怖いもの見たさ、というものがある。“奇跡の逆転” を期待する自分もいる。
我が家には「干し蕎麦ストック箱」があり、過去に買った数々の干し蕎麦が眠っているのだが、その中に今回の『更科そば』があった。
どこで買ったのだろう？ と裏面を見てみると（必ず自分でメモっておくことにしている）、「タイソ」と謎の文言が殴り書かれていた──。
タイソ……ハッ！ これは100円ショップの「ザ・ダイソー」で購入した干し蕎麦……。もちろん価格は税込108円……。100均だけに、ここで会ったが百年目。いつかは食べなければならぬ運命。時は来た。そう、時は来たのだ。
それではさっそく……
……って……!!!!!!!????
＿人人人人人人人人人人人人人＿
＞ ご、5束!!!!!!!!????????? ＜
￣Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y￣
なぜ私がここまで驚いているのかというと、だいたい干し蕎麦というものは、1束（1食）あたり80gあたりが普通。こちら内容量250gなので、少し多めの3人前かな〜……なんて思っていたら、まさかの5束（5人前）!!
てことは、1パック108円で5人前だから、1食あたり22円。カランカラン！ 出ました！ かつて100円ショップで購入した『こだわりの麺々 蕎麦』や『おいしいそば』の1食27円を大幅に更新する22円!!!!!
正直、ますます不安になってきたが……
デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……
5分ゆでて……
完成。（すくねっ）
して、そのお味は──
無……ッ!! 恐ろしいまでに「無味」である。これほどまでに「無」を感じた蕎麦は未だかつて無かったってくらいの「無」である。しらたき……いや、しらたきのほうがまだ味はする。それほどまでに無味。
つゆを付け、そこで初めて「ああ、これは蕎麦か何かかな？」と判断できるレベル。無の境地というか、何かの修行には使えそうな蕎麦ではある。
「家そば」か「外そば」かで言えば家……というかこれは「蕎麦」ではない。蕎麦みたいな食べ物である。何をしても、ごまかせない。まだカップ蕎麦のほうが蕎麦してる。ああ無常。奇跡の逆転は起きなかった──。
執筆：干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo：RocketNews24
