スーパーボウル広告費、デジタルメディアなら何を買える?:30秒のスポットで約7.1億円!

DIGIDAY

2022年のスーパーボウルで広告を流すブランドは、30秒のスポットに650万ドル(約7億1500万円)払うと言われている。この価格によって、第56回スーパーボウルはこれまでで広告がもっとも高い試合となり、そのとおりになれば、2021年の550万ドル(約6億500万円)から100万ドル(約1億1000万円)増加することになる。

しかし、ほぼ間違いなく2022年最大のスポーツイベント中に何百万人もの視聴者の目に触れるチャンスを得るためなら、そのコストは正当だ、と製菓会社のフリトレー(Frito-Lay)などのブランドは言う。そして、現在パンデミックによってライブイベントなどの開催が制限されていることを考えると、2022年のスーパーボウルはマーケターにとってこれまで以上に重要かもしれない

これらのコストを大局的に考えるために、デジタル分野で650万ドルを使ったら、どんなことが得られるのかを見ることにしよう(次の3つのリンクから以前の集計の参照が可能:リンク1リンク2リンク3

Facebook広告で6億5000万インプレッション

憎悪に満ちたコンテンツ制作に対する内部告発、ユーザーの減少など、Facebookは過去1年間に、数々の大きな課題に取り組んできた。それでも、Facebookは巨大SNSとして、依然トップに君臨し続けている。メディアバイヤーの最近の見積もりによると、業界内ではいまだにFacebook広告に平均で約10ドル(約1100円)が使われている。つまり650万ドル払えば、バイヤーは最大6億5000万インプレッションを獲得できる。

TikTok広告で8億4300万インプレッション

過去18カ月間、TikTokはSNSの「金の卵」として頭角を現してきた。この驚くほどの短期間で10億人ものユーザーを獲得したと報告されており、調査でこのショート動画アプリでの広告の効果は絶大と記されている。ということは、ブランドはスーパーボウルへの広告出稿よりもTikTokへの出稿を検討するかもしれない。単純計算で、650万ドルの有料投稿で約8億4300万インプレッションを稼げる可能性がある。メディアバイヤーによれば、TikTokのCPMは平均約7.71ドル(約850円)だ。

インスタカート検索広告で91万5000クリック

パンデミックが続くなか、スーパーボールファンのあいだでは、2022年はデリバリーやテイクアウトでチキンウイングやビールを買って自宅で観戦するという考えが広まっている。インスタカート(Instacart、ウーバーイーツの買い物バージョン)は2021年、広告オファリングを増やした実績がある。それゆえ、より多くの利益を得たいと考えている広告主にとって、現在、強力な小売メディアの候補となっている。あるメディアバイヤーによると、650万ドル支払えば、ブランドはインスタカート検索広告でクリック数57万7000~91万5000を稼げることも可能だという。すでにスーパーボウルに先駆けて、インスタカート検索広告には、7.10ドル~11.25ドル(約780~1万2500円)の値札が付いている(平均5.70ドル~9ドル[約650~990円]からアップ)。

420万回のGoogle検索クリック

2022年1月初頭から、Googleトレンドでは、スーパーボウル関連の検索数が増加している。どのチームがスーパーボウルに出場するか、ハーフタイムショーの出演者は誰なのかなど、人々はさまざまな疑問を検索し、回答を得てはまた次の疑問を検索する。広告主はそのトレンドを利用して、スーパーボウルCMの出費分で340万から420万のGoogle検索クリックを達成しようと考えている。現在、Google検索広告はメディアバイヤー1人あたりのクリック単価が1.55~1.90ドル(約170~210円)になっており、スーパーボウルのおかげで、平均の0.20~1.16ドル(約22~130円)から大幅にアップしている。

Amazonがスポンサーとなっている動画が、再生回数170万を突破

Amazonは昨年、310億ドル(約3兆4000億円)の広告収入を得た。つまり、広告主が小売大手に多額の費用を投じるのは、もはや珍しくないという事実にほかならない。広告主は650万ドルで、Amazonがスポンサーとなっている動画広告で120万~170万クリックを獲得できる。あるメディアバイヤーは、Amazonがスポンサーとなっている動画は、スーパーボウルの前には3.75~5.30ドル(約420~590円)の範囲で売れると話している。通常、これらの価格は、バイヤー1人あたり3~4.25ドル(約330~470円)の範囲だ。

TikTokブランドのハッシュタグチャレンジ30日間

スーパーボウルのスポット広告の費用があれば、広告主は30日分のTikTokブランドのハッシュタグチャレンジを獲得できると、あるメディアバイヤーは言う。現在、広告主は65万ドル(約7150万円)でハッシュタグチャレンジを3日間行なうことができると、また別のメディアバイヤーが付け加える。より具体的に言えば、インフルエンサーのジミー・ドナルドソン氏(SNSの世界ではMrBeastとして知られて、3300万人以上のフォロワーを持つ)とのジョイントで事業または製品ラインを立ち上げると、広告主には約500万ドル(約5億5000万円)の費用がかかるが、(彼の直前のベンチャーへの費用に基づくと)スーパーボウルのスポット広告よりも150万ドル(約1億6500万円)節約できる。または、650万ドルで、約1万人のフォロワーを持つTikTokマイクロインフルエンサーから6500件の投稿を得ることができる。

[原文:What a $6.5 million Super Bowl ad can buy in digital media

KIMEKO MCCOY(翻訳:SI Japan、編集:長田真)

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