オーガニックな成長促進のため、 TikTok 広告を強化するブランドの狙い:「『共感』と『関係』、両方を獲得する必要がある」

DIGIDAY

ヘアケアブランドのオラプレックスが、TikTokで初めて実施した有料のハッシュタグチャレンジで、72時間に30億回もの視聴回数を獲得した。同社CMOを務めるシャルロット・ワトソン氏によれば、TikTokの有料広告への投資は、新しい消費者のあいだで「ブランド認知度を継続的に高める」ことに狙いがあるという。

ヘアケアブランドのオラプレックス(Olaplex)が、TikTokで初めて実施した有料のハッシュタグチャレンジで、72時間に30億回もの視聴回数を獲得した。8月初めに行われたこのチャレンジは、同社の製品を使う前と使った後の髪の状態がわかる写真を、「#Olaflex」というタグを付けて投稿するよう呼びかけるものだった。

この企画は「費用、リソース、時間、インフルエンサーのサポート」という点で、オラプレックスにとって「今年に入って最大規模のソーシャルメディアキャンペーン」だったと、CMOを務めるシャルロット・ワトソン氏は説明する。同社は2年前からTikTokに参入しており、Olaflexのハッシュタグで30カ月間に獲得した視聴回数は11億回ほどに上っている。だが、オラプレックスはコミュニティの構築に重点を置いてきたため、TikTokで上げた成果の多くはオーガニックなものだった。

狙いは「ブランド認知度の継続的向上」

ワトソン氏によれば、TikTokの有料広告への投資は、新しい消費者のあいだで「ブランド認知度を継続的に高める」ことに狙いがあり、今回のハッシュタグチャレンジは、商品の効果を教育エンターテインメントの形で伝えるものにしたという。「オーガニックに共感を得ることから始めるのは自然なことだ。そして、オーガニックな成功を収めてきた我々にとって、有料広告への投資でさらに成長を促進しようとするのは当然の選択だった」。

オラプレックスは今回の取り組みで、有料のハッシュタグを利用しただけでなく、400人を超えるインフルエンサーと提携した。ただし、彼らの大半は無報酬で、投稿と引き換えに商品を受け取っただけだ。ワトソン氏はこの企画に費やした金額やブランド予算全体に占める割合を明らかにしていないため、実際にかかった金額はわかっていない。

パスマティックス(Pathmatics)のデータによれば、オラプレックスが今年に入って広告に費やした金額は37万8800ドル(約5310万円)で、そのほとんどが毎月インスタグラムに支払われているという。月間支出のデータを見ると、支出先の47%がインスタグラム、31%がFacebook、15%がTikTok、8%がデスクトップ動画だった。

引き続きTikTokへの投資を継続

TikTokでのオーガニックな成功を考えれば、オラプレックスがブランドの文化的な関連性を維持しようと、広告費を費やしてこうした取り組みを強化するのも不思議ではないと、業界観測筋は指摘する。

「現代のブランドは、文化的な関連性と文化的な共感の両方を獲得する必要がある」というのは、コンサル企業のランドー&フィッチ(Landor and Fitch)でエグゼクティブクリエイティブディレクターを務めるMB氏だ。「この世界で最もエンゲージメントの高いオーディエンスを抱えているTikTokは、ブランドにとって、文化的なムーブメントを作り出すオーディエンスと交流できる、極めて影響力の大きい場所となりつつある」。

さらにMB氏は、次のように続けた。「特にビューティ業界では、ソーシャルメディアが極めて重要なツールとなっている。人々が使い方を教えたり、アドバイスやコツを伝えたり、表現の多様性や個人の創造性を称えるスタイルをシェアしたりしているからだ」。

ワトソン氏によれば、ハッシュタグチャレンジを終えたオラプレックスは、今回の結果を詳しく分析し、どのインフルエンサーが最も多くのリーチを生み出したか調査しているところだという。また、今後はTikTokへの投資を続けるだけでなく、最初に想起されるブランドとなるためにより幅広い取り組みを実施し、新しい顧客とともに成長を続けたい考えだ。

[原文:How Olaplex is looking to ‘fuel’ its organic growth on TikTok with a paid approach

Kristina Monllos(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:黒田千聖)


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