肉や野菜を電気でくっつける研究。バイオロボや医学への転用に可能性も

ロボットや医療用インプラントにも使える?

木材やプラスチックを接着剤テープで合わせて、工作するのは普通のことですよね。

硬い素材はくっつきやすい印象ですが、グニャグニャと柔らかい物がピッタリくっつく姿は、あんまりイメージできません。

食べ物用の磁石みたい

メリーランド大学では粘着や接着ではなく、僅かな電圧で鶏肉やトマトといった食材が、鉛やグラファイトなど硬い素材に付いたり離れたりする技術が研究されています。

Electroadhesion(静電吸着)」という現象は、電界にさらされたふたつの表面が収縮してくっつく電気付着効果。一度くっつけば電流が止まってもそのままですが、逆極性の電流が流れると離れます。

剥がすのが簡単

粘着や接着では、離す時に溶液を塗ったり力を込めたりしてイマイチ簡単ではありません。ですがこの方法なら超カンタン

実験では、アクリル アミド ゲルとふたつのグラファイト電極で5ボルトの電圧を数分間流しただけで、ガッチリくっついたとのこと。ムリに剥がそうとしたら、ゲルが避けたのだそうな。

何でもくっつくワケではないけれど

他にはニンニク、牛肉、リンゴ、豚肉、バナナ、玉ねぎ、じゃがいもといった素材が成功しています。

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Image: ACS Publications

これを行なうには、電気を通しやすい物質および、食材は糖分ではなく塩イオンが必要など、いくつかの条件があります。

それでも研究チームは、ハイブリッドなバイオロボットや医学的なインプラントへの転用に可能性があると考えているとのこと。

ロボットなら食品加工業とか、インプラントなら体内にある弁の開閉止血とかでしょうか?

調理器具で使えたら面白そう

私たち民間のレベルなら、菜箸ヘラにこの機能を搭載してほしいなと思います。

パックから出してフライパンに移す時や、まだ半生程度なら調理中にひっくり返すのがスムーズにできそうです。吸着したまま摘み食いしたら、触れた唇がビリっと痛そうですけどね。

Source: Facebook, ACS, ACS Publications via NEW ATLAS

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