アップル税まで波及するのかなあ。
「アプリストア決済の売上30%を収めないとアプリを売れないなんて、独占企業の弱いものイジメだ!」とFortnite開発元Epic GamesがAppleとGoogleを訴えている反トラスト法(独禁法)違反裁判。俗にいう「フォートナイト裁判」の対Google訴訟でサンフランシスコ連邦地裁は月曜、原告側の主張を認める判決をくだしました。
どうして判決は分かれたのか
対Apple裁判ではおおむねApple側の勝利に終わったのとは好対照です。勝敗を分けた要因について、Epicのティム・スウィーニーCEOはCNBCに次の2点を挙げています。
①Appleは裁判官に判断を委ねたが、Googleは陪審員に判断を委ねた。
②Appleは記録に残るものは一切残していなかったが、Googleは証拠隠滅*が裏目に出た。
③Appleはサイドロード禁止だが、GoogleはOKで、これも裏目に出た。
対Google裁判では、競合ストアを出したいデベロッパーやスマホメーカーにGoogleが何億円ものお金を払って思いとどまらせていたことが、競争阻害の決定打となりました。その点、「AppleはGoogleと違って、何も文字に書いて残してなかった。巨大な垂直統合型の独占企業なのでデベロッパーや電話会社と取り引きして競争をつぶすまでもなく、単にテクニカルなレベルでブロックするだけでいい。そこが両社の最大の違いだろう」とスウィーニーCEO。
フォートナイトがAndroidアプリストア「Google Play」から削除され、Epicが提訴に踏み切ったのが2020年なので、実に3年越しの長い闘いの末の勝利となります。
年間売上約2000億ドル(約29兆円)のアプリ市場。今は売上の15~30%がGoogleやAppleの取り分ですが、アプリ購入代金やアプリ内課金の決済独占が終われば、アプリ開発元も少し息がつけますね。アプリの価格が下がればユーザーにもありがたいですし、そうなるとAppleだけ今まで通りというわけにもいかないだろうと専門家たちは言っています。
Googleに対するストア是正命令の詳細は年明けの審理で決まります。
*会社の上層部がGoogle Chatの24時間でメッセージが消える設定を常用。判事に「この道10年になるが、こんなひどい隠滅の証拠は見たことない」と言われてしまった。
Sources: CNBC