Z世代 の美容ブランドランキング、頂点に立ったのは、セラヴィとE.l.f.コスメティクス

DIGIDAY

Z世代に支持されるメイクアップ&スキンケアブランドとして頂点に立つのは、TikTokの活用と手ごろな価格帯で人気を集めるE.l.f.コスメティクス(E.l.f. Cosmetics)やセラヴィ(CeraVe)であることが、Z世代向けのメディア企業「カイラ(Kyra)」の最新レポートで明らかになった。

この「2022 Gen Z State of Beauty Report」は18~25歳の1,000名を対象に実施した調査で、回答者が日常的に使用するメイクアップブランドのランキングでは昨年1位のメイベリン(Maybelline)を抑えてE.l.f.コスメティクスがトップに浮上した。スキンケアブランドのランキングでは、昨年2位のセラヴィが首位に立った。手に届きやすい美容ブランドがTikTokで話題になり、地位を獲得することが継続的な成功につながることを示唆するものだ。

TikTokで話題になったブランドと、Z世代に評価されるブランドのランキングには「直接的な関係がある」とカイラのビューティ&ウェルネス担当バイスプレジデント、マリナ・マンスール氏は語る。

回答者のあいだで、スキンケア関連の情報源としてもっともよく使われるのはTikTokだ。Z世代の「スキンタレクチュアル」(skintellectual、肌に関する深い知識を持つ人)は成分について積極的に調べ、ミレニアル世代よりも早い段階からアンチエイジング製品での予防的なケアに注目する。この恩恵を特に受けたのがセラヴィで、TikTokスキンフルエンサーとして人気なハイラム・ヤーブロ氏などを積極的に起用し、バイラルだった時期以外にもその勢いを維持している。

Z世代の肌に関する最大の悩みは依然としてニキビだが、アンチエイジングを予防策として取り入れる人も増えている。Z世代のあいだでもっともも使用されている製品は保湿剤で、日焼け止めとフェイスマスクがそれに続く。アンチエイジングのヒアルロン酸は8位(2021年)から今年は4位に急上昇した。

「彼らの購買意欲は非常に高いが、購買に至るまでには使用前と使用後の比較や、ルーティンの中にどのように組み込めるかを確認する必要がある」とマンスール氏は語る。

TikTokで有名なブランドが人気につながるのは、メイクアップでも同様だ。TikTokのキャンペーンで成功を収めたE.l.f.コスメティクスは、今年のランキングでトップに躍り出た。過去2年間でTikTokの施策が成功し、昨年は1位だったメイベリンが今年は2位に選ばれた。同ブランドのマスカラ「スカイハイ(Sky High)」は2021年1月にTikTokで話題になり、今もアマゾン(Amazon)で頻繁に売り切れるほどの人気を誇る。

「E.l.f.はTikTokでのアプローチに大胆に挑んだ」とマンスール氏。「TikTok上では非常に攻めの姿勢で、それが反映されている」。

Z世代がTikTokで発見して愛用するメイクアップ製品は、ドラッグストアで販売されているようなブランドにとどまらない。3位にランクインしたディオール ビューティー(Dior Beauty)は、2021年にはロージー・グロウ・ブラッシュ(Rosy Glow Blush)、そして今年はアディクト・リップ・オイル(Addict Lip Oil)などの製品が、TikTokで熱狂的な支持を得た。

ディオールの成功は、TikTokで話題沸騰となった美容製品は「価格に関係なく」売り上げが促進されることを示すもので、「心強い」とマンスール氏は述べる。

Z世代は、新しく見つけた製品を試すことに熱心な層だ。オンラインで見つけた新製品を2カ月に1回は購入すると、40%が回答している。

このレポートでは、Z世代のヘアケアやボディケア、フレグランスのトレンドについても調べている。回答者のなかでもっとも人気を集めたのは、ヘアケアではトレセメ(Tresemmé)、ボディケアではダヴ(Dove)と、両部門ともドラッグストアで買えるブランドが圧倒的に優勢だった。

フレグランスに関しては、毎日使用している回答者はわずか21%で、Z世代は自分の好みをまだ探している状態といえる。だが、探すスピードは速いようで、フレグランスを3~5つ所有している回答者は6割に上った。ジェンダーニュートラルなフレグランスの流行にZ世代は共感しており、ジェンダーレスな香りをつけることに43%が関心を持っている。見た目も重要で、時には香りそのものよりも重視される。ボトルの見た目が購入を決める際に重要だと述べた回答者は半数を超え、一方で実際に香りを嗅いでから決めるという回答者は5割弱にとどまった。

ジェンダーニュートラルな製品の台頭に伴い、自身の購買行動にあらゆるジェンダーの美容クリエイターが等しく影響力を持つと考えている回答者は、69%に上った。同レポートはZ世代のことを「ジェンダーにとらわれない」世代だと表現している。

Z世代の共感を得るためにはコンテンツクリエイター、特にTikTokのクリエイターとの関係を構築するよう、同レポートは助言する。美容クリエイターのコンテンツの中で、回答者が最も関心を持つのはチュートリアルで、17%がもっと見たいコンテンツとしてチュートリアルを挙げている。

TikTokで強い影響力を持つのはユーモアのある動画で、この潮流は美容コンテンツでも無視できない。16%はもっと面白いコンテンツを望んでいる。また、美容クリエイターに期待する資質として、1位は「誠実さ」、2位に「ユーモア」と「親しみやすさ」が並んだ。

[原文:CeraVe and E.l.f. Cosmetics rank as top beauty brands for Gen Z

LIZ FLORA(翻訳:田崎亮子/編集:山岸祐加子)

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