メルマガのモーニングブリュー、券売式 対面イベント 開催へ

DIGIDAY

ビジネスニュースレター事業のモーニングブリュー(Morning Brew)は今秋、チケット制の初の対面イベントとして、ニューヨーク市で全日イベントのサミットを3つ開催する。

各イベントは、同社が抱えるエマージング・テックブリュー(Emerging Tech Brew)、リテールブリュー(Retail Brew)、マーケティング・ブリュー(Marketing Brew)の3つのバーティカルそれぞれに特化される。同社の広報担当者によると、同社の日刊ニュースレターの購読者数は350万人を超えているという。売上高の大半はニュースレター広告によるものだが、正確な数字は明らかにされていない。

「これらのライブ・サミットの目的は、我々が毎日ニュースレターやサイトで行っているジャーナリズムをライブで行うことだ」と、モーニングブリューのB2B部門のゼネラルマネージャーであるジェイコブ・ドネリー氏は述べた。

「我々はコンサルタントパートナーに」

最初のサミットは「エマージング・テックブリュー・サミット:ザ・ネクスト・ディケード・オブ・テック(The Next Decade of Tech)」と題され、9月29日に開催。その後10月25日に「ザ・エスケーユー:リテール・ブリューサミット(The SKU:Retail Brew Summit)」、11月15日に「ザ・ブリーフ:ア・サミット・プレゼンテッド・バイ・マーケティング・ブリュー(The Brief: a Summit presented by Marketing Brew)」が開催される。イベント会場は、マンハッタンのミッドタウンにある「センター415(Center 415)」。ドネリー氏によると、同社は各サミットに500人以上の参加者を見込んでいるという。

同サミットに参加するには、COVID-19の予防接種証明書が必要となる。カードは会場で確認される。同氏によると、マスクはオプションになるようだ。

サミットの入場料は約500ドル(約610円)から。出席者は「業界のリーダーやプロフェッショナル」であることが期待されている、と同氏は言う。モーニングブリューはサミットをライブ配信するかどうか検討中だが、おそらく録画が後日シェアされるだろう。

ドネリー氏によると、同社は今回のサミットに向けて、「数万〜数十万ドル(数百万〜数千万円)」という段階的なスポンサーパッケージも販売しているという。どのようなスポンサーシップの機会が広告主に提供されるのかという質問に対して、彼は「我々はコンサルタントパートナーになろうとしている。たくさんのブースを設けて、そこに(広告を)ただ設置して終わり、にはならないだろう。それよりももっと面白いものにしたい」と答えた。同氏は、サミットでのスポンサー付き企画や、参加者が広告主から提供されたテック製品をテストするなどのインタラクティブな要素がこれに含まれると想像している。同社のバーチャルイベントのこれまでのスポンサーは、Amazon広告(Amazon Advertising)、ボルト(Bolt)、スクエア(Square)、ブラックロック・アイシェアズ(BlackRock iShares)、ジャストワークス(Justworks)などだ。ドネリー氏は、今回のサミットに関して同社が現在どの広告主と話し合いをしているのかは明かさなかったが、スポンサーに「数週間以内に契約してもらいたい」と話した。

モーニングブリューはこれまで、主にオンラインのイベントやパネルを開催してきたが、広告主がスポンサーになり、参加は無料であった。イベントは同社にとって新しい事業だ。同社は2021年に17件のイベントを開催している。広報担当者は、これらのバーチャルイベントで同社が得た売り上げを明らかにしなかった。イベントは今年の同社B2B売上の約10%を占めると予測されている、と広報担当者は語った。モーニングブリューは2020年の売上高を2000万ドル(約24億円)と予想していた。広報担当者は、2021年の最新の売上高を明らかにしていない。

しかし、今年のモーニングブリューの最初のライブイベントはこのサミットではない。ドネリー氏によると、参加無料のスポンサー付きフォーラムの形式で、夕方の時間帯に約100人を対象に、特定の話題について開催する対面式小規模イベントを開催するという。ひとつ目は、スポーツマーケティング・フォーラムで、4月12日にニューヨークで開催される予定だ。ドネリー氏は参加ブランドを明らかにしておらず、広報担当者は、イベントをひとつのスポンサーに限定するかどうか質問されたが、コメントを拒否した。

対面イベントにおける本質的な価値

体験型エージェンシーのホークアイ(Hawkeye)の体験部門のシニアバイスプレジデントであるグラント・オグバーン氏と、クリエイティヴ体験型エージェンシーのMKGの最高クリエイティブ責任者であるローレン・オースティン氏によると、バーチャルでの視聴というオプションがある現在、人々を対面のイベントに参加させるには、パンデミック前よりも多くの考慮が必要になっているとのことだ。

「人々に会場に来て、自分の時間、会社の時間とお金を投資したいと思ってもらうには、イベントは極めて魅力的な体験である必要があり、たくさんの本質的な価値を得てもらう必要がある。そうでなければ、バーチャルイベントの形で参加する方が効率的な時間の使い方となってしまう」とオグバーン氏。しかしネットワーキングの機会や、潜在的な顧客と直接、細やかなコミュニケーションを取れる「ハイタッチ営業の機会」は、仮想的なイベントやハイブリッドのイベントでは代用できない。

ドネリー氏によると、モーニングブリューはパンデミックがもっと安定するまで、ライブイベント事業に参入するのを待っていたという。同社はコロナ禍以降、従業員数を40人から225人に増やしている。5人からなるライブイベント部門は、6人目の人材を近く迎え入れることを目指しているという。

ブランドたちからホークアイに送られるRFPやブリーフの数は、2021年と2020年に比べて「10倍」に増えているとオグバーン氏は言う。スポンサーになれるイベントの数も増えている。しかし、それらのRFPのほぼすべてが「1年を通して、対面とオンラインの両方を組み合わせた混合アプローチで構成されている」と同氏は述べた。

オースティン氏によると、B2Cイベントが増えたのは、昨年春にワクチン接種が可能になってからのことだという。天候が良くなったことと、B2Cイベントは屋外で開催されることが多い(通常屋内で開催されるB2B会議やサミットとは対照的に)ためだ。だが、オミクロンの波が過ぎ去りつつある現在、「この1カ月で、プロジェクトやRFPが大量に増えている。この春、夏、秋は、B2CだけでなくB2Bでも、対面や体験型のイベントの規模が大きなものになると予想している」と同氏は述べた。また、同様にニュースレターを中心に扱うプロフェッショナル向けメディア企業のアクシオス(Axios)は、今年4月にワシントンD.C.で同社最大のイベントを開催する予定だ。このイベントには200人以上が参加する見込みだ。

「SXSWやマディソン・スクエア・ガーデンでのイベントや、スポーツイベントで見られるように、今では人々は屋内イベントに対する抵抗感が減っていると思う。今は1年前とは違う感覚がある」とオースティン氏は言った。

[原文:Morning Brew to host its first ticketed, in-person summits this fall

Sara Guaglione(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)
Illustrated by IVY LIU

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