チャネル 多様化を進める日焼け止めブランド、その狙いは :「新しい顧客にリーチするには、新しいチャネルを」

DIGIDAY

サンスクリーンブランドのスーパーグープ(Supergoop)は、ターゲット層を従来の「意識の高いミレニアル世代」以外にも拡大し、日焼け止めを購入する人や使用する人を増やしたいと考えている。

そこで同社は、OOHや活字などの従来メディアを交えて広告ミックスの拡充を図るとともに、ソーシャル広告をSnapchatやTwitch(ツイッチ)などのプラットフォームに広げることにした。このような取り組みは、同社にとっては初の試みとなる。

「オーディエンスの幅を広げることが狙いだ」と、マーケティング担当シニアバイスプレジデントのブリタニー・ルブラン氏は話す。スーパーグープはついさきごろ、日焼け止めの新製品を発売したばかりだ。ブランド認知の強化は重要な成功要因である。「これを機に、メディア戦略の幅を広げたい」とルブラン氏は述べている。

新しい顧客層をいかに開拓するか

ソーシャル広告にSnapchatやTwitchを追加し、さらに従来的なメディアへの広告露出を増やせば、新たなオーディエンスにリーチを広げ、ブランド認知を高めることにつながる。ルブラン氏の説明によると、従来の広告出稿は「意識の高いミレニアル世代」が多くの時間を費やすプラットフォーム、たとえばFacebookやインスタグラム、最近ではTikTokなどを中心に展開してきたという。

スーパーグープに限らず、これまでFacebookとインスタグラムに広告出稿を集中させてきた多くのブランドが、ここ数年、より従来的なチャネルを追加しながら、広告ミックスの多様化を進めている。米DIGIDAYが以前に報じた通り、この傾向の背景には、プライバシー規制の強化やソーシャル広告チャネルの混雑がある。とはいえ、スーパーグープの場合、戦略転換の主眼はチャネルの多様化そのものというより、あくまでも新しい顧客層の開拓だとルブラン氏は述べている。

スーパーグープがこれらのチャネルに投じた広告費やその内訳は開示されていない。調査会社のカンター(Kantar)によると、スーパーグープが2021年に支出した媒体費は32万9745ドル(約4億2000万円)で、2020年の6万6191ドル(約8500万円)から大幅に増えている。なお、カンターはSNS関連の支出を追跡していないため、これらの数字にはソーシャルメディア広告への支出は含まれていない。

「主要なチャネル以外への拡大が重要」

ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に全面広告を出稿するなど、メディアミックスにOOHと活字を追加すれば、より広範で多様なオーディエンスにリーチできる。また、Twitchのようなプラットフォームは、男性顧客の開拓に威力を発揮するだろう。「Twitchは、我々がこれまでに出稿してきたほかのチャネルよりも、男性への普及率が高いことが分かっている」とルブラン氏は述べている。

「新しいオーディエンスにリーチを広げるには、主要なチャネル以外にも広告の到達範囲を拡大することが必要だ」。そう指摘するのは、ブランドコンサルタントでメタフォース(Metaforce)の共同設立者であるアレン・アダムソン氏だ。「リーチを広げるには、メディアチャネルを広げる必要がある」と同氏は話す。「フリクエンシーよりもリーチを伸ばしたいなら、チャネルを増やさなければならない。リーチを広げるもっとも効果的な方法は、広告チャネルを拡大することだ」。

この広告戦略のシフトを陰で支えているのが社内のマーケティングチームだ。最新のキャンペーン「エヴリ・シングル・デイ(Every. Single. Day.)」では、日焼け止めを使うことが生活の一部というサンスクリーン愛用者の声を紹介することにより、ほかの人々にも日焼け止めを使用する習慣を広めていきたいという。

健康には気をつけているが、日焼け止めを使う習慣はない。そういう人々に誰かの体験談を聞いて、検討する機会にしてほしいとルブラン氏は述べている。「健康やウェルネスの視点で、自分も日焼け止めを毎日使ってみようかなと思ってもらえれば幸いだ」。

[原文:‘Go broader’: Supergoop is aiming to boost brand awareness, get in front of new audiences with OOH, print and Twitch

Kristina Monllos(翻訳:英じゅんこ、編集:分島翔平)

Source

タイトルとURLをコピーしました