宇宙で太陽光発電→地球へ伝送。宇宙でつくられた電力で生活する日も近い…?

GIZMODO

いざ、太陽光発電の新境地へ。

日当たりのよい屋根や山間部の斜面などにソーラーパネルが並び、自然エネルギーを生み出す光景がいたるところで見られる時代となりました。

とはいえ、太陽光発電には弱点や課題も。

もっと効率よく、安定した電力供給ができないものか? その取り組みを宇宙から実現させようと米カリフォルニア工科大学(Caltech)が取り組んでいた「Space Solar Power Project」が、このたび大きな節目を迎えました

宇宙から太陽光発電の電力を地上へ

今年1月には、実験機となるSpace Solar Power Demonstrator(SSPD-1)が宇宙空間へ打ち上げられ、2基のソーラーパネルを展開しつつ、太陽光発電を進める環境を整えていました。

そして今回、SSPD-1で生み出された電力をマイクロ波でワイヤレス伝送する実証機器「MAPLE」によって、30cmほど離れた場所にある受信機へと送電し、LEDを点灯させることに成功

さらにはその電力を機外へ飛ばし、ロサンゼルス北東部に位置するパサデナのGordon and Betty Moore Laboratory of Engineeringキャンパスの屋上に設置された受信機で受け取ることにも成功したと発表されています。

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Video: caltech/YouTube

マイクロ波でのワイヤレス伝送の仕組みは、池に小石を投げ入れると水面に波紋が広がる様子と似ていて、その広がりを全方向へ均等に広がるのではなく一方向へピンポイントで向かうようにコントロールする技術によって、遠距離でも着実に電力を送ることができるんだそう。

もし宇宙空間で太陽光を24時間体制で吸収し、ソーラーパワーでの発電を続け、地上へピンポイントで伝送できるならばインフラ整備に大いに役立つはず

今回、宇宙空間と地上を結ぶワイヤレス送電の実験が、世界で初めて成功したとされていますが、実は似たようなプロジェクトは、欧州日本でも進められています。まだ実用化まで時間はかかりそうですが、衛星放送の受信アンテナのような設備さえ用意すれば、いつの日か宇宙から電気を受け取れる時代がやってくるのかもしれませんね。

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