2022年10月6日から はま寿司 にて始まった「大切りドデカねた祭り 第1弾」。公式HPによれば「厳選ネタを”大切り”、”特盛り”でご提供」ということらしい。
第1弾の目玉は110円の「特盛り えんがわ塩炙りつつみ」や、165円の「特盛り 炙りとろサーモンつつみ」などのもよう。とりあえず食べに行ってみた結果……
・11品
今回オーダーしたのは、フェア対象メニューから11品。「特盛り 焼肉つつみ(110円)」や、丸ごとである必要性は薄そうな「丸ごと手長海老(528円)」はスルーした。
総括として、今回のフェアでイイ感じなのは2品。目玉の一つ「特盛り えんがわ塩炙りつつみ(110円)」と、「大切り藁焼きまんだい(110円)」だ。
・えんがわ
まずは えんがわ から。イチオシなノーマルと
もみじおろしVerの2種展開。こちらはオレンジの差し色がビジュアル的にイイ感じではあれど、味的には邪魔に感じた。
プリプリでクニクニした えんがわ のスライスが複数入っていることから、通常の握りとは全く違う、えんがわ寿司の新たな側面を楽しめる。
塩炙りという調理スタイルも、えんがわ本来のシンプルな風味を良い方向でエンハンスしている。ノーマルはマジでウマいし、110円というコスパも素晴らしい。これだけで20個はイケる。
・マンダイ
続いて「大切り藁焼きまんだい(110円)」。こちらはウマさではなく、コスパと面白さの面から推したい1品。
寿司で面白さが重要かって? 当然でしょう。寿司屋とは食っていい水族館のことですからね。面白さは重要だと思います。
さて、問題はマンダイだ。なぜ はま寿司 がこの呼称を選んだのかはわからない。ただ、多くの方がピンと来ないと思うのだ。個人的には関東でしか聞かない呼び名だと思っているが、どうだろう。
・アカマンボウ
こいつの正体はアカマンボウ。”マン” は恐らくアカマンボウのマンボウっぽいビジュアルからきているのだろう。
“ダイ” は……よくわからないが、もしかしたら真鯛と関連付けたい的な思惑があってのことかもしれない。日本人は何かと〇〇ダイって名付けたがるところがあるし。
何にせよ、アカマンボウはマンボウともタイとも無関係だ。マンボウはフグ目で、タイはスズキ目に属する魚。
しかしアカマンボウはアカマンボウ目。しかもアカマンボウ科なので、アカマンボウ目を代表する魚と言っていいかもしれない。
同じアカマンボウ目にはアカマンボウより知名度がありそうなリュウグウノツカイがいる。つまりアカマンボウは、マンボウやタイよりもリュウグウノツカイに近縁の魚だ。
・謎
さらに興味深いのが、アカマンボウを目的とした漁など到底行われていないであろうに、はま寿司が少なくとも全国の店舗に供給できるだけの量を仕入れたと思われる点。
群れを作らない & 生息域が表層から深海まで広いということもあり、これだけを狙って専門的な漁をしても採算をとるのは難しいはず。
水揚げがあるとしたら、それはマグロやカジキ漁などでの混獲だ。はま寿司がどういう経緯で、生で食える鮮度のアカマンボウを全国の店舗に安定供給できる仕入れ先を確保するに至ったのかは不明だが、トガったチョイスだと思う。
もしかして、本当はいつもの仕入れ先からマグロなりカジキを仕入れる予定だったのが、偶然アカマンボウばかり獲れてしまって急遽起用したとかだろうか? 想像が膨らむ。
風味の面ではマグロに近しいものを感じさせることが知られている。ということでマンダイの藁焼きとは、すなわちアカマンボウの藁焼きであり、予想される味わいとしてはマグロの藁焼き。
まあでもマグロの藁焼き自体が回転寿司屋ではレアだしな。ということで食ってみると、なるほどね。
ちょっとあっさりしたマグロって感じ。実にアカマンボウ。食べやすいし110円だし、興味深さ的にも是非アカマンボウについて語り合いながら食べて欲しい。
ということで、今回のフェアは大切りとか特盛り云々というよりは、ウマさの えんがわ と面白さのアカマンボウ祭りだと結論付けたい。
特に えんがわ 好きは「特盛り えんがわ塩炙りつつみ」をマジで食ってみてくれ。うめぇぞ!