「なぜうんちを我慢するべきではないのか?」を専門家が解説

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人間には大便がしたいのに我慢せざるを得ないタイミングが多々ありますが、ニューカッスル大学医学部の名誉教授であるMartin Veysey氏は、「大便を我慢することには多くのリスクがある」と主張し、大便を我慢しない方がいい理由について解説しています。

Why holding back your urge to poop can wreak havoc on your insides – a gastroenterologist explains
https://theconversation.com/why-holding-back-your-urge-to-poop-can-wreak-havoc-on-your-insides-a-gastroenterologist-explains-175047

大便をする頻度は人によってさまざまであり、1日に数回という人もいれば数日に1回という人もいますが、「朝食後に大便がしたくなる」という傾向の人が多いはず。食物が胃に入った段階で大便がしたくなる現象を見つけた20世紀初頭の生理学者らは、この現象に「胃・大腸反射」と名付けました。

赤ちゃんはいつでもしたい時に大便ができますが、人間は成長するに従って「大便を我慢すること」を覚えます。これは発達における重要なステップであり、社会生活を営む上でも重要なスキルですが、時には大便を我慢するとそのまま衝動を忘れ、いつしか大便をしたいと思わなくなる場合もあります。

しかしVeysey氏は、習慣的に大便の衝動を抑制することは「便秘」「腹痛」「排便習慣の乱れ」「おなかの張り(膨満感)」「消化管にたまるガスの増加」「大便の腸通過時間の長期化」といった問題と関連している可能性があると指摘。大便を我慢することには多くのリスクがあると説明しています。


大便について考える際、多くの人は「どれくらいの頻度で大便をするのか」は考えるかもしれませんが、もう1つ見落とされがちな要素として「食べたものがどれくらいの時間で排せつされるのか」というものがあります。

一般に何かを食べてから大便として排せつされるまで8~24時間ほどかかるとされており、これより極端に短かったり長かったりすると、何かしら健康上の問題がある可能性があります。大便を長時間我慢するとそれだけ消化された食物が体内にとどまる時間が長くなり、それだけ大便となる混合物の発酵や分解が進みます。こうして生成されたガスや代謝物は腸壁を通じて体内に取り込まれ、体に悪影響を及ぼす可能性があるとのこと。

大便が体内にとどまることで自家中毒になってしまうという考えは古くから存在し、古代ギリシャ人は腸内に大便がたまると血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁からなる四体液が不均衡となり、健康を害すると考えていました。実際に食物が排せつされるまでの時間が長いことは、大腸がん・結腸ポリープ・大腸憩室症(大腸の内壁が袋状に飛び出してしまう状態)・胆石痔核(じかく)などの原因になるとVeysey氏は述べています。


Veysey氏は、食物繊維が豊富な食事や十分な水分摂取、定期的な運動、認知行動療法などにより排便習慣は改善できると主張。「最も重要なのは、大腸の呼び声に耳を傾けることです」と述べました。

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2022年06月18日 22時00分00秒 in サイエンス, Posted by log1h_ik

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