BGMをひとり占め。作業中には「耳をふさがないワイヤレスイヤホン」が良いですよ

GIZMODO

孤立ではなく、環境に溶け込むためのイヤホン。

耳を塞がないワイヤレスイヤホン。このアプローチにはいくつも前例があります。音導管を耳にダイレクトアタックさせる「Xperia Ear Duo」や、骨伝導イヤホンスピーカー内蔵のスマートグラスも、ある意味では耳を塞がないイヤホンといえるかも。

この方向性に新たな切り口を見出したのが、合弁会社ambie(アンビー)のイヤーカフス型ワイヤレスイヤホン「TW-01」。イヤーカフスとは耳輪に挟み込むアクセサリーで、ピアスやイヤリングと比べるとマイナーな感じですよね。僕は『最遊記』の猪八戒で知りました。石田さーん!

今回試作機をお借りできたので、数日使ってみたレビューをお届けします。「TW-01」はすでに公式サイトにて予約できるのですが、初期ロットは完売見込み。また、スケジュールの遅れで予約した人への発送は2週間ほど遅れてしまうようです。注目度、高いっぽいね。

これは何?:ambieのイヤーカフス型ワイヤレスイヤホン

価格:1万5000円

いいところ:付けていることを忘れるほど軽量、耳を塞がない開放感がある、アクセサリー感覚で装着できる

残念なところ:迫力が不足し、イヤホンと同じような音楽体験は期待できない

「ん、あれイヤホン?」と目を引くルックス

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まず、このかたちでイヤホンとは思わなくない? イヤーカフスをモデルにしてるだけあって、アクセサリー感はひときわ強い。真珠のイヤリングをイヤホンにしちゃった「NOVA H1 Audio Earrings」のように、アクセサリーとして着飾れるガジェットだと思います。

装着時は充電接点が見えている方が耳の後ろ側に、出っ張りが小さい方が耳の前側に来るかたち。小さい側にスピーカーが内蔵されていて、耳に向かって音が出る仕組みです。

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ケースはとてもコンパクトで、AirPods Proに近いホールド感。手触りは指紋が付きにくくサラっとしたマットな感じ。カラバリはホワイト、ブラック、クラウドグレイの3色あって、今回レビューしてるのはホワイトです。

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重さは4.2g、イヤホン単体での連続再生時間は約6時間、ケース充電込みで約24時間。IPX5の防水性能を完備。片耳でも使用可能で、ゆくゆくはペアリングやバッテリー残量の確認ができる専用アプリがリリースされる予定です。

装着はひとクセあれど、付けてしまえばフリーダム

「TW-01」の特徴はなんといっても装着感です。普通のイヤホンはケースから取り出して耳にギュっと詰めれば終わりですが…。

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「TW-01」は耳の穴ではなく耳輪に引っ掛けるタイプなので、基本的に両手で装着します(片手装着は多分無理)。片手で耳の上側を引っ張って、耳輪を平たくしてからイヤホンを押し込んで耳に引っ掛ける。

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こんな風に、耳を挟み込むようなかたちになればOK。耳の後ろ側のパーツ(出っ張りが大きい方)には物理ボタンがあり、再生・停止などの操作が可能。安定感も問題なく、運動で落下することもなさそう。慣れれば3秒ほどで装着できるし、歩きながらでも装着できました。どうしても片方ずつ着けることになっちゃうのは、構造上仕方ないか。

イヤホンというより、超小型のパーソナルスピーカーって感じ

音質ですが、そもそもイヤホンと違って耳を塞いだり、「Xperia Ear Duo」のように耳穴に直接音を届けてるわけではないので、低音や迫力といった面では不足を感じます。一方で女性ボーカルやハイハット、ギターのような高い音はシャンシャンとしっかり聞こえます。感覚としては「Bose Frames」のような、音楽鳴らす系のスマートグラスの聞こえ方に近い。

音量は、iPhoneと接続して音量5割で普通、7割でややうるさい&周りの人にうっすら聞こえる、最大でうるさい&超音漏れという感じ。普段使いするなら4〜6割で充分かな。カフェや電車でも試してみましたが、シーンとした静かな環境でない限りは音漏れは気にしなくて良さそうでした。

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イヤホンほどしっかり聞けないならイマイチなんじゃないのかって? 実はそんなこともなく、耳元でうっすら音楽は鳴ってるのに、耳は塞がれていない。このバランスはかなり快適で、まるで自分専用のBGMを流しているかのよう。店内BGMを独占しているような、そんな感覚です。音楽がかかっていないお店や自宅で使えば、まさに店内BGM的な聞こえ方を再現できます。耳穴や聴覚への負担が少ないおかげで、普通のイヤホンよりもリラックスできますね。

気がついたら3時間も音楽流しっぱにしてたので、装着感も問題なし。「音楽を聞いていることを忘れるようなイヤホン」っていうのも変な話ですが、イヤホンというよりスピーカーと認識したほうがしっくり来るかも。超小型のパーソナルスピーカーを耳にぶら下げられる、これが「TW-01」。

カバーのおかげで耳も痛くなりにくい

耳を挟むという構造上、耳の大きさによって装着時の負担は変わってきます。ですが、イヤホンと肌が接する箇所への違和感については大丈夫そうだなと感じた要素がこちら。

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本体は薄いカバー(シリコン?)で覆われているんです。普通のイヤホンとはちょっと違う考え方というか、衛生面的にも良いですね。

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完全にカバーを剥いてみました。耳の後ろ側部分には、物理ボタンとマイクが見えますね。

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耳穴に来る前側にはスピーカーの穴が。これ、もしカバーがないとしたらパーツの接着部分やプラの質感が耳に負担になる可能性があったと思うので、良い配慮だなと感じました。汚れが気になったらカバーだけ掃除できるのも良し。

閉塞感なく音楽を楽しめる、リラックスのためのイヤホン

一般的なヘッドフォンやイヤフォンのように、静かな場所でじっくり音楽に向き合うための再生装置ではありません。そのため音楽に傾聴したい人には物足りない聴き応えになるでしょう。

一方で作業用BGMを流すには程よい鳴り方で、例えばPC作業やゲーム、料理、ジョギングなどなど、ながら聞きしたいシーンにおいてはスピーカーで音楽を聞いている時のようなリラックス感が味わえました。ゲームの単純作業をしながら「ゆっくり解説」コンテンツを聞いてたんですけど、これ最強な気がしますね。

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だもんで、静寂を追求する昨今のノイキャンワイヤレスとは真逆のようなイヤホンと言えるかも。散歩、あるいはキャンプや公園など、自然の心地良さや環境音を感じながら音楽を聞くのにも良い塩梅。装着感も良いから一日中付けっぱなしにしても良し。アクセ的に楽しむなら、むしろ付けっぱなし前提ですし。

ノイキャンやバッテリーなど、ワイヤレスイヤホンはどうしてもスペック勝負になりがちなところを、「TW-01」は、イヤホンとは何ぞやってところからアプローチを変えてきました。いつでも自分専用のBGMを聞けるんだぜっていう、新しい全能感がありますね。

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Video: ギズモード・ジャパン/YouTube

ギズモードのYouTubeチャンネルにある71秒レビューもどうぞ。笑顔すぎん?

Source: ambie(アンビー)公式サイト

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