では70%を超えている。顧客の87%は返品プロセス中にブランドが関与してくれることを望んでいる」。
ーー パーセルラボのマーケティング責任者、キャサリン・ビッグス氏

「現在ではオンラインショッピングへの期待ははるかに高くなっている。発送と返品は完璧でなければならない。送料無料、返品無料、2日間配達、オンライン購入で店頭受け取りなど、これらはすべて当たり前になっている。それらが最低条件だ」。
ーー ラオ氏

「eコマースはスピードがすべてだが、店舗のスピードにはかなわない。店に行って買うのが一番速い。ピュアプレーヤーとD2Cチャネルが顧客に商品を届ける速度を上げたい場合、まず速い配送から環境的責任が生じてくる。だが、製品比較の分野などで速度を上げる方法はいろいろある。オラプレックス(Olaplex)は扱っている製品が90点なのであまり良い例ではないが。たとえば、オンラインで買い物していて気に入ったドレスを見つけたとしよう。サイズがイマイチなので、違うサイズで同じようなドレスを見せてもらえるだろうか。そのようなサービスをより速くより容易に提供できるなら、それは速度を向上する方法の1つになる」
ーー オラプレックスのCEO、ジュイ・ウォン氏

プラットフォームとテクノロジー

「TikTokはパワフルだ。製品を売るのに口コミほど優れたものはない。15秒のバズで6カ月分の製品が一瞬にして売れるからだ」
ーー ピースアウトスキンケア(Peace Out Skincare)のCMO兼クリエイティブディレクター、ジュニア・スコット・ペンス氏

「おそらく、ここにいる人たちのほとんどがShopifyを使っていると思う。特に複数のプラットフォームにデータを動かしたいときには、Shopifyにはデータレポート面が不足していることがわかった。大勢にとってShopifyがもっとも柔軟で最良のオプションであることには異論はないが、消費者データにアクセスする方法とそのデータに基づいて構築できる速度にはギャップがある」。
ーー サマーソルト(Summersalt)の創設者、ロリ・コールター氏

「eメールは現在では絶対基準だ。(顧客の)eメールを獲得して、全チャネルで最適化して、そのデータを使って何かを作成できればできるほど素晴らしい。ソーシャルでは制限があるかもしれないが、ソーシャルで送れないものもeメールでは送れる。また、テキストは消費者とのファーストパーティであり、それもとてもパワフルだ」。
ーー コールター氏

「我々の今年の戦略の多くは『人々』をウィーウォアホワット(WeWoreWhat)に戻すことに関連している。そのため、ユーザー生成コンテンツにさらに依存している。ユーザー生成コンテンツは実に重要だ。自分のブランドを一番売り込めるのは自分だろうが、我々はインフルエンサーのチームを構築している。私は(インフルエンサーeコマーステクノロジー企業の)グリン(Grin)に投資して、インフルエンサー構築のために同社と協働している」。
ーー ウィーウォアホワットの創設者、ダニエル・バーンスタイン氏

[原文:Overheard at the Glossy E-Commerce Forum: ‘Nothing sells product like a viral moment’

DANNY PARISI(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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