もう新しいブラウザなんて要らないと思ってた。
iPhoneに今までとはちょっと違うWebブラウザがやってきた! ってちょっとした話題です。ブラウザ? 別に新しいの要らなくない?って思われるかもしれませんが、Arc SearchにはモバイルでのWebブラウジング、特に検索を快適にするいろんなアイデアが詰まってます。かゆいところに手が届くというか、かゆさに気づかせてくれたというか。
Arc Searchとは?
簡単にいうと、AIを使ってユーザーの代わりにWebをまとめてくれるブラウザです。検索ワードを入れて「Browse for me」ボタンを押すと、Webに書かれた要点を一瞬でまとめ、見やすい形で表示してくれます。
例えば「スーパーボウルを見る方法」を調べてみると、6件のWebサイトを元に、あらゆる情報を詳細までまとめてくれました。結果は見やすく箇条書きになっていて、出典も明記してあります。スーパーボウルの日時やストリーミングしてるサービス、ハーフタイムショーの出演者まで、数秒で把握できました。
この「Browse for me」機能を使わず、普通にGoogleなどの検索結果ページを表示することもできます。
スピードへのこだわり
Arc Searchを開発したThe Browser Company創業者兼CEOのJosh Miller氏は、現状のモバイルWebは「崩壊しててイラっとする」と考えました。
first, Arc Search opens with the keyboard app and search box focused by default.
zero taps to look something up. just start typing.
it’s 2x faster to search than in Safari & Chrome.
you’ll feel twice as fast whenever you use Arc Search.
— Josh Miller (@joshm) January 28, 2024
そこでiPhoneに最適なブラウザを作ろうと考え、特にスピードにこだわったとのこと。その結果できたArc Searchは、「ChromeやSafariより2倍早い」と言ってます。
たしかに「Browse for me」を使うと、いろんなWebサイトを見て回る時間や労力が要らなくなります。最低でも6つの情報源を参照するので、要約もある程度信用できます。メジャーなWebサイトだけでなく、例えばRedditのスレッドやYouTubeのコメント欄など、細かい部分も結果に反映しています。
「2倍早い」検索の理由は?
Arc Searchの面白いところはBrowse for meだけじゃなく、インターフェース上のさまざまな工夫にもあります。
例えばアプリを立ち上げるとそのまま検索バーに入力できる状態になります。というのは、Miller氏いわく「モバイルブラウザを開くときの80%は、何かを検索することが目的」だからです。
たしかに従来のブラウザだと「アプリ開く→アドレスバーをタップ→キーボード立ち上がる」っていうステップがありますよね。それがArc Searchだと、「アプリ開く=キーボード立ち上がる」なわけです。
いろいろとスッキリ
それから広告やCookie同意確認、トラッキングをブロックする設定もできるし、ページのメインの部分だけ表示する「Reader Mode」もあります。これでWebページから余計な広告とかリンクとかがなくなって、表示がスッキリします。
あとは、使ってないタブを自動でアーカイブするのも気が利いてます。アーカイブのタイミングはカスタマイズできて、12時間後から30日後までの間で選べます。アドレスバーから検索するときのエンジンは、Google、Bing、DuckDuckGo、Ecosiaが使えます。
Arc Searchが誰にでも最適かどうかはわかりませんが、どんなものか見てみる価値はあると思います。まとめの情報源になるWebサイトの選び方とか要約の正確性とか、疑問がないわけじゃありません。でも、モバイルでのWebブラウジングを快適にすることにこだわった作り方、なかなか興味深いです。