「我々は年を取っていた」:リージーンズのエグゼクティブ、ウォルデック氏が語る、100年の歴史を持つデニムブランドの「若返り」方法

DIGIDAY

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リージーンズ(Lee Jeans)は1世紀以上の歴史を誇るが、若い世代の流行に敏感であり続けようとしている。

そのための方法のひとつがコラボレーションだ。たとえば、アパレルブランドである同社は最近、紳士服会社のブルックリンサーカス(Brooklyn Circus)とともに、共同のコレクションに取り組んできた。これらの商品はリーのもっとも古いデザインのいくつかをアップデートしたもので、歴史あるブランドと新しいものを橋渡しすることをめざしている。

リーの親会社であるコントールブランズ(Kontoor Brands)のエグゼクティブバイスプレジデント兼共同最高執行責任者を務めるクリス・ワルデック氏は、このようなタイプのコラボレーションには、ひとつのブランドだけでは伝えきれないストーリーを語るという理念があるという。「ブルックリンサーカスとリーとのあいだにつながりは何もない」と、同氏は述べる。異なるブランドと協力する背景にある戦略は、「互いに結び付くことで、すばらしいストーリーを語り、優れた商品を生み出すことだ」。

レガシーとスタイルを維持しつつ、若返りを図る

ワルデック氏は、米モダンリテールのポッドキャストに参加し、デニムブランドである同社の新しい戦略について解説した。リーは1889年頃に創設され、浮き沈みを経験してきた。同社は、ノースフェイス(North Face)やティンバーランド(Timberland)などのブランドも保有しているVFコーポレーションの傘下に入っていた。しかし、VFコーポレーションは2019年、リーとラングラー(Wrangler)を自社の親会社であるコントロールに委ねた。

同社は現在、新しく、若い層の買い物客からの人気を得ることに集中している。その多くは、新しいプラットフォームでZ世代を見つけ、若いオーディエンスがアクセスしやすい商品を作る方法を見つけることだと、同氏は述べている。

ワルデック氏は2017年にリーに入社した。同氏の任務は、「ブランドを活性化させること」だったという。入社した時点で、同氏は、「我々は年をとり、当社の消費者もまた年をとった」と述べている。このため、同氏は過去5年間を、このレガシーブランドにある種の改装を行うため費やした。

ワルデックは2017年にリーに入社。同氏の任務は “ブランドを活性化させること “だったという。当時、彼は “我々は年を取り、消費者も年を取っている “と言っていました。そのため同氏はこの5年間、レガシーブランドに一種の若返りを施そうとしてきた。

課題となるのは、リーのレガシーとスタイルを維持しながら、新しい人々にアピールすることだったと、同氏は述べる。この課題をさらに難しくしたのは、全世界で戦略が同じではないということだ。たとえば、リーの最大の市場のひとつである中国では、米国や欧州とは販売やマーケティングの戦略が明確に異なる。

ワルデック氏は次のように述べている。「当社のアプローチを下支えするのは実際のところ、セグメンテーションに対する戦略的なアプローチだ。そしてそれは、当社のアイコンからアーカイブ、当社が販売するさまざまな製品についてどう考えているか、といったことにまで及ぶ」。

対談のいくつかの要点を以下に示す。これらは明瞭性を考えて多少の編集を加えたものである。

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リーのブランドを活性化するためのワルデック氏のアプローチ

「私の使命はこのブランドを活性化し、成長の軌道に戻すことだった。当社は年を取り、当社の消費者もどんどん年を取っていく。したがって、我々にとって、ブランドに新しい命を吹き込むこと、つまり、戦略やアイコンに徹底的に集中し、それらを世に広めるということが焦点となった。我々がこのブランドに行ったことは、ブランドらしさ、そして当社のブランドを強力で象徴的なものにしている要因は何かという視点を失わずに、現代のレンズを通してブランドを見つめることだ」。

中国におけるリーの戦略

「リーは中国における第1位のプレミアムデニムブランドであり、中国全土に600以上の単一ブランドの小売店舗を抱えており、中国全体の消費者に最高のエクスペリエンスを提供している。我々はブランドのライセンスを取得し、東南アジア全体にわたるほかの市場でディストリビューターを通して活動している。しかし、これらの市場は、おもにリーの独自店舗、ショップ・イン・ショップなど、さまざまな市場における、単一ブランドのエクスペリエンスを提供することが中心となっている。その大きな要素はデジタルで、ティーモール(T-mall)、インドのフリップカート(Flipkart)、そのほかのeコマースが役割を果たしている。このため、しっかりエコシステム全体を見据え、当社が消費者とどのようにつながりを持っているかを見るようにすることが、非常に重要だ」。

ワルデック氏がコラボレーションに取り組む方法

「コラボレーションでは、1+1=2ではなく、1+1=4になることをめざす。私は、中国で当社がなしとげたことの例として、コカコーラ(Coca-Cola)の一件を引き合いに出すことにしている。130年前までさかのぼると、HDリー(HD Lee)はコークコーポレーション(Coke Corporation)と協力し、コークの配達を行っていたすべての配達人のために制服を製作した。コークと当社のアーカイブには、当時両者のあいだで交わされたメモについての文書が残っている。そのため、両社のあいだには自然な結びつきが存在する。これが重要なことだと、私は考えている。そして、今の若者が求めているのは、これらの商品の背後にあるストーリーや、それらがなぜ存在するかというストーリーだ」。

[原文:‘We had gotten old’: Lee Jeans exec Chris Waldeck on energizing the century-old denim brand]

CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)

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