ChatGPTを使用したマーケターの感想、その用途は?:クリエイティブの補助、業務効率化

DIGIDAY

フリーランスのクリエイティブディレクターであるデビッド・ウェカル氏は、最近クリエイターのあいだで話題になっているOpenAIが開発したAIボット「ChatGPT」の機能を試し、その結果を自身のLinkedIn(リンクトイン)に掲載している。

多くの場合魅惑的で、時として我々を驚かせるウェカル氏は、ChatGPTや同様のAIに何ができ、広告業界にとってそれが何を意味するのかを理解しようとする数多くのクリエイターのひとりだ。

クリエイティブなプロセスを補助?

これまでのところウェカル氏は、これがソーシャルへの投稿やニュースリリースの作成に役立つ可能性のある「論理を展開するツール」であることに気づいたが、「スタイルや人間性、独自の視点をもたらすものではない」と述べている。(登録時に表示されるウィンドウによると、「無料のリサーチプレビュー」を提供する)ChatGPTを使用したことのある業界の専門家は、ブレインストーミングや壁にぶつかり創作できなくなったライターがスランプを克服する手助けに使用したと言っている。マーケターやエージェンシーの幹部は、ChatGPTがコピーライターの仕事を奪うとは考えていないが、広告主が今後、クリエイティブなプロセスを行うのを補助するツールになりそうだと話す。

ソフトウェア企業ハブスポット(Hubspot)のプリンシパル・マーケティングマネージャー、クリスティーナ・ガーネット氏は、電子メールで次のように書いている。「これは、アイデアをかき立て、可能性を絞り込むための強力な出発点だと考えよう。最初の質問プロンプトは徐々に拡張でき、クリエイティブチームにとっての強力な出発点となる。そこからさらに踏み込んでもいいし、あるいはそこから逸脱することもできる」。

クリエイティブショップのモジョスーパーマーケット(Mojo Supermarket)で戦略責任者を務めるライアン・マクデイド氏もこの意見に同意する。

「ブリーフィングの初期段階で役に立つことがある。このツールは、情報を引き出し、情報を集約してくれるインターンのようなものだ。結論は出せないし、インサイトも得られない。しかし、プロジェクトについて考えるための出発点にはなる」とマクデイド氏は語る。

「長期的な用途はこれから決まる」

エージェンシーの幹部は、クライアントはまだChatGPTについて尋ねてこないが、エージェンシーの社員はその機能をテストし、どのように使用できるか、広告主のために何ができるかを判断してきたという。マーケターとエージェンシーの幹部は全体として、実験と学習の段階にあるが、最終的にはマーケターが今後使う可能性のあるツールと見ている、ということのようだ。

メカニズム(Mekanism)のパートナーで最高ソーシャル責任者のブレンダン・ガハーン氏は、「ChatGPTは新しい暗号だ(中略)ハイプサイクルの観点において」と話す。「すでにあり、間違いなく実用的なアプリケーションだ。まさにいま、話題になっている。長期的にどのように我々のワークフローに組み込むのか、またその潜在的な用途は(これから)決まる」。

ガハーン氏はこう続ける。「アドビ(Adobe)のIllustratorやPhotoshopの導入と同様に、これは、コンテンツ制作をより身近なものにするだろう。いまの広告業界において、これらのツールの使い方を知らないデザイナーがいるなんて想像できるだろうか? 20年前ならそうだったかもしれない。だが、いまはそれが使えないと業界に参入できない。AIでも同じことが言えるだろう」

その有用性を見極めようとするなか、マーケターがAIを活用することでコスト削減を目指すと、いずれコピーライターも打撃を受けるのではないかと考えるクリエイターもいる。ただ、マーケターやエージェンシーの幹部は、AIの前途はまだ先が長いと言う。

思ったよりいい出来

「コピーライターには、最新の情報を入手し、仕事を効率化するために利用することを強く勧めたい」とガーネット氏は言う。「数学者が電卓の影響を受けたように、コピーライターはAIの影響を受けることになるだろう。仕事を改善するためのツールとして使い、それによって生まれる効率化によって影響力を拡大していくといい」

何を隠そう、米DIGIDAYはこの記事を書くためにChatGPTをテストした。ログインを試みた最初の数回は、システムが過負荷状態だった。ログインできると、ヘッドラインが提案された。我々はそれを短く編集して使ったが、編集者は「思ったよりいい出来だった」という感想をもった。

[原文:Marketing Briefing: How marketers are finding ways to use the latest buzzy AI tool, ChatGPT

Kristina Monllos(翻訳:藤原聡美/ガリレオ、編集:分島翔平)

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