BNPL (後払い)プラットフォームの話題は尽きないが、このサービスが本当のメインストリームになれるのかどうか、まだ結論は出ていない。米モダンリテールとアテストによる最近の調査では、買い物客の大半はこれまでにオンライン購入で後払いプラットフォームを使ったことがないことが明らかになった。PLATFORMS & COMMERCE
こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
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「今すぐ買って、後で払う」というBNPL(後払い)プラットフォームの話題は尽きないが、このサービスが本当のメインストリームになれるのかどうか、まだ結論は出ていない。
主要なプラットフォームから報告される結果はさまざまなものだ。アファーム(Affirm)は、前四半期に顧客ベースが96%も増加したと発表したが、クラーナ(Klarna)は国際的な事業拡大を図るなか、損失が300%近くも増加したと報告している。
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これらの企業は成長を求め続ける一方で、チェックアウトのプロセスにおけるより普遍的な存在になろうと試みている。しかし、米モダンリテールとアテストによる最近の調査では、買い物客の大半はこれまでにオンライン購入で後払いプラットフォームを使ったことがないことが明らかになった。
この調査では、米国の2000人を対象に、オンライン購入でBNPLを使用したことがあるかなど、買い物の習慣について質問したところ、回答者の54%は、これまでにBNPLを使用したことがないと回答した。使用したことがある回答者のうち18%は「何回も」使用していると述べ、12%は「1回だけ」使用したと回答している。
BNPLプラットフォームの多くが、成長と収益性の両方を追及している状況だが、現状はこのとおりだ。アファームは最新の決算発表で、アクティブユーザー数が1400万人だと語った。クラーナは、同社のプラットフォームが1億5000万人に利用され、45万社の加盟小売店によって提供されていると語った。ちなみに、ニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)によると、2022年の第1四半期に米国で開設されたクレジットカードのアカウント数は5億3700万を超えていた。
しかし、若い層の買い物客に注目すると、話は少し異なったものになる。30歳以下の回答者は、BNPLプラットフォームの認識が高く、51%は少なくとも1回は使用したことがあると答えた。
後払いサービスを使用したことがある消費者のうち22%は、後払いサービスを「何回も」使用したと答えている。
これは、インフレ加速のなかで起きているZ世代の消費傾向の変化していることを示す、以前の米モダンリテールのレポートと一致している。価格が上昇するなかで、大きな買い物を可能にする新しいツールを求めている若い層の人々が増えているということだ。
ザ・モトリー・フール(Motley Fool)のジ・アセント(The Ascent)で調査アナリストを務めるジャック・カポラル氏は以前、「この年齢層はツールを好み、ほかの方法では予算に収まらないような購入を行うためツールを多用する」と、米モダンリテールに語った。
[原文:Modern Retail x Attest Research: More than half of U.S. shoppers have never used buy now, pay later]
CALE GUTHRIE WEISSMAN(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
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