「常に消費者の親友であった」: トゥーフェイスドのグローバルマーケティングSVPが語る、SMSによる顧客との1on1マーケティング

DIGIDAY

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この年末年始も化粧品をオンラインで購入する人がいるなか、コスメブランドのトゥーフェイスド(Too Faced)はコンシェルジュサービスエクスペリエンスをSMSを通して届けようとしている。

11月から12月31日まで、同社はSMSマーケティングプラットフォームであるコミュニティ(Community)とのパートナーシップにより「ピンクグローブサービス(Pink Glove Service)」を行っている。このプログラムでは、買い物客が商品についての質問をテキストで同社に問いかけたり、厳選されたギフトのアイデアや、プロモーションの通知を受け取ったり、そのほかの特典を受けたりすることができる。この取り組みにより、同ブランドは買い物客に応じてパーソナライズされた対話ができるようになる。

トゥーフェイスドは、買い物客と、自社マーケティングチームのメンバーとのあいだで双方向の対話を行うことで、ホリデーシーズンにオンラインショッピングのノイズをはねのけたいと考えている。SMSでのコンシェルジュサービスの概念は新しいものではないが、これによって、1年でもっとも忙しいショッピングシーズンが到来するなか、ほかのコスメブランドから抜きん出ることができると語っている。

1on1でのコンシェルジュサービスは、ブランドが顧客とのあいだでより強力な関係を育てる方法として、何年にもわたり小売店舗で重視されてきた。しかし、パンデミックが発生したため、小売業者はこの種類の顧客サービスエクスペリエンスをリモートで行う方法を模索してきた。たとえばラグジュアリーファッション小売プラットフォームのファーフェッチ(FarFetch)は10月に、すべての個人顧客を対象として、ユニークなアイテムを見つけるために役立つようモバイルベースのコンシェルジュサービスを開始した。一方で、百貨店チェーンのニーマンマーカス(Neiman Marcus)は、スタイリストが店舗と同様のショッピングエクスペリエンスをオンラインで顧客に提供できるデジタルハブを、2020年にすでに開発している。

一部の買い物客は従来のように店舗で化粧品を買い求めるようになりつつあるが、インサイダーインテリジェンス(Insider Intelligence)の最近のデータによれば、ビューティカテゴリーのeコマース販売の売上は、2019年の92億1000万ドル(約1兆2900億円)から、今年は186億ドル(約2兆6000億円)に増加すると見込まれている。

トゥーフェイスドのグローバルマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるソマー・テジュワニ氏は、同社がSMSのコンシェルジュサービスをどのように行う計画なのか、そしてそのサービスは同社の成長計画でどのような位置を占めるのかについて、米モダンリテールに語った。

以下の対談内容は、簡潔性と明瞭性のため多少の編集を加えたものである。

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――買い物客との対話のため、トゥーフェイスドはなぜこの方法を選んだのか?

当社は、ホリデーシーズンにまったく新しい方法で消費者と繋がりたいと考え、このアイデアにたどり着いた。多くのブランドにとって、テキストメッセージとSMSマーケティングは何年にもわたって企業戦略の非常に大きな部分を占めてきた。

しかし、この方法がそれらと異なる点は、コミュニティプラットフォームを使用していることだ。このプラットフォームでは1対1の関係でSMSメッセージを使用できる。これによって、消費者にテキストメッセージを実際に送信でき、消費者もテキストで返信できる。

言うまでもなく、ホリデーシーズンは非常に忙しい時期だ。人々は大勢のために買い物をしなければならず、ホリデーのパーティーに出かけ、メイクアップの新しいヒントやコツを探したり、予算を増やす方法を模索している。そこで当社は、コミュニティのサービスを使用して今年のホリデーのコンシェルジュプログラムを作り上げることを考えた。

――トゥーフェイスドは、このホリデーに「ピンクグローブサービス」を提供することで、何を達成することを望んでいるのか?

当社の消費者とのあいだでさらにコミュニティを築くことをめざしている。当社は常に、有意義な方法でファンとつながりを持つことを基礎としてきたブランドだ。Covidより前には、対面のエクスペリエンスとソーシャルメディアでつながりを持ってきた。

当社はこれらのエクスペリエンスを重視している。しかしソーシャルメディアでは、消費者とのつながりを本当に保有することはできない。多くの場合に、アルゴリズムによる制限を受ける。消費者がプログラムへの参加を選択すると、それらの消費者と、消費者および当社の側で1対1のつながりが可能になる。そして、消費者が当社のメッセージを聞きたいと思うかどうか、また、消費者がコミュニティから離脱しないかどうかは、当社次第だ。

――そのサービスはブランド全体の戦略でどのような位置を占めるのか?

ブランドとしてのトゥーフェイスドにとってもっとも重要で、トゥーフェイスドがほかの優れたビューティブランドと一線を画する点のひとつは、常に消費者の親友とみなされてきたことだと考える。これは、25年以上前にこのブランドを構築する基礎になったものだ。

それは、ブランドとして当社が掲げているもの、すなわち消費者とのつながりを築き上げ、メイクアップの謎を解くということと完全に適合している。

ここから何か素晴らしい洞察が得られるのであれば、ブランドとして、ピボット(方向転換)することができるだろう。

――買い物客を引き付けたいという想いを反映したものとして、過去にはほかにどのような取り組みを行ってきたのか?

当社はNFCタグを使用してボクシーチャーム(BoxyCharm)と共同プログラムを行った。その要旨は基本的に、当社の人気リッププランパーである「リップ・インジェクション・マキシマム・プランプ」を入手し、スマートフォンでスキャンすれば、使い方のヒントとコツ、ハウツー、商品情報など多くの情報が得られるというものだ。

TikTokについて言えば、当社は100万回再生を達成した数少ないブランドのひとつであり、私がこれまでに見てきたビューティブランドのなかでも動画の再生回数がもっとも多い。

TikTokの使用は、当社の成功の鍵だろう。そして当社はTikTokショッピングのリーダーのひとりであり、TikTokではリアルタイムのフィードバックが得られるため、人々とのつながりを持つ素晴らしい機会になっている。

[原文:Too Faced’s svp of global marketing on how the company plans to win shoppers this holiday through text]

MARIA MONTEROS(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:黒田千聖)
Image Via Too Faced

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